中国の経済発展における雲南省の位置付けとは?雲南省駐日本(東京)商務代表処主催 雲南省ー日本経済懇談会開催

日中国交正常化50周年と雲南省駐日本商務代表処開設2周年を記念し、「雲南省日本経済懇談会」が12月14日、京王プラザホテルで開かれた。今回のイベントは雲南省商務庁、雲南省駐日本(東京)商務代表処が主催し、一般社団法人日本雲南総商会、認定NPO法人日本雲南聯誼協会が共催、中国駐日本大使館経済商務処の後援を受けた。

懇談会には、中国大使館の宋耀明経済商務公使、日本外務省アジア大洋州局中国モンゴル第一課の斎藤憲二地域調整官、キヤノングローバル戦略研究所の瀨口清之研究主幹、日本貿易振興機構(JETRO)総務部の小栗道明総務課長、日本アジア共同体文化協力機構の小松道彦理事、在日中国企業協会の王家馴会長、中国駐東京観光代表処の欧陽安首席代表、東方航空日本支社の李軼社長、株式会社ナンセイスチールの劉国利社長、株式会社スマイルの大野敦社長、坂本英樹常務、みずほ銀行中国営業推進部の手嶋徹也部長、一般社団法人日本雲南総商会の関晃典代表理事、山下博顧問などが来賓として出席した。また、雲南省商務庁の寸敏副庁長が雲南からオンラインで出席した。

雲南省駐日本(東京)商務代表処の初鹿野惠蘭首席顧問は開会のあいさつで、「雲南省商務代表処は2020年5月の開設以来、日本・雲南双方向での投資や貿易の促進、経済交流と協力に尽くしてきた。今日の懇談会を通じて雲南を身近に感じてほしい。今年の10月25日には東方航空が昆明・成田の直行便の運航を始め、雲南と日本の往来がさらに便利になった。来年、雲南省商務代表処と日本雲南総商会は、雲南省へのビジネス視察と商談会のための団体旅行などを企画している。ぜひ企業家の皆さん自身が雲南を訪れ、雲南との経済交流、協力を進めてほしい」と述べた。

中国大使館の宋耀明経済商務公使は「大使館を代表し、長年にわたって中日の経済協力および雲南と日本の交流をサポートしていただいた皆さんに感謝したい。今年は中日国交正常化50周年の節目に当たり、両国の友好発展にとって重要な一里塚だ。過去50年、中日の経済協力は長足の発展を遂げ、昨年の中日貿易額は3700億ドルに達した。現在、日本企業の対中直接投資は1270億ドルに達し、中国には3万社を超える日資企業がある。世界経済が回復の兆しを見せる中、中日経済協力がこれまでの基礎の上にさらに発展することを望む。

来年は中日友好条約締結45周年に当たり、また中国の改革開放45周年でもある。中日両国は、特に経済界の皆さんがこの機会を逃さず、中日協力の基礎をさらに確かなものにし、雲南省を通じて東南アジア、南アジアの第三国と協力するチャンスを作り、さらに高いレベルの互恵協力関係を実現してほしい。中国大使館はこれまでどおり積極的にサポートしていく」とあいさつした。

外務省アジア大洋州局中国モンゴル第一課の斎藤憲二地域調整官は「今年は日中国交正常化50周年の重要な節目だ。コロナ禍の影響はあったものの、経団連を中心とした50周年交流促進実行委員会は200以上の交流活動を行っており、安心している。

重慶総領事館に勤務していた際、担当地区である雲南省を何度も訪れた。雲南省は観光資源に恵まれているだけでなく、中国と東南アジア、南アジア各国との貿易窓口でもある。多くの日本企業は上海などの沿海部の発展に目を奪われがちだが、もっと南西部の雲南に目を向け、雲南でビジネスチャンスを探ってほしい。また雲南省も日本企業の投資に対し、さらなるサポートと援助をお願いしたい」と述べた。

雲南省商務庁の寸敏副庁長はオンラインであいさつし「雲南省は中国の南アジア、アジアに向かうゲートウェイだ。中越鉄道はすでに1周年を迎え、ベトナム、ラオス、ミャンマーへの国際ハイウェイの中国国内部分は全線開通した。雲南省の南アジア、東南アジアにむけた利便性、優位性はますます際だっている。

雲南省も日本との貿易を重視しており、2021年の雲南省の対日貿易額は9.2億ドルに達し、前年同期比106.8%増加した。コロナ政策の緩和以降、企業の方々が雲南省にビジネスや観光に訪れ、経済貿易協力を進めることを歓迎する」と述べた。

日本貿易振興機構(JETRO)の小栗道明総務課長は「最近の調査によると、コロナ禍の影響で対中投資拡大に慎重な日本企業が若干増えている。しかし、内閣府の外交に関する最新の世論調査では、中国に親近感を抱く日本の若者は増えている。調査対象の多くは中日関係の友好発展を非常に重視している。

中国の南西部は、この10年近く経済成長の最も早い地方だ。雲南省は無限の可能性を秘めている。みなさん実際に雲南に行かれて、ビジネスチャンスを探って欲しい。JETROも皆さんにいろいろな情報を提供する」と述べた。

NPO法人日本雲南聯誼協会理事で雲南省商務代表処の顧問も務める林則幸氏は、雲南省商務代表処、日本雲南聯誼協会、日本雲南総商会の長年にわたる雲南と日本の経済貿易、文化、教育などの分野での協力、交流について紹介した。

今回の懇談会では、キヤノングローバル戦略研究所の瀬口清之主幹研究員を招き、「中国経済の発展と雲南の繁栄」と題した特別講演を行った。瀬口氏は中国経済の発展に対し、全面的、客観的な分析を行った。2017年頃から雲南省のGDP成長率は中国全体の平均成長率を上回り始めた。これは雲南省内および全国、周辺国との交通、物流の急速な活発化によってもたらされており、「一帯一路」経済圏政策とRCEPの発効にもよるという。2030年ごろまで雲南省の経済は高度成長を続けるとみられる。雲南省はクリーンエネルギー、グリーン食材、健康生活目的地という「3枚看板」の成長戦略を掲げており、これらの分野で日本企業には大きな投資チャンスがある。

中国の経済成長のスピードは減速したものの、欧米の主要企業は一貫して中国を今後10年にわたる最も魅力的な投資対象だと位置づけている。来年、中国のコロナ感染予防策が徐々に緩和されるのに伴い、多くの日本企業に中国投資のビジネスチャンスをつかんでほしい。

最後に瀬口氏は「中国の発展はすなわち日本の発展であり、日本の発展は中国の発展だ」と締めくくった。

講演の後、ゲストなどは第2部の会場に移動。日本雲南総商会の関晃典理事長と在日中国企業協会の王家馴会長があいさつし、王会長の乾杯で懇親会が始まった。中日の企業の代表は今回の懇談会について相互交流し、「雲南省日本経済懇談会」は成功裏に終了した。

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