中国6月のNEV販売実績、BYDなど上位陣は過去最高
中国で6月の新エネルギー車(NEV)納車・販売台数の発表が相次いでいる。全体でみると、3~4月の販売低迷から脱却し、6月は前月比で増加している企業が多い。個別企業では、7月2日時点で実績を発表した18社のうち月次販売台数が過去最高を記録したのは比亜迪(BYD)、広汽埃安(GAC Aion)、理想汽車(Li Auto)、零跑科技(Leap Motor)などの上位陣。また、今年に入ってから販売の勢いが鈍っていた蔚来汽車(NIO)、小鵬汽車(Xpeng Motors)は前月比で増加している。
■BYD、6月の販売は25台超
6月の販売台数でトップは引き続きBYD。販売台数は25万3,046台(前年同月比88.79%増、前月比5.34%増)で、月次販売台数として過去最多を更新し、2位以下を大きく引き離している。上半期の累計販売台数は125万5,637台で、全体の約半数を占めている。
次いで、広州汽車傘下のAITO。6月の販売台数は4万5,013台で、4ヶ月連続で4万台を超え、BYDと同様、月次販売台数で過去最多を記録している。上半期の販売台数は21万1,336台で、年間販売目標(50万台)の40%以上を達成している。
3位は理想汽車。6月の納車台数は3万2,575台と、3万台の大台を突破し、こちらも過去最高を記録。前年同月比では150.1%増と高い伸びとなっている。上半期の納車台数は13万9,117台で、既に2022年通年の納車台数を上回っている。同社は今年第4四半期の月次納車台数について、4万台を目指している。
4位は零跑汽車(Leap Motor)で、6月の納車台数は前年同月比17.3%増、前月比9.5%増の1万3,209台。同社も月次で過去最多を更新している。同社は今年初め、販売が低迷。1~3月の累計納車台数が1万台程度だったが、4月に前月比41%増の8,726台に伸長。5月は1万台を突破した。ただ、1~3月の低迷で、上半期の累計納車台数は4万4,500台。年間販売目標(20万台)の2割程度にとどまっている。
■NIOと小鵬は前月比で増加
注目されるのは蔚来汽車(NIO)と小鵬汽車の販売回復だ。NIOの5月の納車台数は1万707台で、前月比で74.0%増。前年同月比では17.4%減だが、前月比での改善は鮮明となり、1万台を回復した。上半期の納車台数は5万4,600台だった。
昨年後半から販売が低迷している小鵬汽車の6月の納車台数は8,620台。前月比では15%増だった。前年同月比では43.65%減と落ち込んでいるが、NIOと同様、前月比では改善した。
7月は小鵬汽車にとって重要な月。同社はこのほど待望の新型SUVである「G6」を発売。第4四半期には、7人乗りの純電動MPV「X9」の発売も予定している。
■NETAは減少
一方、6月にさえなかったのは哪吒汽車(Neta)。同社の6月の納車台数は1万2,132台と、引き続き1万台を上回っているが、前月比で6.9%減、前年同月比で7.8%減だった。同社は今年4月、2023年の販売目標を25万台と設定。ただ、上半期の累計販売台数は62,400台で、年間目標の4分の1にも満たない。
【主要企業の6月NEV販売実績】
企業 |
6月販売台数(台) | 前年同月比 | 前月比 |
1~6月累計(台) |
BYD |
253,046 |
88.8% | 5.3% | 1,255,637 |
AION |
45,013 |
86.7% | 0.02% |
211,336 |
理想汽車 |
32,575 |
150.1% | 15.2% | 139,117 |
零跑汽車 |
13,209 |
17.3% | 9.5% |
41,502 |
NETA |
12,132 | -7.8% | -6.8% |
62,417 |
NIO |
10,707 | -17.4% | 73.9% |
54,561 |
極氪(Zeeker) |
10,620 |
146.8% | 22.3% | 42,633 |
長城欧拉 | 10,015 | 21.0% | -5.6% |
47,298 |
小鵬汽車 |
8,620 | -43.6% | 14.8% |
41,435 |