香港の民主発展、長期的に利点
2021年12月19日、香港で立法会議員選挙が実施された。選挙後の同21日、中国政府は『「一国二制度」下の香港の民主発展の白書』を発表した。白書は、香港における民主主義の発展を全面的に回顧。民主発展のための「体系」がバランスの崩れていた状態から正常に戻る過程が示されている。
「体系」というのは、社会科学において客観的な対象を認識する重要な分析階層で視覚的なものである。ある社会学者の研究によると、「健全」な体系は、内部に対して整合力があることである。すなわち効果的に各要素を調整、統合することである。また、外部に対して適応力があること。すなわち外部の変化、刺激に合理的に反応しなければならないのである。さもなければ、体系の「バランスが崩れた」状態で、本来の機能を発揮できないという。
体系の「バランスが崩れる」と人は病気になり、機械は停止し、社会は混乱する。
香港に目を向けると、混乱を収めてきた古い歴史からは、英国が植民地支配の末期に「政治改革」を急速に推し進めたのは、「バランスを欠いた」体系をつくり上げて香港に遺風を残すためだったといえよう。
一時期、反中を掲げて香港を乱す活動が横行し、法制度の秩序に衝撃を与え、国家の安全に危害を加え、法治の根幹を破壊し、社会の憎悪を生み出した。また政府の運営を妨害し、経済、社会を攪乱し、内在する民主を歪曲し、民主の進展を阻害してきた。香港情勢は、2014年の違法な「セントラル占拠」、2016年の「旺角暴動」、2019年の「逃亡反条例改正をきっかけにした社会混乱」という厳しい局面を一時的に迎えた。
人が病気になれば治さなければならず、物が壊れれば修理しなければならず、社会が乱れれば管理しなければならない。「バランスが崩れた」体系は正常に戻す必要がある。
中央は情勢を見つつ時期を判断し、一連の措置を講じて問題を解決するとともに、問題の根源を払しょくしてきた。例えば、香港版国家安全法を制定、実施して民主発展のために基本的な保障、条件を提供。また、香港の公職者の選挙参加、就任、就任宣誓などのルールを明確にし、香港の選挙制度を改善した。
「一国二制度」の方針及び基本法に基づき、香港の政治、経済、社会、文化、歴史などの条件に合った香港の特色ある民主発展の道を模索し、「体系」は改善された。対内的には、完備された香港の選挙制度は「愛国者による香港統治」の原則を全面的に実施。代表的であること、政治に対する包容性があること、参画にあたりバランスがとれていること、公平な競争性を有すること、という特徴を有している。対外的には、国家安全保障の根幹を強固にし、数多くの「民主主義の神話」から守ることを可能にしている。
現在の香港は、様々な阻害要因が取り除かれ、法治、ビジネス環境がより改善された。これは、長期にわたって香港に圧し掛かっている各種の深層的な矛盾、問題の解決につながるであろう。(翻訳:香港ポスト)