北京語言大学東京校開学10周年記念式典開催
北京語言大学東京校は、2025年4月22日(火)、開学10周年を記念する式典および祝賀交流会を東京都豊島区民センターにて盛大に開催した。当日は教育機関関係者、企業代表、中国大使館関係者、在学生・卒業生など多数の出席者が集い、節目を祝福した。

10周年式典会場の様子 写真提供:北京語言大学東京校
式典冒頭で中国大使館 杜柯偉公使参事官が祝辞
記念式典は午後1時30分に開会。冒頭、中華人民共和国駐日本国大使館教育処の杜柯偉公使参事官より祝辞が述べられた。杜氏はまず、北京語言大学がこれまで中国国内で30万人以上の中国語人材を育成してきた実績に言及し、近年の人工知能技術の進展を踏まえた今後の教育のあり方について指針を語った。さらに、東京校が日中間の人文交流を担う重要なプラットフォームとしての役割を果たすことへの期待と、今後も日中両国の友好を担う人材の育成を進めてほしいと述べた。

冒頭の記念祝辞を述べる中華人民共和国駐日本国大使館教育処 杜柯偉公使参事官 写真提供:北京語言大学東京校
本校・企業代表が祝辞
続いて、北京語言大学副校長・張宝鈞氏が登壇し、東京校開学10周年への祝意を述べた上で、本校と東京校との連携の成果として、これまでに370名の中国語に精通し、中国文化への理解を深めた人材を育成してきたことを紹介した。

大学代表で祝辞を述べる北京語言大学副校長・張宝鈞氏 写真提供:北京語言大学東京校
また、運営パートナーである株式会社WEWORLDの代表取締役・荻野正昭氏も登壇し、30年前の北京語言大学本校との協力開始、そして10年前の東京校設立当初からの歩みを振り返った。初年度44名でスタートした東京校が、現在では多くの優秀な学生を輩出していることを誇りとし、今後も日中バイリンガル人材の育成を継続していく姿勢を示した。

北京語言大学東京校運営母体である株式会社WEWORLD代表取締役・荻野正昭氏の挨拶 写真提供:北京語言大学東京校
校長挨拶と書籍寄贈
続いて、北京語言大学東京校 校長・宋紅芳氏より挨拶があった。宋氏は、東京校の卒業生の就職率が100%であることや、北京語言大学、北京大学、北京師範大学、中国人民大学、慶應義塾大学など名門大学の大学院へ進学する学生も多く在籍している点を紹介し、教育の質の高さを強調した。

北京語言大学東京校校長・宋紅芳氏による歓迎の祝辞 写真提供:北京語言大学東京校
さらに、北京語言大学本校より中国語教育に関する書籍177冊が寄贈される場面もあり、張副校長より荻野社長へ直接手渡された。両校の教育連携の象徴的な場面となった。

北京語言大学本校から東京校開学10周年を記念した記念書籍贈呈の様子 写真提供:北京語言大学東京校
その後、開学からの10年の歩みを記録した映像「10周年の軌跡」を放映。北京語言大学東京校の職員がこれまで撮影してきた写真や動画を編集したもので、設立当初から現在に至るまでの歩みが鮮やかに映し出された。映像には、在校生や卒業生、教職員の日常やイベントの様子が収められ、10年間の成長と挑戦の軌跡が温かく紹介された。

記念映像を楽しむ会場の様子 写真提供:北京語言大学東京校
来賓祝辞に素敵なパフォーマンスも
会場には北京語言大学東京校に関係のある多くの関係者が集った。
代表祝辞ではHSK日本実施委員会事務局長の本田恵三氏が登壇。北京語言大学を「HSKの“生みの親”」と称し、東京校を兄弟のように感じていると語った。東京校が開学した2015年当時、HSKも日本での受験者拡大に向け手探りの時期であったと振り返り、「ともに歩む戦友のような存在だった」とその意義を強調。教育の本質は「日常を変えることにある」との持論を述べ、東京校が日常の些細な出来事を国際交流の場へと昇華させている点に深い敬意を表した。

HSK日本実行委員会事務局長の本田恵三氏 写真提供:北京語言大学東京校
続いて、東京校の初代校長である趙菁氏がスピーチを行い、10年前の設立当初の思い出と現在の成長に対する感慨を語った。「この地に蒔いた一粒の種が、今では立派な大樹に育った」と、教職員・学生の努力を讃え、今後も日中友好の架け橋として活躍することを願った。

北京語言大学東京校初代校長 趙菁氏 写真提供:北京語言大学東京校
式典の文化プログラムでは、東京校講師による中国琴の演奏が披露され、静謐な旋律が会場に響き渡った。来賓や学生たちはその美しい音色に聴き入っていた様子で、演奏後には大きな拍手が送られた。

中国琴演奏 張力文氏 写真提供:北京語言大学東京校
また、「十年風華 共築夢思(じゅうねんふうか ともにゆめをきずく)」をテーマとした現代詩を、2年生から4年生までの学生6名が朗読。開学10年を振り返り、恩師への感謝や学友との絆、未来への希望を込めた詩は、会場の心を打った。

現代詩 『十年風華 共築夢思』北京語言大学東京校学生代表 写真提供:北京語言大学東京校
さらに、京劇「孫悟空」が披露されると、初めて京劇を目にする学生たちはそのダイナミックな演出とアクロバティックな技に目を見張り、固唾をのんで観賞。笑いや感嘆の声が上がり、会場は一体感に包まれた。

京劇パフォーマンス 孔得偉氏 写真提供:北京語言大学東京校
最後に、北京語言大学東京校副校長より、来賓・協力機関・関係者への感謝の言葉が述べられ、式典は盛況のうちに幕を閉じた。

式典参加者全員での集合写真 写真提供:北京語言大学東京校
北京語言大学東京校とは
北京語言大学東京校は、2015年に設立された北京語言大学本校の日本分校であり、日本国内で中国の高等教育カリキュラムをそのまま体験できる唯一の大学として知られる。池袋キャンパスでは、日本人学生を中心に、外国籍の学生も中国語教育を受けており、語学教育と文化理解を兼ね備えたグローバル人材の育成を続けている。