中国の春節旅行に構造的な変化~文化観光にも新たな動き

中国で春節連休の観光関連統計が相次いで発表されている。かつて春節といえば大都市から田舎に帰省するのが主流だった。しかし最近は春節の移動手段として自動車が増えているほか、文化観光にも降雪地域への観光客が増えるなど新たな変化が出ている。

■自家用車での移動が増加
中国・文化観光部の統計によると、春節連休8日間の国内旅行者数は延べ4億7400万人。前年同期比34.3%増加した。国内旅行者の旅行消費額は6326億8700万元で、前年同期比47.3%増となった。
国内旅行が増加する中、移動手段としては自家用車が増加している。2月10日~17日までの社会全体の人の移動数は延べ22億9300万人に上った。そのうち高速道路などでの非営業性の少人数自動車の通行者数は19億8000万人。自家用車での移動が約8割占めた計算になる。

■文化観光消費のトップは江蘇省
中央政府が観光の中でも文化観光を促進する中、文化観光関連のデータも出ている。うち、文化観光消費額でトップだったのは江蘇省。江蘇省は春節期間中の受け入れ観光客数が5548万1800人、観光収入が441億2400万元で、前年同期に比べてそれぞれ47.8%、36.8%増加。2019年比べるとそれぞれ42.4%、37.6%増加した。また、銀聯のデータによると、春節連休の最初の7日間、江蘇省の文化観光消費額は153億7500万元。全国の文化観光消費総額の11.5%を占め、全国トップだったという。

■「ふるさと観光」が増加
文化観光といってもその範囲は広いが、今年は顕著な変化が複数みられた。一つ目は「ふるさと観光」の増加。「ふるさと観光」はふるさとには戻るものの自分の家には泊らず、近くのホテルに泊まり、ふるさとを観光するもの。旅行サイトの携程の統計によると、春節期間の「地元観光」は24%を占めた。また、「地級市」と呼ばれる地方都市の観光地のチケット予約数は170%増加したという。「ふるさと観光」増加の背景には、生活習慣や親族との関係性の変化があるとみられている。

■「南北相互移動」、雪を求める観光客の増加が顕著に
2つ目は「南北相互移動」。 寒い東北の人々海南島などの南方に旅行する一方、広東省や江蘇省、浙江省などの中南部の人々が北部に旅行する動きも顕著に。特に今年はハルビンの雪祭りなどを雪の降る地域への観光が増え、旅行サービスプラットフォームの飛猪(Fliggy)の統計によると、黒竜江省、吉林省、河北省の北方行きの航空券予約数は前年同期比で105%増加したという。また、ハルビン市当局のデータをビッグデータで試算すると、2月10日~17日までのハルビン市の受入観光客数は延べ1009万3000人、観光収入は164億2000万元で、ともに過去最多を記録したという。

■「大都市と小都市の相互移動」
三つ目は「大都市と小都市の相互移動」。かつての春節といえば大都市からの帰省が主流で、観光といえば、小都市の住民が大都市に向かう一方通行の流れだった。しかし、今年は大都市の住民が小都市に観光に赴く動きも増加し、地方都市の観光地は賑わいを見せている。

 

国内観光が賑わいをみせる中、海外の観光地としては中国人観光客をどのように呼び寄せるのか。モノ消費からコト消費へのシフトなど人々の価値観の多様化を睨んだ対応が必要となりそうだ。

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