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日本最大のコロナ臨時施設が閉鎖、60億円かけ利用者303人のみ、中国でも注目

大阪府が新型コロナウィルス対策で60億円をかけて開設した国内最大の臨時医療施設「大阪コロナ大規模医療・療養センター」が5月末で閉鎖されることが中国でも報じられ、注目されている。 中国のニュースサイトの海外網は30日、読売新聞の報道を引用する形で、1000床を運用したが、保健所が入所を決めるのではなく、希望者が府のコールセンターに申し込む仕組みのため、利用者は1日最大70人、累計でも303人にとどまったことなどを伝えた。 これについて、中国のネット上では、中国のネットユーザーから「日本は強制隔離ではないのか」「日本の自己管理方式が大きな勝利を収めたということ?」「強制隔離は不要であることが日本によって証明された」「中国なら担当者は更迭されると思うが、日本はどうなのか」などの声が上がった。 またパーティションで完全に区切られた部屋の写真を見た人からは、「日本(の臨時医療施設)は完全個室なのか」と驚く声もあった。(翻訳・編集/柳川)

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1日で完成!3Dプリントで作られたPCR検査所が南京で使用開始―中国

3Dプリントが現在、各分野に進出している。短時間内に多くの人にとって予想外のパーソナライズされた製品を作ることが多いが、3Dプリントで作られた建物を見たことはあるだろうか。3Dプリントされた複数のPCR検査所がこのほど、南京市溧水区で正式に使用開始された。1日で1軒の基本的な部材をプリントし、さらに数時間をかければ組み立て完了だ。揚子晩報が伝えた。 南京嘉翼精密機器製造の生産工場に、2軒の洗練された建物があった。PCR検査所の高さは約3メートル、敷地面積は約10平方メートル。 これは積み木のように積み上げたものではなく、各部材を組み合わせたものだ。PCR検査所の軽量化と輸送しやすさという性質を考慮しており、周囲の壁のみをプリントし、屋根、ドア、窓はトタン製を採用している。 責任者の王氏は、「この検査所はほぼ1日で部材をプリントできる。さらに部材を目的地に運び、2、3時間で組み立てが完了する。コストは1平方メートル当たり1500元(約2万8500円)ほどで、1軒のPCR検査所の全体的な建設費は1万元(約19万円)余り。検査所の耐用寿命は10~20年になる」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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<日中100人 生の声>日本の介護予防音楽療法をネットで世界発信―本江思帆 投資顧問

2019年12月23日月曜日朝5時、国際会議での講演を終え、東京羽田国際空港に戻った。長年最低毎月2回は海外を飛びまわっていた私にとって、まさかそれから20カ月以上、国際便と全く無縁になり、さらに世界中がコロナ禍との長い闘いに入るとは、その時は思いもよらなかった。 2020年1月23日武漢がロックダウン。我々在日科学技術者連盟等40以上の在日華人組織は共同募金し、大量の医療用マスクや防護服など緊急医療物資を日本から中国抗疫最前線の医療機関と介護施設に寄付した。特筆に値するのは、勤務先の日本アジア投資株式会社の全日本人社員総動員で買い集めたマスクがいち早く、中国各地にある全基金管理会社の現地職員家族に発送されたことである。 しかし、支援物資がまだ中国に届いていないうちに、今度は新型コロナウィルスが日本で感染拡大し始め、日中介護学会理事達の個人募金を受けてアルコール消毒液を会員介護施設に緊急寄付するという重責を私が引き受け、品切れ、価格高騰の中、連日徹夜してまで必死にネット調達した結果、全施設に大容量消毒液を数缶ずつ届けることが出来たときの安堵感は今も忘れられない。 日本の感染状況が厳しくなる中、今度は2020年3月から私たち北京大学国際同窓会等が再び行動を起こし、中国から大量の緊急医療支援物資やコロナ検査キットを専用機で日本へ輸送し、厚労省や各介護・医療・研究機関に寄付した。 話を私が副会長を務める日中介護学会に戻すと、中国にいる重い認知症のピアノの先生や高齢の祖母・親の介護難の為、十数年前から、私は日中健康事業をライフワークに決め、ヘルスケア投資に注力してきた。日本の関連国家資格や欧米の音楽療法等、毎年1~2種類の資格取得や業界の勉強に取り込んできた。最低月1回、介護施設で音楽療法指導やボランティア活動に参加している。 国内外3000超の法人個人会員を持つ学会が医療法人・社会福祉法人・介護専門学校等を買収し、運営、人材育成に注力、高齢者が2年前入所時の「要介護5」から「要介護2」に大幅改善できた事、NHKも追跡報道された。、各分野での経営者・専門家が毎月2回「無料日曜ウェブセミナー」を開催してきた。日本の先進的な介護理論や現場経験を紹介、Web Castを通じ、累計数万人の聴講&交流が実現された。私も母校清華大学の要請を受け、近年の調査と論文を基に、「ヘルスケア金融信託REITs」や「日本高齢施設認知症音楽療法効果」等のテーマで、年数回ウェブ講演し、日本の「自立支援」理念を繰り返し発信してきた。

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中国の21年の人口、16省で常住人口減少~都市部への人口集中など構造問題も

中国の31省・直轄市・自治区の人口統計が出そろった。2021年末時点で常住人口が前年末比で減少したのは16省・直轄市・自治区。増加したのは15省・直轄市・自治区。人口減の地域が増加の地域を上回った。人口減の地域が増えると同時に、都市部への人口集中など構造的な問題も垣間見られる。 ■中国全体の人口増は48万人 まず、中国全体の統計を確認する。21年末時点の人口は14億1,260万人。前年末からの増加数は48万人にとどまった。21年の人口の自然増加率※は0.34‰で、前年に比べて1.11ポイント低下した。国家統計局は人口増鈍化の要因について、出生数が減少しているためと説明。出生数減少の主な要因は2つあり、1つは出産適齢年齢人口の減少、もう1つは出生率の低下という。 ※自然増加率とは、一定期間(通常は1年間)の平均人口(または期中の人口)に対する人口の自然増加数(出生数から死亡数を引いたもの)の比率で、千分率で表される(自然増加率=出生率-死亡率)。 ■北部、中部、西北で人口減 地域別にみると、21年末の人口が減少した16省・直轄市・自治区は、黒竜江省、遼寧省、吉林省、河北省、甘粛省、内モンゴル、北京市、天津市、陝西省、山西省、江西省など。うち10省・直轄市・自治区で減少数が10万人を超えた。 減少数のトップ3は河南省、黒竜江省、雲南省で、それぞれ58万人減、46万人減、32万人減だった。遼寧省、吉林省、湖南省は、減少数がいずれも20万人を超過。人口が減少したのは主に東北、華北、西北、中部地区となっている。 このうち、東北は全国に先駆けて人口が減少し始めたエリア。20年以降、人口1,000人当たりの出生率は5人を割り込んでいる。東北は人口、特に若い人の流出が増加し、それに伴い出生数が低迷している。 このほか、戸籍人口が全国最多の河南省のほか、湖南省といった中部も人口減が目立つ。戸籍人口が全国最多で、常住人口が同3位の河南省の21年の出生数は80万人を割り込んだ。また、湖南省の21年の出生数は60万人を割り込んだ。 ■人口増は浙江省、広東省など経済をリードするエリア 一方、人口が増加した15省・直轄市をみると、増加数トップ5は浙江省、広東省、湖北省、江蘇省、福建省。この5省の21年の1人当たりGDPの全国順位は浙江省が5位、広東省が7位、湖北省が9位、江蘇省が3位、福建省が4位と、相対的に経済が発展しているエリアとなっている。湖北省以外の4省はいずれも東南沿海部に位置し、人口純増数の合計は186万1,000人に達した。 ■浙江省と広東省の人口増、要因は対照的 うち人口増が最多だったのは浙江省で72万人増。内訳をみると、出生数が44万9,000人、死亡者が38万4,000人で、自然増はわずか6万5,000人だった。一方、純流入人口は65万5,000人で、浙江省は流入者が人口増を支えている。 人口増で2位は広東省で60万人の増加。内訳は、自然増が57万1,900人、純流入人口は2万8,100人万人となっており、浙江省と対照的に、自然増が人口増に寄与している格好だ。広東省内の都市をみると、二大都市の深圳と広州はそれぞれ4万7,800人、7万300人の増加となった。 3位は湖北省。湖北省は20年は新型コロナウィルス流行の影響で一部の人が省から出てカウントされなかったが、コロナが落ち着き経済が回復するのに伴い、戻ってきた人が多かった。次いで4位の江蘇省は28万1,000人の増加、5位の福建省は26万人の増加だった。 ■省都に人口集中で都市間格差も 人口増の分布では、省都など経済規模が大きい一部の都市で人口増が集中している現象がみられる。例えば、陝西省では10市のうち、常住人口が増加したのは省都の西安のみ。銅川、宝鶏、延安、漢中など残りの9つの都市は減少となった。また、湖北省では省都の武漢市で増加したものの、他の都市の常住人口は減少した。江西省でも、省都の南昌市が増加した以外、他の都市は減少となっている。 一方、広東省など相対的に経済が発展している省は、常住人口が平均的に増加している。同省は仏山、広州、東莞、深圳、中山、江門、恵州、珠海、肇慶などでいずれも増加を記録している。 ■出生数は総じて減少傾向 21年の出生数に関するデータを発表したのは27省・直轄市・自治区。自然増加率をみると、黒竜江省、遼寧省、吉林省、重慶市、内蒙古自治区、湖南省、湖北省、上海市、江蘇省、河北省、山西省を含む11省・直轄市・自治区がマイナスとなっている。 うち、江蘇省は自然増加率がマイナス1.12‰。江蘇省の出生数は約47万9,800人にとどまり、統計が確認できる1978年以降で、初めて50万を割り込んだ。また湖南省は、出生数が過去60年で初めて50万人を下回った。 一方、出生数が最多だったのは、自然人口増が人口増に寄与した広東省。同省の出生数は118万3,100人、出生率は9.35‰、死亡数は61万1,200人で、死亡率は4.83‰、自然増は57万1,900万人で、自然増加率は4.52‰だった。 出生数が100万人を超えたのは広東省のみ。国家統計局によると、21年の全国の出生数が1,062万人だったため、広東省の出生数は全国の約11%を占めたことになる。 ■河南省などで出生数の減少際立つ 広東省と同様に1億人規模の人口を有する河南省と山東省は、出生数がそれぞれ79万3,000人、75万400人で、それぞれ2位、3位となった。ただ、前述の通り河南省は全体で人口が減少している地域。出生数は1978年以来で最低となり、同省の出生数は20年に100万人を、21年に80万人を割り込み、減少傾向にある。 河南省を含め、複数の省で21年の出生数が数十年ぶりの低さを記録した。江西省の出生数は前年比5万400人減少して40万人を下回った。40万人を下回るのは1950年以降で初めて。江西省統計局は出生数の減少の要因として、主に結婚・出産年齢の遅れ、「2人っ子政策」の効果の弱まりを挙げている。 ■都市部への人口集中、全体の人口減は今後も継続の見通し今後については、都市部への人口集中、全体的な出生数の減少といった構造は続くとの見方が大勢だ。こうした中、人口減が最多だった河南省は先ごろ「出産政策最適化を通じた人口の長期的なバランスのとれた発展促進に関する実施計画」を発表。出産の登記制度の改善などの施策を盛り込んだ。今後、急速な人口減を食い止めるとともに、地方都市の振興などによる人口分布の最適化を図ることができる。

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中国の4月の乗用車販売は前年比、前月比ともに3割減~購入支援策必要との指摘

中国乗用車市場信息聯席会(China Passenger Cars Association: CPCA)が5月10日に発表した統計では、4月の乗用車販売が過去最大の落ち込みを示したことが明らかになった。上海をはじめとする新型コロナウィルス感染拡大に伴う防疫措置の強化が響いた。CPCAは、今年通年の乗用車販売が前年と同水準を維持するには自動車消費刺激策を強化する必要があると指摘している。 4月の乗用車販売台数は104万2,000台。前年同月比で35.5%減、前月比で34%減となり、ともに過去最大の減少率となった。4月は29省・直轄市でコロナ感染者(無症状含む)が確認され、上海、吉林、山東、広東、河北などのディーラーが大きな影響を受けた。中国汽車流通協会によると、足元では中国のディーラーの2割以上が営業を停止し、自動車販売に影響が及んでいるという。 ■生産、卸売は4割減 自動車メーカーの生産、卸売も減少している。4月の乗用車生産台数は96万9,000台で、前年同月比で41.1%減、前月比で41.1%減。乗用車卸売販売台数は94万6,000台で、前年同月比で43%減、前月比で47.8%減となっている。特に、コロナの影響を受けた上海と吉林は全国の自動車生産の約11%を占めるエリア。4月の上海エリアの主力自動車メーカー5社の生産台数は前月比で75%減、吉林・長春エリアの合弁主力自動車メーカーの生産は54%減、その他エリアの自動車生産は38%減と、上海、吉利の生産減が鮮明になっている。 ■在庫も増加 販売が低迷する中、在庫も増加している。4月のメーカー在庫は前月比で約2万台増。「自動車ディーラー在庫警戒指数」は66.4で、前年同月比で10ポイント、前月比で2.8ポイントそれぞれ上昇している。コロナで新規納入が遅れているうえ、ガソリン価格の上昇などが消費者の購買意欲を低下させ、在庫増につながっているとみられている。 ■NEV乗用車の販売は前年同月比で増加も、前月比で減少 CPACによると、4月の新エネルギー乗用車の販売台数は28万2,000台。前年同月比では78.4%増加したものの、前月比では36.5%減少した。メーカー別では、BYD、奇瑞汽車、広州汽車が好調だった半面、小鵬、理想汽車、哪吒、零跑、蔚來(NIO)、威馬といった新興メーカーは苦戦。特に、小鵬、理想、NIOは前月比の落ち込みが大きかった。 ただ、1~4月の累計では135万2,000台で、前年同期比で128%増加している。 ■5月の乗用車販売は引き続きマイナスもNEVは前月比で高い伸びの可能性 5月の乗用車販売について、CPACは「依然として回復に圧力があるうえ、北京や鄭州などでコロナ感染が確認され防疫措置が強化されたことで、5月の販売台数も前年同月比で減少が続く」とみている。一方、NEVに関しては、ガソリン価格の上昇を受け、NEVを選択する消費者が増えており、「前月比では高い伸びを示す」と予想している。 22年通年の予想では、1~4月の乗用車販売台数が前年同月比で11.9%減少している点を踏まえると、前年と同水準を維持するには5月から12月にかけて毎月、前年同月を10万台以上上回る販売が必要という。CPACは、「足元のコロナの状況が徐々に改善する中、過度に悲観する必要はない」としながらも、消費促進を強化する必要があると指摘。具体的には、まずは結婚時の自動車購入免税や消費券配布といった自動車消費を直接刺激する策を実施し、そのうえで自動車購入費の個人所得税控除などの税制政策が必要との見方を示している。

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西側諸国と中国の真の状況とは―初めて“グローバリゼーション”唱えたドイツ人研究者

世界では新型コロナウイルスやウクライナ問題、地球温暖化問題などが同時進行している。一方で米国など西側国家は中国に対して「圧力」を掛け続けている。世界は今後、どのような方向に進んでいくのか。

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中国31省・直轄市の第1四半期GDP、コロナ状況で明暗分かれる

中国の31省・直轄市の2022年第1四半期のGDPが出そろった。GDP成長率をみると、新型コロナウィルスの状況で明暗が分かれ、コロナの影響を受けた吉林や広東、上海は全国平均を下回る伸びにとどまった。一方、20年にコロナの影響が大きかった湖北省は回復が鮮明となったほか、中西部の成長率は相対的に高くなっている。 ■GDPの規模:11省・直轄市で1兆元超 まずGDP規模をみると、31省・直轄市のうち11省・直轄市のGDPが1兆元を超えた。うち、トップは広東省で2兆8,498億元、2位は江蘇省で2兆7,859億元だった。次いで、3位が山東省、4位が浙江省、5位が河南省と続いた。いずれも前年同期と同じ順位となっている。 ■成長率:コロナの影響で吉林、天津、上海、広東は全国平均下回る GDP成長率をみると、全国が前年同期比4.8%増。全国平均を上回る成長率を達成したのは31のうち23の省・直轄市。全国と同水準だったのは北京市の1市で、7省・直轄市は全国平均を下回った。 全国平均を上回った地域のうち、成長率が最も高かったのは新疆で7.0%増。2位が江西、3位が福建と湖北だった。新疆のGDP成長率をけん引したのは主に投資と消費で、固定資産投資は24.8%増、社会消費財小売総額は7.9%増で、ともに全国第2位となっている。 20年初めにコロナ感染拡大の影響を大きく受けた湖北省は回復が鮮明で、GDPは6.7%増を記録した。工業、投資が大幅に伸び、経済回復をけん引した格好だ。 一方、成長率が全国平均を下回った地域のうち吉林、天津、上海、広東はコロナの影響が大きかった地域だ。このうち、吉林は7.9%減と唯一のマイナス成長。コロナ流行を受け、工業生産高が10.5%減、固定資産投資が31.8%減となったことが響いた。次いで低い成長率だったのは天津で0.1%増。天津は年初に中国初のオミクロン変異株の感染が確認され、厳格な封じ込め・管理が実施されたことで、工業、投資の伸び率がともにマイナスとなり、消費はプラス成長を確保したものの伸び悩んだ。経済規模が大きい上海と広東はそれぞれ3.1%増、3.3%増と、ともに3%台の成長にとどまった。 ■GDP成長率目標:28省・直轄市が未達 各地が年初に設定した年間のGDP成長率目標と比較すると、新疆、福建、山西を除く28省・直轄市で年間目標の成長率を下回った。中でも、吉林、天津、海南、遼寧、上海、河南、広東の7省・直轄市は成長率目標を2%ポイント以上下回っており、年内の「安定成長」実現に向けた圧力が比較的大きくなっている。 ■投資:内モンゴル、新疆、湖北が高い伸び、吉林は2桁減 固定資産投資の伸び率は、31省・直轄市のうち22省・直轄市で2桁に達した。伸び率が最大だったのは内モンゴルで59.6%増。次いで新疆が24.8%増、湖北が20.0%増と続いた。一方、マイナス成長となったのは、吉林31.8%減、チベット5.1%減、天津4.5%減の3省・直轄市だった。 固定資産投資伸び率の目標を発表している21省・直轄市のうち、16省・直轄市が目標の伸び率を達成。うち、新疆は目標を14.8ポイント上回った。近年、新疆ではインフラ建設投資が拡大。中央予算が振り向けられ、鉄道などの重点プロジェクトが進んでいる。一方、目標を下回ったのは5省・直轄市で、うち吉林は38.8ポイント、天津は10.0ポイント、遼寧は4.9ポイント下回った。 ■工業:成長率トップはチベット、最下位は吉林 全国の工業生産高(付加価値ベース)は前年同期比6.5%増。31省・直轄市のうち、伸び率が全国平均を上回ったのは23省・直轄市。うち、トップはチベットで17.6%増を記録した。次いで、青海15.2%増、貴州15.2%増、山西11.0%増、雲南10.3%増と続き、2桁の伸び率を達成した。一方、吉林は10.5%減、遼寧は1.7%減、天津は0.6%減とマイナス成長となっている。 過去2年(20年と21年)の第1四半期の平均伸び率と比べると、31の省・直轄市のうち、伸び率が拡大したのは18省・直轄市。うち、チベットの伸び率は10ポイント拡大して17.6%に達している。主に工業生産高の規模が比較的に小さいこともあり、高い伸びを示している。13省・直轄市の成長率は横ばい又は縮小となり、うち吉林、天津、遼寧、江蘇、山東の5省・直轄市の成長率の縮小幅は2ポイントを超え、工業生産の落ち込みが大きいことが示されている。 ■消費:天津や上海でマイナス 全国の社会消費財小売総額は前年同期比3.3%増。小売総額の発表がなかった吉林を除いた30省・直轄市のうち14省・直轄市で成長率が全国平均を下回った。中でも、低迷が顕著だったのは天津3.9%減、上海3.8%減、青海0.2%減などの地域だ。 一方、成長率トップは江西で8.9%増。個人消費潜在力や消費意欲を喚起するため、江西は元旦や春節休暇を中心に各種の販促イベントを開催するなどした。次いで新疆が7.9%増、湖北が7.8%増、河北が7.1%増、福建が7.0%増だった。 過去2年(20年と21年)の第1四半期の平均伸び率と比べると、30省・直轄市のうち17省・直轄市の伸び率が鈍化。中でも上海、甘粛、江蘇、安徽、貴州、江西の6省・直轄市は鈍化率が5ポイント超となっている。一方、13省・直轄市は成長率が加速。うち湖北、新疆、黒竜江、遼寧、河北の5省・直轄市は成長率が5ポイント以上拡大した。 ■第1四半期、上海は3月の消費減少が鮮明に 前述の通り、コロナの状況により経済指標は明暗が分かれた。特に、上海は3月以降、コロナの影響による経済の下押し圧力が強まっている。上海市統計局によると、3月以降、固定資産投資の増勢が鈍化するとともに、社会消費財小売総額は減少。第1四半期の上海の社会消費財小売総額は3.8%減で、うち1-2月は前年同期比3.7%増加したのに対し、3月は同18.9%減少した。 一方、経済成長率が高かった新疆、貴州、山西、チベットなどの中西部地域は東南沿海地域に比べて港湾が少なく、人口密度が低いため、感染症の圧力は比較的小さい。また、国の地域発展戦略の一環として製造業の産業移転が加速していることも、中西部の経済を支えている。 ■コロナの影響は第2四半期も継続見通し 今後については4月以降も上海などで封鎖が続いている状況を鑑みると、コロナの影響は第1四半期よりも第2四半期に色濃く反映される可能性が高い。こうした中、「安定成長」の実現に向けて急務となっているのは、コロナ抑制とともに、◆サプライチェーンの円滑化、安定化を保障したうえで、全面的な操業・生産再開を推進すること、◆中小・零細企業を中心とする企業支援を加速すること、◆重大プロジェクト投資や消費促進、内需拡大につながる支援を強化すること――などが挙げられている。国内環境だけでなく、外部環境にも不確実性がくすぶる中、政府が適時に効果的な政策を打ち出し、安定成長を確保できるのか、注目されている。

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中国の経済成長率予想をIMFが下方修正~中央当局は相次ぎ景気下支え措置

中国では新型コロナウイルス感染拡大防止のための厳格な措置実施などを背景に景気の下押し圧力の強まりが懸念されている。こうした中、中国当局は景気下支えに向けた措置を相次いで打ち出している。 ■IMFは今年のGDP成長率を4.4%に 中国経済を巡っては、国際通貨基金(IMF)が4月19日に発表した最新の世界経済見通しで、2022年の中国のGDP成長率を4.4%と予想。今年1月の予想から0.4ポイント引き下げた。23年のGDP成長率は5.1%とし、今年1月の予想から0.1ポイント下方修正した。IMFは中国経済について、感染力が強いコロナの変異株が出現する中、政府の「ゼロコロナ戦略」による厳格な防疫措置は個人消費に影響を与えるなどと指摘している。IMFのほか、UBSなど民間の機関も足元で中国の22年のGDP成長率予想を下方修正する動きが広がっている。 ■人民銀行、コロナの影響が大きい業種を中心に金融支援 こうした中、中央の各当局は景気下支えの方針を打ち出している。中国人民銀行と外貨管理局は4月18日、『コロナ予防及び経済社会発展の金融サービス』に関する23条の措置を発表。その中で◆ホテル・飲食、卸売・小売、観光などコロナのマイナス影響が比較的大きい業種を金融機関が支えるよう促す、◆金融機関が運輸・物流企業やトラック運転手の資金需要に対応し、一時的に融資返済が難しい場合は返済期限の延期や借り換えの手配をするよう促す――などの方針を盛り込んだ。 ■国家発展改革委員会、消費促進や企業救済を強化 国家発展改革委員会は4月19日、景気下支えに向けて(1)消費促進・投資拡大、(2)企業の救済強化、(3)民生支援、(4)商品価格の安定——を軸に進める方針を表明。(1)については、重点分野の消費拡大として、新エネルギー自動車消費の支援を続ける方針を示した。また、新型消費としてオンラインとオフライン融合の消費を促すとしている。 (2)では、工業経済の安定成長を促進する政策や、飲食や小売、観光などコロナの影響が比較的大きいサービス業の回復に向けた政策を進める方針を示した。(3)については、◆大卒者の就職・創業の支援、◆農民工の出稼ぎ労働や現地での就業促進、◆帰郷者による創業奨励——などを挙げている。(4)では、足元の地政学リスクの高まりによる商品価格の上昇を受け、商品価格の動向を密接にフォローし、適時に対処する方針を示した。 ■国有資産監督管理委員会、中央企業の中小企業への支払延滞防止メカニズム構築 国有資産監督管理委員会は4月19日、◆中央企業による石炭、電気、石油・ガスなどの高品質な基礎サービスの提供を通じた中小企業の運営コスト引き下げを推進、◆中央企業によるハイエンド設備製造、新エネルギー、新素材などの戦略的新興産業の重点分野での投資拡大を促進、◆中央企業による中小企業への支払延滞防止の長期的なメカニズムを構築することで、中小企業、民営企業への未払金を最小化ーーなどに取り組むとしている。 ■工業情報化部、上海に人員派遣で生産再開を指導 工業情報化部は4月19日、工業の安定成長、中小・零細企業の支援に関する政策を検討していると表明。また、既に上海に作業部会を派遣し、地方当局による工業企業のコロナ対策ガイドラインの実施を指導。重点企業の操業再開・生産再開を秩序正しく推進し、企業の物流輸送問題の解決に協力するよう促している。

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中国、サプライチェーンの安定化へ~劉鶴副首相が重要取り組み事項を提示

中国政府が物流の円滑化やサプライチェーンの安定に向けた取り組み方針を相次いで打ち出している。直近では4月18日に、劉鶴・副首相がサプライチェーンの安定化に向けた重要取り組み事項を明示した。 中国では、上海など複数の都市で新型コロナウイルス感染拡大を受け厳格な防疫措置を実施。移動に際して必要な「通行証」や「健康コード」が各地で異なるなどし、物流の停滞を招いている。物流の停滞、さらにはサプライチェーンの寸断による経済全体への影響が懸念される状況を受け、中国の交通運輸部は4月14日、貨物輸送・物流の円滑化を保障するよう各地方政府に通達を出し、各地で統一した通行証制度の確立などを求めた。 また、新華社によると、同18日に開催された「全国物流円滑化促進、産業チェーン・サプライチェーン安定促進に関するオンライン会議」に劉鶴・副首相が出席。劉鶴・副首相は、全国統一の通行証の発行、全国で通用する48時間以内のPCR検査陰性証明書の発行などを含めた10の重要措置を打ち出し、運転手のPCR検査結果待ちなどによる物流の停滞を解消する必要性を訴えた。同時に、物流業従事者の就業・生活条件の改善に向け支援する方針を示している。 ■10の措置は以下の通り (1)住民の生活必需品の供給を優先的に保障すること。物資輸送の「ラストワンマイル」をスムーズにすることを最重要課題とし、住民の基本的な生活に影響がないようにする。 (2)物流の円滑化を維持する健全な作業体制を確立すること。当局と重点物流企業がそれぞれ相応の作業体制、専門グループを設立し、統一した指揮系統の下、役割分担をして責任を明確にする。 (3)輸送ルートの円滑化を保障すること。高速道路やサービスエリアに設置された防疫検査所の取締りを強化するとともに、道路運行のモニタリングを強化し、道路遮断や渋滞問題を速やかに解決する。 (4)トラックの通行管理政策を最適化すること。関連部門と共同でPCR検査結果を全国で相互認証できるよう共通化。48時間以内のPCR検査陰性証明書およびグリーン健康コードを保有し、体温検査が正常なトラック運転手に対しては、各地で直接通行を許可し、各地での健康コードの追加やPCR検査証明書の有効期間内の重複検査を回避する。 (5)各地で統相互認証できる統一した通行証の使用普及を加速すること。重点物資の通行証の発行状況や通行状況について見直し、オンライン手続きを推進し、受理したら直ちに手続きを行い、十分な通行証の発行を確保し、全国での相互認証を実現する。 (6)重点サービスの保障を強化すること。トラックの通行問題を適時、協力して解決し、運転手の基本生活を保障する。上海及び長江デルタ、珠江デルタ地域における生産・生活資材、国の経済・民生に関わる産業チェーン・サプライチェーンのサービス保障を重点に、各方面が協力して産業チェーン・サプライチェーンの安定を維持する。 (7)苦情処理を加速すること。苦情を受けたらすぐに処理し、「12328」ホットラインの役割を十分に発揮し、通報制度を確立し、問題の早期解決に取り組む。 (8)物流企業および人員の負担軽減に注力すること。各関連部門と共同で各地が中小企業の救済、産業チェーン・サプライチェーンの安定化政策を十分に利用するよう指導。同時に、トラック運転手の労働・生活条件を保障すべく、ローン保証やローン返済猶予などの金融支援を拡大するとともに、トラック運転手に無料のPCR検査、抗原検査の提供を奨励する。 (9)感染拡大のリスクを厳重に防ぐこと。関連部門と共同で感染状況が深刻な地域の物流園区、高速道路サービスエリアなどには「非接触式」の物資中継場を設置する。(10)モニタリング、緊急対応を強化すること。関連部門と共同で各地のモニタリング、事前警告システムを強化し、適時の報告および情報公開を強化し、社会の監督を受ける環境を整備する。