東西問|短評 中日国交正常化から50周年 中日関係の「安定した長期的発展」とは

中新社記者 呉旭

 2022年は中日国交正常化50周年にあたる。中日関係の発展における重要な節目であり、歴史の新たな出発点である。 昨年10月、習近平国家主席は日本の岸田文雄首相と電話会談した際、中日は「仁に親しみ隣に善くするは、国の宝なり」と強調した。 これは中国の伝統的な統治哲学であるだけでなく、中日関係の発展に対する中国側の姿勢を明確に反映している。

 50年前の東西冷戦時代、先輩の政治家たちは両国民の基本的利益から出発して、政治体制、社会制度、イデオロギーの違いを維持しながら、中日間の平和、友好、協力の大同を求めて国交正常化という戦略的決断を下した。

2022年9月26日、「周恩来と中日友好」の写真展が北京と東京で同時に開幕した。北京の開幕式では、文化学者の王魯湘氏が1972年に日本の田中角栄首相を中国に迎えた周恩来首相の歴史的写真をもとにした版画『仁に親しみ隣に善くするは、国の宝なり』を紹介した=侯宇撮影

 国交正常化以来、中日関係は質、量ともに大きく進展した。改革開放の初期における中国の経済建設は、日本によって支援、援助されたものであり、同時に中国の発展は日本にも貴重なチャンスをもたらした。中国は15年連続で日本の最大の貿易相手国である。対中国の輸出入は日本の対外貿易の20%以上を占め、3万社以上の日本企業が中国で投資、事業を行っている。2021年新型コロナウイルス感染症の流行を背景に、日中両国間の貿易額は3700億米ドルを超え、歴史的記録を大幅に更新した。

2021年10月、中国江蘇省灌雲県のブロッコリー栽培基地でブロッコリーを収穫する村人たち。この年灌雲県では、ブロッコリーが合計約147ヘクタール栽培され、収穫後はすべて日本に輸出された=灌晨光撮影

 中日両国間には幅広い分野で共通の利益と関心を有している。世界経済の回復の推進や地域での協力発展の促進にしても、気候変動やテロなどのグローバルな問題への対応など双方ができること、すべきことが多くある。これらの重要な成果は、両国と両国民に具体的な利益をもたらしただけでなく、世界特にアジアの平和、安定、発展を力強く維持し促進するものでもある。

 両国の協力関係は、強じんで大きな潜在力を示している。しかし、中国の発展に直面し、日本の一部の政治勢力は「中国の脅威」を誇張し、対中強硬論を唱え、中日関係の安定的発展に重大な支障をきたしている。

 中国と日本はパートナーであるべきか、それとも敵対するべきか。これは、中日関係を扱う上ではっきり認識しなければならない基本的な問題である。中国の対日政策は一貫して明確であり日本を敵と見なしたことはない。常に中日の平和と友好、ウインウインの協力関係を提唱してきた。日本社会も中国に対する客観的かつ合理的な認識を確立し、より自信に満ちたオープンマインドで中国との協力を推進すべきである。

2022年4月、北京で開催された「江戸綺想曲―浮世絵展」を鑑賞する市民。中日国交正常化50周年を機に、浮世絵の名作140点を展示。日本人が抱く独特な自然観や江戸時代の庶民の生活や娯楽、美意識の高いファッションなどが紹介されている=侯宇撮影

 中国と日本は離れられない隣国である。矛盾や違いがあるのは仕方ないことであるが、大切なのはそれを適切に管理し、突出して激化させないようにすることである。国交正常化以降、中国と日本は四つの政治文書に合意し、歴史や台湾など主要な原則的問題を扱うルールを定めるとともに、互いの内政不干渉などの重要原則を確認した。これらのルール、原則、コンセンサスを得た今、われわれは、約束を守り、ルールに違反せず、一線を超えずに、対立や相違を適切に管理するために、何ができて、何ができないかを知らなければならない。そうしてこそ、中日関係が安定して長期的発展をすることは歴史が証明している。

 民間の友好交流は常に中日関係発展の重要な礎になっている。長い間、両国の人々は二国間の発展に重要な貢献をしてきており、「民間が先行し、民が官を促す」という伝統を形成してきた。中国四川省の汶川大地震や日本の「3.11」東日本大震災では、両国の人々が苦しい境遇にあって協力し困難に打ち勝つという感動的な物語を描いた。新型コロナウイルス感染症のパンデミックの発生後、両国国民は手を携えて疫病と戦い「山川異域、風月同天」(住むところは違えども風月の営みは同じ空の下でつながっている)という歴史的なエピソードを残している。これらは両国の人々にとって貴重な財産である。

2011年3月11日の東日本大震災後、中国の日本への支援、寄付、慰問を紹介する写真=孫冉撮影

 中日関係の改善と発展は、過去50年、半世紀にわたる劇的な変化の中で苦労して勝ち得たものであり、大切にすべきものである。未来を展望し、双方が初心を振り返り、信念を持って、中日関係の健全で安定した発展を正しい軌道で推進する必要がある。郭沫若氏が『沁園春 祝中日国交回復』という詩の中で期待したように「これからは、言動が実を結び、万国が調和することを願っている」。

【編集 田博群】

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