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「平和の心:時空を越えた友情」 町田忠昭コレクション版画展開催 0

「平和の心:時空を越えた友情」町田忠昭コレクション版画展4月2日に東京多元文化会館で開催

 これは普通の版画展ではなく、95歳の真摯な日本人男性「町田忠昭」の中国に対する平和と友情の心を表した特別な版画展である。
町田忠昭は長期に渡り版画収集に携わり、上野誠、劉峴、呉凡などの中国や日本の版画有名人と深い友情を育み、また花岡事件の犠牲者のためにも援助活動を行ってきた。今回は、世界が関心を寄せる「平和」をテーマに、また日中平和友好条約締結45周年を記念として、版画を通じて築かれた中国人と日本人の友情を表現した48点の作品と関連品を展示する版画展を企画した。

上海を代表する手描き色彩磁器店 zenlifestore (鉦藝廊) 日本上陸、オンライン販売開始 0

上海を代表する手描き色彩磁器店 zenlifestore (鉦藝廊) 日本上陸、オンライン販売開始

上海博物館や上海浦東空港にも置かれている人気ブランドが日本登場 上海で手描き色彩磁器を製造・販売するzenlifestore(鉦藝廊)は、日本でのオンライン販売を開始します。オンラインショップURL:https://zenlifestore.base.shopInstagram URL:https://www.instagram.com/zenlifestore_tokyo ​ zenlifestore(鉦藝廊)とはzenlifestore(鉦藝廊)とは オンラインショップURL:https://zenlifestore.base.shopzenlifestore(鉦藝廊)は、上海の旧フランス租界エリアの中心地に店舗を構え、色彩磁器を製造・販売しています。zenlifestore(鉦藝廊)の色彩磁器のルーツは、清の時代(18世紀前~中期)までさかのぼります。ヨーロッパに向けた貿易が活発になる中、中国磁器を見た欧米人は、今までにない東洋の美しい模様や色彩に魅了されました。一方、中国では、ヨーロッパで受け入れてもらえるよう、自分の作品に欧米の芸術の要素を取り入れるようになりました。中国趣味の美術様式、「シノワズリ」はヨーロッパで爆発的に流行しました。その後、中国とヨーロッパの芸術が融合した色彩磁器は中国で広がり、1930年代になると上海の日常生活に溶け込み始めました。職人が1つ1つ丁寧に手描きした作品は花や鳥をモチーフにしており、華やかながらもどこか懐かしい風合いがあります。 創業以来地元の方に親しまれているだけでなく世界中から集まった旅行者や、上海で生活する外国の方からもご愛顧いただいております。日本でも根強い人気があったため、オンラインショップでお買い求めいただけるようにしました。華やかで遊び心のある作品とともに、いろどりのある生活をお楽しみください。 販売方法について 作品は、お客様に注文をいただいてから職人が一つ一つ手作業でおつくりします。初回は2023年4月17日までご注文を受け付け、5月中を目途に順次お届けする予定ですが、物流等の事情で遅れが生じる可能性がございますのでご了承ください。今後もご注文いただいてから職人が丁寧におつくりしたものをお届けします。 商品ラインナップ 【オーバル小皿:3,278円】尺寸118.5mm×96mm×23mm 【小さめカップ:3,960円】高さ110mm×直径74mm 【正方形小皿:3,960円】尺寸112mm×112mm×20mm 【長方形皿:4,950円】160.8mm×103.7mm×23.8mm 【小物入れ:5,240円】97.8mm×97.8mm×66.7mm 【花瓶:7,150円】84.4mm×118.65mm×60mm(縦×横×高さ) 【コーヒーカップ:3,960円】尺寸60mm×110mm  【おもてなしトレー:11,770円】尺寸295mm×138mm×25mm ​【大型おもてなしトレー:11,770円】尺寸327mm×192mm×25mm​ ※価格はすべて税込みです。送料は別途かかります。15,000円以上お買い上げで送料が無料になります。 ご注意 当社で販売している商品におきまして、類似品が流通していることが確認されています。zenlifestore(鉦藝廊)の正規EC販売はこちらのサイトのみで、楽天・amazonでは販売しておりません。誤って類似品をご購入されることのないよう、お願い申し上げます。

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中国と西洋の家庭観の違いとは

家庭は個人と社会の橋渡しをする社会の基本単位である。中国と西洋の家庭観は、社会環境や政治経済の条件が異なるため、同じところもあればそれぞれの特徴もある。中国と西洋の家庭観を知ることは、お互いの文化を学び、交流する助けになり、世界文明の共同発展を促進するだろう。 文/尼山世界儒学センター孟子研究院院長・研究員 陳暁霞 翻訳/及川佳織  中国も西洋も、家庭は幸福の実現を目的とし、家庭という細胞の健康を確保し、そのメンバーの生活を守る。家庭は、倫理の最小単位として「個人」間の関係、責任、愛を育てる上で重要な役割を果たしている。中国と西洋には共通した教育観があり、同じように子どもの社会性を育み、社会の適格な一員に育てている。  中国と西洋では家庭観に様々な違いがあるが、その根源、意味、類型、教育の重点などいくつかの面で比較してみたい。  中国では古代から集団としての家庭という考え方を重視し、そういった価値観を作ってきた。『周易・説卦』には、「乾は天なり。故に父と称す。坤は地なり。故に母と称す」とある。「天」と「地」は人類の父母であり、天下は一家である。『論語・顔淵』には、「四海の内は、皆兄弟なり」とある。孟子は「家族を愛するという此の心をとりあげて、広く世の中の人に施した。したがって恩愛の心を推し広めれば世界の人を安んずることができ、恩愛の心を推し広めなければ自分の妻子さえ、安んずることができない」と言う。中国は家族という集団を基本として重視し、個人を集団に溶け込ませ、個人と家庭・社会・国家の運命を一致させてきた。中国文化において、家庭は「生生」〔生きること〕の媒体であり、「一以貫之」〔貫かれる唯一の道理〕の本体であり、「配天祭祖」〔天祖先を祀る〕の基礎であり、「報本返新」〔本に報いて新へ帰る〕の始まりであり、宇宙の秩序と社会生活はみな家庭を巡って展開する。  西洋の地理や気候などの環境は、商業文明を栄えさせ、理性や勇気や独立した個性を育てた。彼らは個人の権力や財産所有権を重んじ、理性の価値を強調した。キリスト教において、イエス・キリストは、父母や兄弟姉妹を離れて主の懐に入り、信仰の共同体を作ろうと呼びかける。ロックによれば、子どもは神の生み出したもので、父母は子どもの保護者でしかない。西洋で確立された「個人−主体」という現代的哲学に基づき、個人主義は長く「個人」の自己実現に重きを置き、「個人」間の相互関係を軽視してきた。人の依存関係は弱まり、個人の理性と権力が一貫して強化された。  中国人は「利他の中で利己を実現する」という価値を目指してきた。家庭が人々の生活の中心であり、肉親の情や血縁が一番しっかりした社会的絆である。父母は子どもを養い、教育し、子どもは父母の面倒を見て、独特の「孝」という文化を創りだした。家族としての責任は自由より重んじられ、義務が権利より先に立ち、集団が個人より上にある。西洋社会は個人の自由、権利、尊厳を尊重し、愛欲、信仰の愛、友愛を重視し、家庭は個人を基本とし、「利己こそが利他」という価値観を守ってきた。西洋は個人の理性をより重視し、自身の価値を重視する。個人は家庭や社会の主人公であり、往々にして個人の利益が重要な要素となり、家庭は二次的なものとなる。   中国の家庭は父子文化であり、『易経・家人卦』には「家の中には威厳のある君主が居て、それは父母である。父は父らしく子は子らしく、兄は兄らしく弟は弟らしく、夫は夫らしく妻は妻らしく、各々その道を固く守れば、家の中は正しく治まる。先ず家の中をしっかり治めてこそ天下も治まる」と言う。家族はそれぞれの立場を守り責任を果たすべきなのである。男女間は婚姻を結び、家庭を作り、家庭の倫理を守る。夫婦は互いに敬い、夫はおだやかに、妻は優しく、それぞれ自分の権力を捨てて、調和のとれた統一を実現する。西洋の家庭は夫婦が中心であり、夫婦関係と男女の自然な情を重んじる。夫婦間の考えや感じ方を婚姻の目的とし、結婚は両性が幸せになる権利を行使するためのもので、家庭は完全に個人の問題であり、外部が干渉することを許さない。個人の自由と権利が家庭より高い地位にあり、夫婦がそれぞれ自由と平等の権利を享受することが主張されている。  子どもに対する中国の家庭教育の中心は「道」である。伝統的な家庭観では、世界は天、地、人の「三才」から成り、それがすべて「1つの世界」にある。「道は人から離れたところにあるのではない」、つまり道とは身近なところから探求するものであり、まずは夫婦、親子という家庭から始める。『周易』は「家を正しくして天下定まる」と言った。家道が正しければ、天下は安定する。孔子の庭訓〔家庭内での教育〕などは、家風を伝えるための手本である。家風は個人の運命を決定し、家の盛衰に影響を与える。西洋の家庭は知識の蓄積を重視し、子どもの興味と創造力を育てることが中心で、自然に対する子どもの好奇心や創造力を開発し、成長と愛を重視した教育をする。父母は励ましの言葉で子どもを褒め、激励し、コミュニケーションによって子どもの心理的欲求を探る。  つまり、中国の家庭は家族の調和をより強調し、西洋の家庭は個人の権利の保護をより強調する。「それぞれが理想を追求し、他人の理想を尊重し、理想を共有する」〔中国の著名な社会学者、費孝通の言葉〕。中国と西洋がそれぞれの文化において家庭観の違いがあることを理解したうえで、交流し、互いに学ぶことで、人類の共同発展を促進することができるだろう。 【プロフィール】 陳暁霞(チェン・シアオシア) 尼山世界儒学センター孟子研究院党委書記、院長、研究員。複数の大学で特任教授を務める。長年にわたり歴史文化、儒学発展史、文化産業の発展、青少年教育を研究し、特に儒家文化など伝統文化の新しい発展に功績がある。国家、省、市の社会科学プロジェクト20件以上を主宰。著書に『新時代の伝統文化の革新的発展研究』『社会道徳風潮研究——郷村振興戦略の視点から』『游学三孔』など8冊がある。

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東西問|李庚香 黄河文明はなぜ唯一無二なのか

2023年2月1日 出典 中国新聞網 執筆者 李庚香氏(中国河南省社会科学界連合会会長、研究員、博士) 黄河は中華民族の母なる川である。新しい形の人類文明の創造という視点に立つと、中国文明が「河図洛書」から「礼楽文明」そして「礼法文明」へ連続性と紆余曲折(転換、移動、変化を含む)というプロセスを経たことを黄河文化、黄河文明から読み取ることができる。 黄河文化から黄河文明への飛躍をどう認識するのか 『漢書・溝洫志』には「中国の河川は数百あるが、四瀆(黄河、済水、淮河、長江)ほど目立つものはなく、その中でも黄河が宗主である」とある。水は生命の源であり、川は文明の母であり、川の特性は文明の特性を形成する。「四大古代文明」である古代メソポタミア文明、古代エジプト文明、古代インダス文明、中国文明は、それぞれチグリス・ユーフラテス川、ナイル川、インダス川、黄河によって生まれはぐくまれた。 文明が始まって以来、夏から北宋に至るまで、多くの王朝が黄河流域に都を築いてきた。古代から現代まで、黄河流域は長い間中華民族の政治、経済および文化の中心地であった。黄河を国運、国家の命脈という観点から見ると、中華民族の命運が黄河の栄枯盛衰と密接に関係しており、過去・現在・未来を完全に理解することによって初めて中華民族にとって黄河が持つ独特で特徴的な意味を深く理解することができるのである。 歴史発展の長い流れの中で、黄河流域において東西の文化が交流、融合し、多民族が長期にわたって融合発展する中華民族を形成しはぐくんだ。それは、「すべての姓は同根、すべての氏族は同源」という民族文化的アイデンティティと、大団結を尊ぶ社会意識の主流を形成し、「和を尊ぶ」「大同を求む」という中華民族独自の精神的アイデンティティを明示するとともに、中華民族の深い文化的遺伝子を蓄積し、中国の子どもたちの文化的自信の現れを示すものである。 2022年4月3日(旧暦3月3日)壬寅年に黄帝の故郷の河南省新鄭市での祖先崇拝の儀式=韓章雲撮影 異なる黄河の文化体系をどう認識するか 中原文化や河洛文化は地域文化であり、黄河文化は流域文化である。しかし、中華民族にとって黄河文化は、流域文化であるばかりでなく、民族文化および国家文化でもある。黄河文化体系については、歴史的進化の次元、地域的調和の次元、地勢的な次元、制度および法的な次元、人文思想の次元という5つの側面から理解する必要がある。 黄河文化体系は、時間的、空間的に生み出された思想、制度、モノであると言える。言うまでもなく、この複雑な文化体系は、複雑な「凝集」と「輻射」というプロセスを経ている。以天為則(天をもって則となす)、以民為本(民をもって本となす)、以史為鑒(史をもって鏡となす)、以文載道(文をもって道を記す)を含む凝集のプロセスは、礼楽文明から礼法文明への価値変遷のプロセスである。輻射のプロセスは、以文化人(文をもって人を化す)、以理服人(理をもって人を服す)、以情動人(情をもって人を動かす)、以美育人(美をもって人を育む)ことであり、中原から中部へ、中部から中華へ、中華から中国へと空間的に展開されるプロセスを体現することである。 黄河文化体系は、羲皇、炎帝、黄帝を起点とし、長安―洛陽―開封を軸とする。その連続性と紆余曲折を経た進化発展の過程には、礎の一万年前、始動の八千年前、加速の六千年前、進出の五千年前、過渡的な四千年前、強化の三千年前、転換の二千年前、移動の千年前、変化の二百年前という段階があるということができる。 山西省永済市の凍った黄河河床の航空写真=宝成撮影 複雑な黄河文明体系をどのように理解するのか 黄河文明は中国文明の骨格であり主体である。早期の中国が集落から国家へ、統一された多民族国家が世界へ、滅亡の危機から再生へ変化する中国、勃興から復興へ革新する中国の全過程を記録したものである。その最大かつ最も本質的な特徴は、「断裂していない」ことであり、世界文明史上において類を見ないことである。 黄河文明は、中国文明の複雑な構造を体現しており、中華民族の動力源である。中国文明の複雑な構造を新たに分析するためには、黄河文明体系を認識し、理解するための思考の枠組みを確立することが必要である。そのためには、文明に対する理解を体系的に系統化し、黄河文明に関する多次元的かつ大規模な体系的研究の強化が必要である。ここでは、黄河文化の「根、源、幹、魂、家」という位置づけを重点的に把握しなければならない。 根には祖先、同族、ルーツが含まれる。源には地球の起源、生物の起源、人類の起源が含まれ、さらに農業の起源、文化の起源、文明の起源および国家の起源が含まれる。中国文明を大樹に例えるなら、根と魂である黄河文化は、主体であり幹である。いわゆる家は、発祥の地、中核地、ハブを指し、精神的な家、心の故郷という意味でもある。 黄河文化は強い結束力と求心力を持つ。特に天下為公(天下をもって公となす)、天人合一(てんじんごういつ)、為政以徳(政をなすには徳をもってする)、民為邦本(民は邦の本をなす)、任人唯賢(任命は唯才覚に由る)、革故鼎新(故きを革め新しきを鼎る)、自強自息(自勉して息まず)、厚徳載物(こうとくさいぶつ)、講信修睦(信を講じ睦を修める)、親仁善隣(仁に親しみ隣に善くする)等の中国文化の十大遺伝子を有している。中華民族の五千年にわたる深遠な思想創造を支えているのは、こうした思想の本質である。 2014年7月、デンマーク、スペイン、ベルギー、米国、カナダなどから「ルーツを探す旅」に参加した100人の中国系の教師と学生が黄河壺口瀑布(陝西省延安市)を訪れた=張遠撮影 黄河文明と世界文明との交流・相互学習をどう理解するのか 新時代、黄河文明と世界文明の交流と相互学習を実現するためには、中華民族共同体の建設と人類運命共同体の建設を一致させ、中華民族の現代文明を築き、和して同ぜず、多文化共生のすばらしい世界を築く必要がある。 大禹の治水以来、中華民族は偉大な河川文明を形成し、四大古代文明の中で重要な位置を占めている。秦・漢から明・清にかけて、黄河流域では農耕文明を主体に、遊牧文明、海洋文明(海あり洋なし)などの地域横断的な多文化共生の状況が形成された。上古の時代から、夏・殷・周の文化と西アジアとの交流、後漢時代以降の中国とインド文化の交流、さらには鄭和の西域訪問など、黄河文明は常に世界の文明と好循環を続けてきたのである。 山西省臨猗県の黄河に架かる橋の建設が本格化=姜華撮影 黄河文明の五千年の歴史と西欧列強が台頭した五百年の歴史を比較すると、「生産の社会化」が黄河文明の新しい発展の基礎とならなければならないことがわかる。そのためには、新時代の黄河文明を新しい発展パターンに統合する必要がある。このため、新時代の黄河学の建設は、核心価値を使って人々の心を一つにし、力を集めるだけでなく、共通価値を使って各国の人々がお互いを知ることを促進し、個人の価値と核心価値、核心価値と共通価値の二重サイクルを実現するために努力することが必要である。同時に、世界文明の多様性を尊重し、文明の交流で文明の壁を越え、文明の相互評価で文明の衝突を越え、文明の共存で文明の優劣を越え、「歴史終結論」「文明衝突論」「普遍的価値論」「西欧優越論」を効果的に分析し、世界の諸問題に取り組み、百年に一度の大きな変化の世紀の中で黄河から始まる世界文明史を書き記す。(完) 執筆者李庚香氏プロフィール 中国河南省社会科学界連合会会長、研究員、博士。主にリーダーシップ、中国式現代化および人類文明の新形態についての研究に従事。 責任編集:黄鈺涵

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東西問|陳梅 華僑・華人が春節文化を海外に広める「セルフメディア」なった理由

2023年1月28日 出典 中国新聞網 米国ニューヨーク華人総会会長陳梅氏独占インタビュー 中新社記者 羅海兵 春聯を書いて、窓に飾る切り絵を作って、提灯を吊るして、花火を打ち上げる。世界各地で暮らす中国系住民である華僑・華人は、中国の伝統的な風習を守り続けている。米国で長い歴史を有する月刊誌『ハーパーズ・マガジン』には、1880年から在米中国系住民が、爆竹を鳴らし、正月用品を買い、色とりどりの提灯をぶら下げて春節を祝っている様子が掲載されている。 華僑・華人は、春節の伝統を受け継ぎながら、春節を中国と海外の文化交流のためのユニークな伝達手段にしているのである。春節民俗文化フェスティバルを5回にわたって開催してきたニューヨーク華人総会の陳梅会長が、中新社の「東西問」の独占インタビューに応じた。華僑・華人は、海外で春節文化を伝えるための「セルフメディア」であり、中国の長い歴史と奥深い中国文化を広め、紹介するだけではなく、次世代の中国系住民にも中国文化を楽しく理解し、知ってもらい、好きになってもらうためのものだと語った。 中新社記者:2023年1月15日に開催される米国ニューヨーク華人総会の「ニューヨーク華僑・華人兎年春節民俗文化フェスティバル」とはどのようなものですか。この日は中国南部地方で「小年」(旧暦12月24日、かまどの神様を祀る日)と呼ばれていますが、なぜこの日にイベントを開催することにしたのですか。 陳梅:「ニューヨーク華僑・華人春節民俗文化フェスティバル」は2015年の初開催以来、5年連続で開催され、華僑・華人や地域の他民族に人気のあるイベントとなっています。その後、コロナウイルス感染拡大のため、2年間中止になりました。今年は対面で春節民俗文化フェスティバルを開催しました。 今年のイベント内容は多彩で、春聯を書く、年画を描く、切り絵など伝統的なものばかりでなく、子どもたちの喜ぶバルーンアート、フェイスペイント、飴細工や子どもたちの漢字理解に役立つ灯篭に書かれた謎解きなどがあります。そのほかに京劇、太極拳、武術、民俗舞踊、子どもたちによる豪華絢爛な民族衣装のファッションショーや米中音楽家協会の有名歌手によるプロの歌唱などの素晴らしい文化公演も行われます。出演者の年齢は9歳から85歳までと幅広く、私たちが提唱している「すべての人が春節を祝い、家中で喜びを分かち合う」というビジョンに沿ったものです。 今年の1月15日は、中国南部で「小年」と呼ばれている日ですが、米国に住む中国系の家族の多くは、多忙なスケジュールと祝日でないことから、「小年」に集まることができません。そこで「小年」当日に「春節民俗文化フェスティバル」を開催することにしました。いわば、海外の華僑・華人や次世代に、中国の伝統的な習慣である「小年」の起源と意味を紹介するとともに、春節民俗文化フェスティバルという形で、忙しい日々を過ごしている人たちが一堂に会するのです。 中新社記者:春節民俗文化フェスティバルを開催するそもそもの理由は何でしょうか。中国系コミュニティはどのように関わっているのですか。なぜ春節イベントに熱心に参加するのでしょうか。 米国ニューヨーク華人・華僑2023年第6回春節民俗文化フェスティバル=陳梅氏提供 陳梅:春節民俗文化フェスティバルは、中国文化を紹介する重要な場となっています。趣旨は各界で春節を祝うことで、中国の民間芸術、各地の風俗習慣や中華料理をテーマとしています。中国の悠久の歴史や奥深い中華民俗文化を、米国とニューヨークの主流社会、各界の人々、一般の人々に紹介するものです。これが春節民俗文化フェスティバルを毎年開催する目的とモチベーションになっており、子どもたちに喜んで知識を学び、中国文化を継承してもらいたいと考えています。2015年の初開催以来、第1回目はわずか10店舗だった出店が、2020年の第5回目には50店舗に拡大し、無料で楽しめる華やかな文化ショーも開催しています。これまで総会が開催してきた春節民俗文化フェスティバルには大勢の人々が来場しました。中国の民俗芸術体験、中華料理を味わう、中国伝統芸術の公演鑑賞だけでなく、春節の飾りとしてさまざまな民芸品を無料で持ち帰り、中国の「お正月の風情」を味わうことができるのです。 華僑・華人は外国にいても、文化的ルーツに対する感情は彼らの心に深く根付いており、伝統的な中国の行事に対する共通の思いを抱いているのです。春節の文化イベントに参加することは、新年の雰囲気を出して、望郷の思いを和らげるだけでなく、中国系の子孫に中国の伝統文化も体験させることができるのです。中国の春節といえば「再会」ですが、春節の文化イベントへの参加も海外の華僑・華人が一緒に新年を祝うシーンの一つなのです。 ニューヨーク華人・華僑春節民俗文化フェスティバルでの書道体験=陳梅氏提供 中新社記者:華僑・華人が守ってきた中国の春節の風習とはどのようなものですか。また、ローカライズされ新しく生み出されたものは何でしょうか。 陳梅:その歴史をたどると、海外で春節を祝うという伝統は、中国からの移民の足跡とともにありました。米国では、1850年代から60年代にかけてのゴールドラッシュと米国横断鉄道の完成を受け、初期の中国人労働者が米国西部から東海岸に移動しました。歴史資料には、1871年2月18日、これらの中国人労働者とその家族が米国東部で最初の春節の祝賀会を開催したことが詳細に記録されています。 春節は「Spring Festival」と訳されることが多いですが、実は海外では「Chinese New Year」と呼ばれる方が一般的です。それが「中国の旧正月」で、私たちが春節と呼んでいるもので、一般的に旧暦1月1日を指します。しかし、中国系の人々は海外でも中国国内と同じように大晦日、元旦、旧正月15日の三つの重要な日を含む形で春節を祝います。そして、春節の伝統をそのままに、春聯を貼り、提灯を掛け、花火を打ち上げます。大晦日の年越し料理には必ず餃子や餅を出し、旧正月15日には必ず元宵団子を食べます。春節の期間中には、親戚や友人同士が互いに訪問しあったり、子どもにお年玉をあげたりします。中国系のコミュニティーのイベントではドラゴンダンスや獅子舞のパフォーマンスなどがあります。 もちろん、春節にも、海外で現地に合わせた工夫がたくさんあります。例えば、米国の一部の大都市にあるチャイナタウンでは、旧正月のパレードなど、さまざまな形でお祝いをすることがあります。ヨーロッパの一部の国では、旧正月コンサートなどで祝われます。東南アジアの一部の国の中国系の家庭でも、新しい「お正月の味」として、南国風にアレンジした「正月の餅」が作られています。このように地域に合わせた革新の過程では、異なる文化や文明が融合し相互理解することができます。 米国ニューヨーク市ブライアント公園での獅子舞イベントで子どもたちと交流=廖攀撮影 中新社記者:春節をはじめとする海外で開催される伝統的な中国の行事には、地元の主流社会の参加はありますか。どれくらい参加しますか。 陳梅:実際、海外の春節は、チャイナタウンから徐々に外に出て、地元の主流社会の人々を巻き込んで、さまざまな形で祝われています。例えば、非常に有名なサンフランシスコの旧正月パレードは、初期のチャイナタウンで少数の中国人労働者が春節を祝うという伝統から、多民族で、中米の団体が密接なコラボレーションをして中国の伝統文化を紹介するものへと発展し、世界で最も有名な十大パレードに数えられています。ニューヨークのエンパイアステートビル、イギリスのロンドン・アイ、オーストラリアのシドニーオペラハウスなどのランドマークも、毎年春節を祝って赤くライトアップされます。 国や地域によっては、春節を国や地域の公式な祝日とするところもあります。中国の春節には、多くの国の政治指導者も新年の挨拶をします。 提灯で彩られた米国ニューヨーク市マンハッタンのチャイナタウン=廖攀撮影 中新社記者:華僑が受け継いできた中国の伝統的な行事や文化活動を、中国と海外の文化交流の手段にするにはどうしたらいいのか。 陳梅:ニューヨークには、中国からの移民、学生、労働者が何十万人も住んでいます。 佳節の季節になると家族に思いを馳せるものです。中秋節や旧正月など、いかにも中国らしい伝統的な行事も、現地の米国人の生活に徐々に溶け込んできています。ニューヨーク州では、春節にすべての生徒が家族と一緒に家で過ごすことを認め、欠席扱いにしないという法律が制定されたため、春節が中国の伝統的な祝日として一躍有名になりました。さまざまな大学、中学校、小学校が、学生に餃子の作り方を教えたり、春聯を書いたり、中国の民族舞踊を踊ったり、中国の民族楽器を使ったコンサートを開催したりするなど、春節を祝うイベントを開催します。時の流れとともに、このような祝賀イベントは自然と中米文化交流の媒体となりました。 世界の多文化主義が発展する中で、こうした中国の色鮮やかな行事の伝統は、地元の人々にとっても新鮮で、春節の活気や「お正月らしさ」に惹かれ、ひいては中国文化に興味を持つようになりました。そして、このような生き生きとしたシーンを通して、春節文化の精神的な核心をよりよく感じ取り、中国文化に埋め込まれた家族の概念と世界観、すなわち再会と調和の追求を読み取ることができるのです。 春節ムードにあふれた米国ニューヨーク市マンハッタンのチャイナタウンで上海料理を楽しむ人たち=廖攀撮影 中新社記者:海外の華僑・華人は春節の伝統を守りながら、春節の文化を伝え、広めるためにどのような役割を担っているのでしょうか。 陳梅:海外の華僑・華人自身が中国文化を伝え、春節の文化を海外に広める「セルフメディア」なのです。私たちは、中国の伝統文化を次世代、そして他の民族や社会の主流に継続的に紹介・敷衍することで、五千年の文明の歴史を持つ中国人が平和を望む民族であることを人々に思い出させるのです。何世代にもわたって、中国と米国の人々の友好を願い、世界平和と国家の繁栄のために橋をかけ、道を切り開いてきたのです(完) 陳梅氏プロフィール 米国ニューヨーク華人総会会長。2003年に設立されたニューヨーク華人総会(New...

「映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)」公開記念レッスンを3月1日から全国で開講 0

「映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)」公開記念レッスンを3月1日から全国で開講

日本及びアジア、東南アジアに料理教室を展開する株式会社ABC Cooking Studio(本社:東京都千代田区丸の内、代表取締役社長 兼 CEO : 志村なるみ、以下ABC)は、2023年3月3日(金)に公開となる「映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)」の公開を記念し、入会金不要・1回完結で参加できる「1dayレッスン」を3・4月に開催いたします。

中国で社会現象となったドラマが遂に日本上陸!孤軍奮闘する女性主人公のリアルな生き様に共感と応援の嵐!笑って泣ける、感動のヒューマンドラマ CS放送「女性チャンネル♪LaLa TV」では、中国で社会現象となり大ヒットを記録した、感動のヒューマンドラマ「それでも、家族~All is Well~ 」を10/27(木)21:00より日本初放送いたします。 0

中国ドラマ「それでも、家族~All is Well~ 」1・2話★無料オンライン先行試写会決定!

中国で社会現象となったドラマが遂に日本上陸!孤軍奮闘する女性主人公のリアルな生き様に共感と応援の嵐!笑って泣ける、感動のヒューマンドラマ

CS放送「女性チャンネル♪LaLa TV」では、中国で社会現象となり大ヒットを記録した、感動のヒューマンドラマ「それでも、家族~All is Well~ 」を10/27(木)21:00より日本初放送いたします。
この度、本放送に先立ち<1・2話無料オンライン試写会>を開催する事が決定いたしました!

蘇州版画の光芒 ―国際都市に華ひらいた民衆芸術―特別展覧会 0

「蘇州版画の光芒―国際都市に華ひらいた民衆芸術」特別展覧会を海の見える杜美術館で開催予定

「蘇州版画の光芒 ―国際都市に華ひらいた民衆芸術」特別展覧会を海の見える杜美術館で開催される予定。
海の見える杜美術館の所蔵する中国版画は、希少な17-18世紀の蘇州版画から現代年画に至るまで、その数3,000点以上に及ぶ世界屈指の質と量のコレクションです。間もなく開催される本展覧会では、館蔵品の中から初公開作品を多数含む優品約300点を選定し、知られざる中国版画の世界をお楽しみいただきます。