王為鋼(ワン・ウェイガン) アート展『春の面影』を多元文化会館にて開催
中国でアーティスト活動をしている王為鋼(ワン・ウェイガン)氏。彼の作品は、写実的な絵でもなければ抽象画でもなく、彼自身の内なる世界を描き出すものである。彼は写実と抽象の表現手法の間で独自のバランスを見出している。東京の多元文化会館にて1日だけのアート展を開催した。
尊敬するご来賓の皆様、芸術界の皆様、そしてメディア関係者の皆様へ
皆様、こんにちは。
桜がほころび始める春の午後、本日ここ東京多文化会館にて、皆様とお会いし、「春の意象と生命の探求」抽象芸術個展の開幕を迎えられますことを、大変光栄に存じます。今、こうして皆様の前に立つ私は、感謝と畏敬の念に満ちています——浮世絵や「もののあはれ」の美学を育んできたこの土地に感謝し、私の作品が異文化の文脈の中で新たな命を吹き込まれる機会を得たことに感謝しています。そして、国境を超える芸術の力に畏敬の念を抱きながら、私たちを結びつける「生命の本質への永遠の探求」に心を寄せています。
まず、本展覧会の実現に多大なご尽力をいただいたお二方に、心より深く感謝申し上げます。
アジア太平洋観光社の劉莉生社長は、そのプラットフォームを通じて、この芸術対話のための文化の架け橋を築いてくださいました。
また、キュレーターである藍京華氏は、「解体と再構築」というキュレーションの理念をもとに、私の創作の流れを時空を超えた視覚的な詩編へと編み上げてくださいました。
お二方のご支援のおかげで、この春は東京だけのものではなく、心から芸術を感じるすべての観客のためのものとなりました。
本展覧会は「春」を媒介としながら、実際には自然の循環を通じて生命の永遠の命題を探る試みです。抽象的な筆致の中に、舞い落ちる桜の軌跡が時の暗号となり、芽吹く力が存在の宣言へと昇華されています。私は、東洋水墨のにじみと西洋の抽象表現主義との対話を試み、余白に言語を超えた哲学的思索を芽吹かせ、色彩の衝突の中に異文化が交わる生命の光を輝かせようとしました。この創作の営みこそ、現代芸術の領域における日中文化の美しき邂逅にほかなりません。
この多文化会館という特別な空間に立ちながら、私は茶道における「和敬清寂」の精神を思い出します。これは、抽象芸術が追い求める純粋性と深く響き合うものです。どうか皆様には、作品を鑑賞される際、しばし現実の束縛を解き放ち、心を自由に漂わせていただければと願っています。あるいは、色彩の斑の中に京都の朝靄を感じ、流れる線の中に長城の鼓動を見出すかもしれません——それこそが、芸術の持つ最も魅力的な魔法なのです。
最後に、本展覧会の実現にご尽力いただいたすべての方々に、改めて心より感謝申し上げます。特に、日本の芸術界の皆様の寛容さと支援により、一人の中国人芸術家の抽象的な表現が東京の地に根を下ろすことができました。願わくば、この「春の招待」が、私たちが共に生命の美を探求する新たな出発点となりますように。
ありがとうございました。

左から順に、全日本華僑華人社団聯合会 副理事長 高原龍一氏、アジア太平洋観光社 社長 劉莉生氏、画家 王為鋼氏、日中友好協会 常務理事 永田哲二氏。
全日本華僑華人社団聯合会 副理事長 高原龍一氏は「王为钢氏の抽象的な作品は、見る者それぞれに見え方が異なる。彼の抽象的なアートにとても感動している」と述べ、アジア太平洋観光社 社長 劉莉生氏は「彼は自分の作品の展示のため、自費で来日し、展示会を行うことに感銘を受けた。多元文化会館は民間の交流を大切にしている。今回の展示会はまさにそれであり、彼が来てくれたことをとても嬉しく、誇りに思う。彼の美しい作品を楽しんで欲しい」と述べた。

ひとつひとつの作品に対しての説明をする王為鋼氏。
彼は作品に対して、はっきりと意味を持たせてはいない。『見たもの』『思ったこと』『感じたこと』を彼の中に秘め、新たな世界を創造している。表現の効果を高めるために、形態・特徴・比率などを意図的に誇大または縮小する技法を取り、独自の表現へと昇華。強烈な視覚的インパクトを持ち、観る者の心に深く刻まれる表現力を誇っている。
今回のイベントでは、参加者は王為鋼氏の作品を丁寧に眺め、思ったことを感じたことを直接質問することができるような和やかな雰囲気であった。アートに興味を持つ日本人も訪れ、彼の作品をゆっくりと堪能することができる美しい時間が流れていた。

後ろの作品は、王为钢氏より、多元文化会館に収蔵・展示されたものだ。

一般社団法人世界華裔連盟 専務理事の溝尻賢司氏も個展に駆けつけた。

展示会ポスターには様々な人がサイン。
所属・役職
- 中国少数民族美術促進会 会員
- 中国油画創作研究院 研究員
- 写生中国 終身名誉委員
- 写生中国現代芸術学会 会長
- 重慶市美術家協会 会員
- 重慶市油画学会 会員
- 中国抽象芸術連盟 重慶分部 主席
- 中国芸術・国際当代芸術委員会 常務主席
- 四川汶川大禹書院 名誉院長
- 華夏意象思潮連盟 副主席
- 北京市通州油画学会 理事
- 重慶市三峡油画院 専業画家
- 舞台美術デザイナー
学歴
- 1988年 北京経済函授学院 広告専攻 卒業
- 2016年 『中国油画』第11回風景油画研修クラス 修了
作品掲載・展覧会・受賞歴
2016年
- 《劉公島蒸気房》が『中国油画』2016年11月号に掲載
2017年
- 《紅土》がマレーシア「第一空間美術館」にて展示され、同美術館に収蔵
- 《艾坪小景》が重慶市美術館「小幅油作品展」にて展示・収蔵
- 《中山古鎮》が「写生中国全国美展」に出展、四川出版社の作品集に掲載
2018年
- 《松溉古鎮》が「中国写生会全国展」に出展、杭州にて展示
- 《暖陽》が「绘聚蓉城全国写生作品展」に出展、成都にて展示
- 《午後の陽光》が「重慶市改革開放40周年記念作品展」に出展
2019年
- 《色韵》が「新中国成立70周年記念・芸術村全国美術作品招待展」にて海南省美術館に展示
- 《豊盛古鎮》が中国油画創作研究院に収蔵
2023年
- 《記意》が「第5回国際ネットワーク抽象展」にて銀賞受賞
- 《智能终极》が「第1回量子芸術国際ネットワーク抽象展」にて銅賞受賞
- 《困惑》が「中国芸術写生作品展」にて1等賞受賞
- 《陪都—重慶》が「世界中国先鋒画会」にて銀賞受賞
- 11月、「北京宋庄第2回世界華人華僑書画展」に出展(北京)
- 《無題》が「中国芸術プラットフォーム・国際油画芸術秋季展評選」にて特等賞受賞
- 《中華脊梁—太行山》が「第1回中国郷村書画大賽」にて優秀賞受賞(江蘇靖江にて展示・収蔵)
2024年
- 「写生中国抽象芸術ネットワーク四人展」に参加
- 《無題》が「第1回春の歌・当代名家ネットワーク展」にて金賞受賞
- 《暖灰》が「重慶采風意象作品展」に出展