2022年9月13日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国版サイトは「中国は経済を守るのか、それともゼロコロナを追い求めるのか」と題した記事を掲載した。 新華社の12日の報道によると、中国の李克強(リー・カーチアン)首相は8日、国務院特別会議を主宰した。李首相は「経済の市場を安定させる地方への監督指導と業務」活動の報告を聴取し、経済安定化の段階的政策を引き続き打ち出した。 李首相は会議で、現在の経済について「全体的に回復を続けているが、幅の小さな変動があり、まさに向かい風の中で坂を上るような関門であり、より強い切迫感をもって経済回復の基礎を固めなければならない」とし、「政策の実施を強化し、多くの措置を講じて成長・雇用・物価の安定を推進する。経済市場を安定させ、経済の動きを合理的な範囲内に保ち、安定した向上を実現する」と表明した。 具体的には、「政府は段階的な財政の利子補給や研究開発費の追加控除の強化、政策的金融措置を活用し、経済・社会発展の弱い分野の設備の改善を支援する。そうすることで、製造業やサービス業の活力を高め、内需を拡大して市場の潜在力を引き出し、発展の底力を強化する」とした。 中国政府は5日、「経済の安定のための一連の政策」の継続を発表した。その中には政策費・開発費として3000億元(約6兆円)の増加、2000億元(約4兆円)のエネルギー供給保証特別債などが含まれている。 記事は、「今年に入ってからのオミクロン株の流行の波を受け、中国は依然厳しい『ゼロコロナ』政策を採用しており、上海や成都など人口1000万人規模の都市が数週間にわたって閉鎖された」と伝えた。 また、野村證券によるデータを引用し、「6日までの1週間で、中国では49都市で何らかの形のロックダウンが実施され、前週の1億6100万人を上回る約2億9200万人が影響を受けた」と述べ、「これは深刻な経済的損失をもたらした。野村證券は今年初め、中国の2022年の経済成長が4.3%増になると予想していたが、都市封鎖が続いた後は2.7%増に下方修正した」と伝えた。 記事は、「中国政府はかたくなにゼロコロナに固執し、国際世論に疑問を抱かせている」とし、ニューヨーク・タイムズの論評記事を引用した。ニューヨーク・タイムズの記事は、「ゼロコロナ運動は習近平主席の権力を最も明確に証明したものであり、毛沢東元主席と同じように大衆を動かす能力を持っていることを証明したのかもしれない」「習氏はまた、新型コロナがかなり落ち着いたにもかかわらず、この運動が非常に破壊的であることを気にしていないようだ」とし、「封鎖、隔離、大規模な検査など不確実性に満ちた生活の中で、中国の国民は毎日24時間欠かさず“ショー”を開催している。この“ショー”の観客はたった一人、中国の最高指導者の習氏だけだ」と述べている。 記事は、「防ぎようのない都市封鎖と日々の検査に国民は苦しめられ、小売業、サービス業、観光業は大きな損失を被っている。国慶節(建国記念日)の1週間(10月1~7日)の大型連休を間もなく迎えるが、旅行や飲食などの消費の復活は期待できない」とした。 中国国家衛生健康委員会は、「国慶節の連休中は今いる場所で祝日を過ごし、地域や市をまたぐ移動を極力減らし、人々の広範囲な移動による感染拡大のリスクを避ける」よう呼びかけている。(翻訳・編集/刀禰)