広東発アニメ&トレンドトイIP、東京・秋葉原で華やかにデビュー「粤動新次元」アニメ&トレンドトイ展、日本で成功裏に開催

孫悟空と鉄腕アトムが“合体”。水墨アニメの伝統とデジタルトレンドトイの革新が響き合う。

2025年10月10日、「粤動新次元」アニメ&トレンドトイ展が東京・秋葉原で開催された。

孫悟空と鉄腕アトムが「合体」し、水墨アニメとデジタルトレンドトイが響き合う。粤港澳大湾区(広東・香港・マカオグレーターベイエリア)と東京ベイエリアは、アニメとトレンドトイを媒介に、黄金の秋の東京で、「中日韓文化交流年」の友好的な物語を綴り続けている。

主催は中国広東省人民政府新聞弁公室、広東省文化と観光庁、広東省文学芸術界連合会。南方報業メディアグループ南方国際コミュニケーションセンター(South)、IP Guangdong、東莞市人民政府新聞弁公室が共同で運営し、中国駐東京観光代表処や広東省アニメ芸術家協会が後援した。

会場には、約50点のアニメ作品と約100点の広東発トレンドトイが並び、日本株式会社手塚プロダクション代表取締役社長・松谷孝征氏、日本漫画家協会理事長でマンガジャパン代表理事の里中満智子氏、ドキュメンタリー監督の竹内亮氏、中国広東省アニメ芸術家協会主席・金城氏ら、多くの日中の著名人が来場。来場者数は1万人を超え、会場は終始にぎわいを見せた。

水墨アニメの系譜、現代に蘇るーー2025~2026年は「中日韓文化交流年」。

広東省出身の特偉、詹同、戴鉄郎、馬克宣らアニメ界の巨匠たちは、世界を驚かせた中国水墨アニメの礎を築いた。

1981年、特偉氏は京都で「中国水墨アニメ展」を開催し大きな反響を呼んだ。宮崎駿監督は「『おたまじゃくしがお母さんを探す』を見て強いインスピレーションを受けた」と語り、手塚治虫氏も「水墨アニメから生涯にわたって学び続けた」と述懐している。

それから40年以上を経た今、広東のアニメ関係者たちは、伝統を受け継ぎつつもアップデートされた現代アニメとトレンドトイ文化を携えて再び日本を訪れた。

 

東京・秋葉原に広がる「新次元」

会場は約500平方メートル。アニメ展示エリア、トレンドトイ展示エリア、インタラクティブ体験エリアの3つに分かれている。

アニメ展示エリアは、「源流―水墨が奏でる東方のリズム」「交差点―友情の樹は豊かに茂る」「共振―デジタル時代の共創」の3章構成で、中日両国の著名アニメ作家による約50点の作品を紹介。

トレンドトイ展示エリアでは、広州・深圳・東莞・汕頭など広東各地の代表的ブランドが集結した。華強方特の『熊出没』、詠声動漫の『猪猪侠(GGBond)』、奥飛娯楽の『喜羊羊と灰太狼』、優必選科技の「悟空」ロボットなど、約100点の展示が来場者の注目を集めた。

“中国トレンドトイの都”・東莞の存在感

展示の中でも特に人気を集めたのが、「中国のトレンドトイの都」と呼ばれる東莞の特設コーナーだ。

ToyCityの人気IP「Laura」はキュートでクール、拼酷(Piececool)の醒獅と千角灯は嶺南文化の趣を伝え、吾獨友偶(WDYO)の「中薬煲(漢方薬を煎じる土鍋)」は“癒し”と“感情”をテーマにしたユニークな存在感を放った。

東莞は改革開放初期から玩具産業を積極的に受け入れ、現在では4000社以上の製造企業と約1500社の関連企業が集積する中国最大の玩具輸出拠点となっている。中国国際動漫節(CICAF)も15年連続で同地に定着し、国際的視野と文化的自信を併せ持つ都市イメージを確立した。

最新データによると、東莞の288社の玩具企業による生産額は262億元に達し、世界のアニメ関連グッズの4分の1には“東莞印”が刻まれているという。東莞発のトレンドトイは、世界市場での実力に加え、文化の壁を越えて共感を呼ぶ“製造美学”の象徴となっている。

若者がつなぐ創造と友情

インタラクティブ体験エリアでは、中日青年による手作りワークショップや人気アニメIPのコスプレ体験が行われた。

『ナタ 魔童の大暴れ』の哪吒と敖丙、『黒神話:悟空』の悟空、『落凡塵』の金風と玉露などが登場し、多くの日本の若者が写真撮影を楽しんだ。

ワークショップには早稲田大学、東京藝術大学、武蔵野美術大学、山脇美術専門学校などの学生も参加し、ブロック組立を通して中国の“製造美学”を体感した。

主催者である南方国際コミュニケーションセンター(South)の担当者は、「アニメとトレンドトイという若者に愛される文化形式を通じて、東方美学の現代的魅力を伝え、『広東製造』の革新物語を語りたい。両国の若い世代の理解を深め、友情が世代を超えて受け継がれることを願っている」と語った。

孫悟空とアトム、時を超えて再び交わす友情の握手

午後には「粤動新次元―中日アニメ&デザイナーズトイ巨匠の広東探訪」と題した講話が行われた。

登壇したのは、里中満智子氏(日本漫画家協会理事長・マンガジャパン代表理事)、関口貢氏(元サンリオ ライセンス事業部アートディレクター/日中動漫遊戯産業連合会代表理事)、倉田よしみ氏(日本漫画家協会理事/NPOアジアMANGAサミット運営本部副代表)、アニメーターの米山舞氏、中国の漫画家で中山大学芸術学院准教授の林帝浣氏ら5名。

「中日アニメ産業における文化的共鳴と産業的共振」をテーマに、活発な意見交換が行われた。

締めくくりを飾る、感動的な贈呈セレモニー

手塚治虫氏が生前描いた『孫悟空とアトムが手をつなぐ』の原画には、「中日アニメ界の永遠の友好を!」との言葉が添えられている。

今回、広東省アニメ芸術家協会会長で『鉄腕アトム』中国語簡体字版の出版を担当した金城氏が、『孫悟空とアトム』の新作を特別に制作。漫画の中でふたりがハイタッチで“合体”する構図となっており、この作品が松谷孝征氏(手塚プロダクション社長)に贈られた。

40年の時を超え、孫悟空とアトムが再び手を取り合う。日中アニメ交流の新たなページが、静かに刻まれた。

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