中国で消費行動に変化~「B1B2現象」 が話題に
中国の消費市場で「B1B2現象」が話題になっている。コロナ規制が撤廃され、消費も回復。だが、コロナ期間を経て人々の消費行動には変化が表れ、「B1B2現象」もその変化の一つとみられている。
■「B1B2現象」とは
新型コロナ流行から3年が経過。コロナ規制が撤廃され、最近はショッピングセンターに客足が戻ってきた。だが、消費者の動きに変化が出ている。その一つが、高級ブランドショップで客足が鈍る一方、地下1階、2階の店舗でにぎわいがみられる現象だ。フードコートや手頃な価格帯のショップが多い地下1階、2階で顧客が増えている現象が「B1B2現象」。モール側も客足の流れの変化を受け、地下1階、2階の店構えを改装したり、テナントのブランド戦略を見直したりするなどの対応に迫られている。
■コスパ重視の消費者増加
「B1B2現象」がなぜ起こっているのか。背景の一つとして挙げられるのが、コストパフォーマンス重視の消費者が増えていること。景気が減速する中、将来の収入への不安から出費を抑え、よりコスパ重視の消費方法を追求する消費者が増えている。また、国産ブランドの台頭も、消費者のコスパ重視の傾向に拍車を掛けている面があり、コスパ重視が「B1B2現象」につながっているとみる向きが少なくない。
今年に入ってから消費の話題に上がったのは屋台の串焼きなど。こうしたことからも消費の低価格化がみてとれる。
オフラインだけでなく、現在進行中の「ダブルイレブン」のオンライン・ショッピングセールでもコスパ重視の消費者を意識した動きがみられる。大手Eコマースのプラットフォームは、今年の「ダブルイレブン」で「最低価格」など安さを強調。低価格戦略で臨んでいる。
■大都市よりも地方都市で旺盛な消費
エリア別でも消費の変化が出ている。大都市よりも、三線都市や四線都市といった地方都市で消費が活発化しているのだ。スターバックスなど外資系飲食ブランドは三線都市、四線都市で出店を加速している。これは、景気回復が大都市に比べて地方都市のほうが鮮明なためとみられている。
将来への不安からの買い控え、国産ブランド台頭、地方都市での消費活発化など、従来とは異なる現象がみられる中国の消費市場。企業としては変化に迅速に対応する機動力が求められている。