「歓楽春節」が京都を彩る 無形文化遺産登録後、初の春節を祝う

 1月25日、中国の旧正月の雰囲気に満ちた体験イベント「歓楽春節 in 萬福寺」が、国宝・京都の萬福寺にて盛大に開催されました。昨年12月、春節(旧正月)がユネスコ無形文化遺産に登録されてから初めての春節を迎え、来場者にとって春節文化を体験する貴重な機会となりました。

国宝萬福寺の大雄宝殿前で中国の春節を祝う

当日、萬福寺の大雄宝殿前は、新春の喜びに満ちた華やかな装飾で彩られていました。福の字が描かれた燈籠や赤い飾りが随所に飾られ、回廊にはユニークな燈籠クイズが風に揺れていました。特に目を引いたのは、大雄宝殿正面に飾られた「吉祥蛇」のランタンと「福の壁」でした。

イベントの開幕に際し、黄檗宗大本山萬福寺の管長・近藤博道猊下が「福」の字を揮毫し、来場者に新春の祝福を贈りました。その後、来場者もそれぞれ自分の「福」の字を書き、「福の壁」に掲げました。こうして、皆で「福満萬福」福が萬福寺を満たすという素晴らしい作品を完成させました。

萬福寺管長・近藤博道猊下による「福」の揮毫

 「福満萬福」- 新年の願いが込められた福の壁

 燈籠クイズや蹴鞠といった伝統的な文化体験は、多くの来場者を魅了しました。来場者は体験を通じて「福」のスタンプを集め、輪投げに挑戦するチャンスを手にしました。輪投げコーナーでは、「吉祥蛇」のぬいぐるみやパンダのマスコット、飛行機の模型など、さまざまな賞品を目指して家族全員で挑戦する姿も見られ、会場は笑い声に包まれていました。外れてしまっても、「ポチ袋運試し」に再挑戦することができ、「吉祥蛇」のバッジやカレンダー、ランタンなど、「歓楽春節」グッズが特に人気を集めていました。

来場者が中国文化、旅行、国情に関するクイズに挑戦

古代のサッカー「蹴鞠」を体験

「歓楽春節」の吉祥蛇やパンダぬいぐるみを目指して輪投げに挑戦

来場者が会場で「福」のスタンプを集めながら、春節の雰囲気を満喫

大学生たちが紅包(お年玉)の壁で運試し

自分が引き当てた賞品に興味津々の子どもたち

 会場では、春節グルメも多く用意されました。特に、中国で人気の「囲炉煮茶」が注目を集め、囲炉裏を囲んで香り豊かなお茶や軽食を味わいながら、冬の日の心地よいひとときを過ごす人々の姿が見られました。また、3Dプリントで作られた飴細工も話題を呼び、子どもから大人までが興味津々で見入っていました。さらに、春節ならではの味といえば餃子や湯円。熱々の水餃子や湯円がその場で提供され、会場には温かい香りと豊かな味わいが広がりました。

3Dプリントで作られた「福」の字やパンダの飴が人気を集める

 今回の「歓楽春節 in 萬福寺」は、中国駐大阪観光代表処と黃檗宗大本山萬福寺の共催、中国国際航空および日中茶文化交流協会の協力のもと開催されました。イベントには約1,000人の日本人が参加し、春節文化を身近に体験する機会を提供しました。このイベントは、日本の人々に中国の春節を紹介するだけでなく、多文化共生や交流の可能性を広げる場にもなりました。春節という人類共通の文化遺産は、こうしたイベントを通じて世界中にさらに広がり続けています。

(写真提供:中国駐大阪観光代表処)

You may also like...

Leave a Reply

Your email address will not be published.