広州汽車、自主ブランドのNEV事業好調~業績寄与が鮮明に

広州汽車集団が8月25日に発表した2023年1~6月期決算では、自主ブランドの新エネルギー車(NEV)事業による業績寄与が鮮明になった。合弁事業主導から自主ブランド主導にシフトしている状況が示された格好だ。

 

■NEVの広汽埃安、販売倍増で増収サポート
1~6月期の売上高は前年同期比27.1%増の619億1,100万元、純利益は51.1%減の29億6,600万元と増収減益。増収の要因は自主ブランドの販売好調によるものだ。

期内の広州汽車全体の生産台数は3.9%増の119万6,800台、販売台数は1.1%増の116万2,800台。小幅な伸びにとどまった中で突出した伸びを記録したのはNEV事業を手掛ける広汽埃安(GAC Aion)。広汽埃安の生産台数は117%増の21万6,700台、販売台数は108.8%増の20万9,300台と、倍増となった。広汽埃安は足元で月次の販売台数が4万台以上で推移。中国のNEV乗用車の販売台数はBYD、テスラに続いて3位についている。

また、自主ブランドの乗用車事業を手掛ける広汽伝祺(Trumpchi)は生産台数が7.3%増の18万2,000台、販売台数は8.9%増の18万8,100台だった。

 

■合弁事業は低迷
一方、減益の要因は「投資収益」が35%減の54億4,800万元に落ち込んだこと。投資収益は、ホンダとの合弁会社である広汽本田、トヨタとの合弁である広汽豊田の2社の合弁会社から得る収益。日系合弁2社の販売台数は、広汽本田が18.8%減の28万9,900台、広汽豊田が9.4%減の45万2,800台に落ち込んだ。広汽本田と広汽豊田の販売台数は、広州汽車全体の64%。依然として大きなシェアを占めているだけに、販売不振が業績の重しとなった。

 

■合弁主導から自主ブランド主導へ
会社側は、「合弁事業から始まった広州汽車だが、徐々に自主ブランド主導に切り替わっている」と指摘。これは、「過去10年あまりの研究開発、イノベーションの結果」としている。そのうえで、今年通年の広汽埃安と広汽伝祺の自主2ブランドの生産・販売台数について、「100万台を目指す」としている。
NEVの海外展開も積極化する方針。広汽埃安は先ごろ、「AION Y Plus」100台をタイに輸出。初の海外輸出となった。同社は今年通年で東南アジアでの販売目標を3,000台ととしている。特に、タイでは年内に30の販売拠点を設置する計画という。

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