中国の自動車市場、価格競争が新たな局面
中国の自動車市場で価格競争が新たな局面に入っている。値下げ競争から退出する外資系企業が出ているほか、自動車メーカーの経営陣の間でも過当競争に対する否定的な声が上がっている。値下げ競争が広がる中、足元の企業業績は明暗が分かれている。競争は企業努力を促す側面があるが、過度の競争は企業の体力を消耗させるだけでなく、消費者の不満を招く事態もある。業界全体の長期的な発展につながる好循環を生み出すような競争の質が問われている。
中国の自動車市場で価格競争が新たな局面に入っている。値下げ競争から退出する外資系企業が出ているほか、自動車メーカーの経営陣の間でも過当競争に対する否定的な声が上がっている。値下げ競争が広がる中、足元の企業業績は明暗が分かれている。競争は企業努力を促す側面があるが、過度の競争は企業の体力を消耗させるだけでなく、消費者の不満を招く事態もある。業界全体の長期的な発展につながる好循環を生み出すような競争の質が問われている。
値下げ競争が続いている中国の自動車市場。足元で値下げは外資系高級車にも波及している。背景には中国市場で外資系企業が苦戦している状況がある。
ファーウェイが3月29日に発表した2023年12月期決算では、大幅増益を達成したことが明らかになった。過去数年の米国からの制裁を跳ね除け端末事業の業績改善が鮮明となった格好。また不採算が続いている自動車事業(インテリジェントカー・ソリューション事業)の業績も上向いている。巨額の研究開発費で知られる同社の2023年の研究開発費は1647億元。同年の売上高の23%に相当する額で、過去10年の累計の研究開発費は1兆1100億元に達した。
広州汽車集団が8月25日に発表した2023年1~6月期決算では、自主ブランドの新エネルギー車(NEV)事業による業績寄与が鮮明になった。合弁事業主導から自主ブランド主導にシフトしている状況が示された格好だ。
中国の新興自動車メーカーである理想汽車(Li Auto)の販売が好調だ。月次納車台数は今年6月、7月ともに3万台を突破した。また、生産が制約されている生産能力の問題について会社側は「10月に解消される」との見通しを示し、今後の納車台数に拡大余地があることを示唆している。
中国では今年上半期、新車販売に占める新エネルギー車(NEV)の比率が30%を突破した。これは、燃料車からNEVへの切り替えが増え、より広範な消費者がNEVを受け入れていることを示した格好だ。企業別では上位15ブランドのシェアが拡大。販売台数上位メーカーへの集約度が高まった。一方、売れ筋の車種は変化。純電気自動車の車種別ではセダンの中でも超小型「A00級」の販売が減速した。一方、SUVは総じて好調。また、30万元以上の高価格帯は苦戦している。
中国の自動車業界が秩序的な発展に向けて動き出した。価格競争や宣伝合戦が激化しており、こうした状況が業界全体の発展の足かせになりかねないためで、7月6日、自動車メーカー16社が『自動車業界の公平な競争市場の秩序維持の承諾書』に署名した。
中国で6月の新エネルギー車(NEV)納車・販売台数の発表が相次いでいる。全体でみると、3~4月の販売低迷から脱却し、6月は前月比で増加している企業が多い。個別企業では、7月2日時点で実績を発表した18社のうち月次販売台数が過去最高を記録したのは比亜迪(BYD)、広汽埃安(GAC Aion)、理想汽車(Li Auto)、零跑科技(Leap Motor)などの上位陣。また、今年に入ってから販売の勢いが鈍っていた蔚来汽車(NIO)、小鵬汽車(Xpeng Motors)は前月比で増加している。
中国の新エネルギー車(NEV)新興企業による5月の納車実績が発表された。値下げ合戦など競争が激化する中国のNEV業界。企業ごとの明暗が分かれている。好調なのは理想汽車(Li Auto)、哪吒汽車(Neta)、零跑科技(Leap Motor)。一方、当初新興勢力の御三家と言われた蔚来汽車(NIO)、小鵬汽車(Xpeng Motors)は低迷している。
中国の自動車業界で「BAT」という言葉が頻繁に出てきている。中国の「BAT」といえば、一般的にインターネット分野の百度(バイドゥ)、阿里巴巴(アリババ)、騰訊(テンセント)の3社を指すが、自動車業界でも「BAT」が出現。自動車業界の「BAT」とは、比亜迪(BYD)、埃安(AION)、テスラ(Tesla)を指し、自動車業界の勢力図の移り変わりを反映している。
多元ニュース