中国の携帯電話市場、低迷続くもハイエンド市場は拡大~ファーウェイの販売回復目立つ
中国では携帯電話の出荷台数の低迷が続いている。ただ、高価格帯の販売は伸びており、特にファーウェイの販売の回復が鮮明となっている。
■今年上期、携帯出荷は減少続く
中国信息通信研究院が8月11日に発表した統計によると、2023年1~6月の中国の携帯電話出荷台数は前年同期比4.8%減の1億3000万台。このうち5G携帯電話は同6.4%減の1億200万台に落ち込んだ。
市場調査機関のカウンター・ポイントによると、2023年4~6月期の中国のスマートフォン(スマホ)販売台数は前年同期比4%減で、4~6月期としては、2014年以来の低水準となった。同期間は「618」商戦(6月1日から6月18日)があったにもかかわらず、6月単月の販売台数は前年同月比6%減だった。
■ハイエンドスマホはシェア拡大
低迷する中国の携帯電話市場だが、ハイエンドスマホ市場は安定した伸びをしている。IDCによると、中国では2023年4~6月期、600米ドル以上のハイエンド携帯電話市場のシェアが23.1%で、前年同期に比べて3.1ポイント拡大した。「消費者が高品質な製品を選択する傾向が強まっているため」とみられている。実際、中国のスマホ市場の平均価格は上昇傾向にあり、昨年は450米ドルを突破。今後数四半期は平均価格の上昇は続くとみられている。
■ファーウェイの4~6月のスマホ販売は大幅な伸び
ハイエンドブランドの中でも増加が際立つのがファーウェイ。ファーウェイの4~6月期のスマホ販売台数は前年同期比58%増。中国のスマホメーカーで同期の伸び率としては最大だった。これに伴い、中国のスマホ市場でのファーウェイのシェアも回復している。カウンター・ポイントによると、ファーウェイの中国のスマホ市場でのシェアは2022年4~6月期の6.9%から、2023年4~6月期には11.3%に回復している。