ファーウェイ、中国のスマホ市場で再びトップの座に

華為(ファーウェイ)が中国のスマホ販売市場でトップに返り咲いた。米国からの制裁を受けた2019年以降、中国のスマホ市場でシェアが低下していたファーウェイ。だが、2023年に投入した新製品の販売が好調でトップの座を奪還した。

 

■「Mate 60 Pro」投入でスマホ販売押し上げ
市場調査会社のカウンターポイントによると、2024年の最初の2週間の中国のスマホ販売台数でファーウェイはトップだった。

ファーウェイは米国からの制裁を受けた2019年以降、部品調達などの成約を受けてスマホの販売が低迷した。しかし、ここにきてトップに返り咲いた原動力となったのは2023年9月に正式発売した「Mate 60 Pro」。自社開発のチップ「麒麟(Kirin)9000s」を搭載したほか、自社開発の「HarmonyOS」の機能向上などもあり「Mate 60 Pro」の投入以降、ファーウェイのスマホ販売は好調に推移した。

ファーウェイの2023年第3四半期販売台数は前年同期比37%増。中国市場でのシェアは12.9%で、前年同期に比べて3.8ポイント拡大した。同第4四半期は、販売台数が71.1%増。シェアは15.2%で、前年同期に比べて5.7ポイント拡大した。

2023年通年でみても、ファーウェイの携帯電話出荷台数は前年比52.1%増。市場シェアは12.1%で、前年に比べて4.2ポイント拡大して6位だった。一方、他の上位5社の中国市場でのシェアは、アップル(2022年18.0%→2023年17.9%)、vivo(同19.2→16.9%)、OPPO(同17.5%→16.2%)、HONOR(同16.7%→15.7%)、Xiaomi(同13.9→14.4%)と、Xiaomi以外は軒並みシェアを落としており、ファーウェイの躍進が鮮明となった。

 

ファーウェイのスマホ復活の原動力となった「Mate 60 Pro」はハイエンド市場に焦点を当てた製品。カウンターポイントによると、2023年の中国のハイエンドスマホ市場は前年比27%増と高い成長を遂げた。こうした中、中国のハイエンドスマホ市場は2023年前半まではアップルが主導していたが、2023年後半以降はファーウェイがアップルのシェアを奪った格好となった。

ファーウェイ、「Mate 60 Pro」正式発売~5G対応が焦点の一つ

 

■折り畳みスマホでも存在感
ファーウェイは折り畳みスマホ市場でも存在感を高めている。2023年は「Mate 60 Pro」に続いて折り畳みスマホの「Mate X5」を投入。2023年第3四半期の中国の折り畳みスマホ販売上位5機種のうちファーウェイが3機種(「Mate X3」、「Pocket S」、「Mate X5」)を占めた。

2024年も中国の折り畳みスマホ市場は拡大が見込まれ、IDCは2024年の中国の折り畳みスマホ出荷台数について、前年比53%増の1000万台に他すると予想。2027年までの年平均成長率は37.5%と見込んでいる。

中国の折り畳みスマホ市場の拡大が見込まれる中、ファーウェイはアップルとの差別化を図るうえでも引き続き折り畳みスマホの投入に力を入れるとみられている。

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