ファーウェイ、三つ折りスマホ発表~ハイエンドの折り畳みスマホ投入で優位性固め

ファーウェイは9月10日、三つに折りたためる新型のスマートフォンを発表した。価格はファーウェイのスマホとして過去最高で、ハイエンド機種に位置づけられる。全体としては飽和に近づいている中国のスマホ市場だが、折りたたみスマホに限ると、販売は引き続き大幅に伸長している。その折たたみスマホの中でも、従来の縦折り、横折り型ではなく、Z字型に折りたためる三つ折りスマホを投入。斬新なアイディアと技術力で話題性を集めるとともに、中国のスマホ市場での優位性を一段と強化したい考え。

■世界初の三つ折りスマホ
9月10日、アップルが最新機種iPhone 16を発表したわずか数時間後、ファーウェイは世界初の三つ折りスマホ「Mate XT」を発表した。発売日はアップルの新型iPhoneと同じ9月20日。発売に先駆けて、9月7日から先行予約を受け付け、9月10日時点での予約数は400万件を超えた。

400万件というのは、2023年の世界の折りたたみスマホの出荷台数の約25%に相当。2024年上半期の中国の折りたたみスマホの出荷量に近い水準で、大量の予約注文を受け付けている。

 

■成長性見据えハイエンド折りたたみスマホ市場に参入
飽和状態に近い中国のスマホ市場。買い替えや新規の需要喚起が必要となる中、ファーウェイは依然として成長余地が残っている折りたたみスマホ、その中でも超ハイエンドの市場に食い込んだ格好だ。

中国のスマホ市場でファーウェイは折りたたみスマホでは出荷台数がトップだが、全体のスマホ出荷台数では2位にとどまっている。実際、調査会社IDCによると、2024年第2四半期、中国の折りたたみスマホの出荷台数は前年同期比104.6%増の257万台で、うち、ファーウェイは41.7%のシェアを握り、首位に立っている。しかし、スマホ市場全体の2024年第1四半期のシェアトップは栄耀(HONOR)で17.1%。次いでファーウェイが17.0%。僅差ながらHONORの後塵を拝している。同第2四半期のシェアトップはvivoで18.5%。ファーウェイは18.1%で、第1四半期と同じ2位だった。

だが、成長性という観点からみると、折りたたみスマホの伸びしろは残っている。CINNOリサーチによると、2024年上半期の中国の折りたたみスマホの普及率は3.6%。依然として低い水準だが、前年同期の1.7%からは大幅に拡大している。

こうした中、ファーウェイはこのところ、折りたたみスマホの投入を加速している。2024年に入ってからは2月に小型の折りたたみスマホ「Poket 2」を、8月には小型で縦折り型の「nova Flip」をそれぞれ発売した。そして9月、世界初となる三つ折りスマホ「Mate XT」を発売。価格は1万9,999元からで、ファーウェイのスマホとしては過去最高水準。ミドルエンド製品からハイエンド製品へと折り畳みスマホのカバー範囲を広げている。

米国からの制裁を跳ね除け、昨年はスマホ事業の復活が鮮明化したファーウェイ。胡錦濤輪番会長は今年新年の挨拶で、「2024年はすべての事業部門が価値創造に集中する」と表明。「中でも端末事業は、王者となる製品の創造、ハイエンドブランドの構築に引き続き注力する」と、ハイエンド製品に注力する点を強調している。

三つ折りスマホのカギとなるのはヒンジとスクリーン。この部分の技術を解決し、今回投入した「Mate XT」。世界発の三つ折りスマホがファーウェイにとって中国のスマホ市場での地位を一段と固める目玉となるのか、注目される。

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