ファーウェイがアバター・テクノロジーとスマートカーで包括的戦略提携~販売はファーウェイ店舗網も活用
華為技術(ファーウェイ)は6月25日、阿維塔科技(アバター・テクノロジー)とハイエンドスマートカー分野で包括的戦略提携することで合意した。複数の中国メディアによると、両社は次世代電気自動車技術プラットフォーム「CHN」を活用し、スマートカーを生産。2025年までに4車種を発売するとともに、最適なリソースの投入、ファーウェイの「Huawei Inside(HI)」の商標権付与など広範な範囲で協力する。また、販売ではファーウェイの店舗網の活用も予定しているという。
■アバター・テクノロジー、筆頭株主は長安汽車、第2位株主はCATL
アバター・テクノロジーの前身は長安汽車の新エネルギー自動車子会社・長安蔚来新能源汽車科技で、2021年5月に社名を現在のアバター・テクノロジーに変更した。22年3月に第1ラウンドの資金調達が完了し、登録資本金は2億8,800万元から11億7,200万元に拡大。出資比率は長安汽車が39.02%で、資金調達前と変わらず引き続き筆頭株主だが、CATLが第2位株主になり、出資比率は23.99%。CATLの曲涛氏をアバター・テクノロジーの取締役に新たに加えた。同時に、事業内容には、自動車生産、充電インフラ運営、ライフスタイル関連商品販売という3つの中核事業を加えた。
■アバター・テクノロジーのブランド「阿維塔(アバター)」、長安、CATL、ファーウェイが共同開発
アバター・テクノロジーの中核ブランドは阿維塔(アバター)。長安汽車が、CATL、ファーウェイと共同でつくり上げたハイエンド電気自動車のグローバル・ブランドという位置づけだ。
長安汽車はファーウェイのスマートカーのソリューションプラットフォームである「Huawei Inside、HI」の提携モデルを採用している自動車メーカー3社のうちの1社。長安汽車はファーウェイとの関係について先ごろ、「ファーウェイは製品のスマート運転、コックピット、応用システムの開発に深く関与し、「阿維塔」ブランドの共同創設を実現。長安汽車、CATLと共同でCHNプラットフォームを構築し、単なる供給関係ではない」と述べている。現在、ファーウェイのスマート運転研究開発チームのうち、千人余りが重慶に長期的に駐在し、「阿維塔」アビタのエンジニアと協力し、「阿維塔11」の共同開発に取り組んでいるという。
「阿維塔11」は、ファーウェイHIのフルスタック・スマートカーソリューションを標準搭載した初めての車種。スマートカーソリューションにはレーザーレーダー、ミリ波レーダー、超音波ライダーなどのレーザーシステム、アルゴリズムプラットフォームなどを含んでいる。
■ファーウェイHI搭載の「阿维塔011」、8月に発売予定
その「阿维塔11」とその限定モデル「阿维塔011」を、アバター・テクノロジーとファーウェイとの提携の調印式の6月25日にお披露目。8月8日に発売、年内に納車が実現する予定と明らかにした。
「阿维塔」ブランドの発表から1年足らずで、製品投入できたことについて、アバター・テクノロジーの董事長兼CEOの譚本宏氏は「このようなスピードと効率は、3社が共同で構築した次世代スマート電気自動車技術プラットフォームCHNが大きく貢献したところが大きい」と指摘。そのうえで、今回のファーウェイとの全面的な戦略提携については、「ファーウェイがアバター・テクノロジーの成長スピードを認め、CHNの提携モデル、技術プラットフォームに対する自信を強めた証左」とし、「今後は双方が一段と協力を深めることで、最も核心的な技術を中国人自身が掌握する決意を示したもの」と、中核技術の国内開発に意欲を示した。
■販路はファーウェイの店舗網を活用
「阿维塔」の販路についても、積極的に構築していく方向。自社+パートナーの多様な方式で販売ルートを構築し、年内に販売網を110都市までカバーする計画。第1陣の体験センターは第3四半期に正式にオープンする予定という。またファーウェイと共同で、ファーウェイの店舗での販売の準備も積極的に進めている。