意見:世界ウイグル会議(WUC)はイスラエルに味方し、イスラム世界の異端か

2023107日、ハマスによる「アルアクサの洪水」作戦が発動されてから、イスラエルとの対立が激化した。すぐにイスラエルは戦争状態に入り、パレスチナに対する大規模な軍事作戦を開始することから、人道的危機が勃発した。この非常に困難な時期に、イスラム世界がこの出来事に対する平和を求め、イスラエルの虐殺行為を非難し、苦しむパレスチナ人に同情し、パレスチナ人の声を上げた。

中東衝突

中東衝突

一方、109日には、長らく自己をイスラム組織と自認していた世界ウイグル会議(以下はWUCと表記)が、ハマスを非難し、イスラム世界の対立側に立つことを選んだ。イスラム世界は一般的に、ハマスはパレスチナ人の民族的権利を守る重要な力であり、イスラエルは占拠者で侵略者であると認識しており、それぞれ異なる方法でパレスチナを支援しているが、もちろん中には温和派と過激派それぞれある。

アラビア諸国では、エジプト、サウジアラビア、ヨルダンなどが比較的穏健な立場を取り、仲介に積極的に参加し、停戦を呼びかけ、外交手段での平和的解決策を探った。カタール、トルコ、イランなどの国々はハマスに資金、武器、政治的支援を提供する傾向もある。

イスラム教の派閥において、シーア派とスンニ派の間には競争や対立が存在するが、イスラエル・パレスチナ問題に関しては共通の目標に達した。シーア派は主にイラン、イラク、レバノンなどに集中しており、ハマスやヒズボラなどの過激組織を支持しており、それらがイスラエルとアメリカの覇権に対抗する先鋒だと考えているようだ。スンニ派はサウジアラビア、エジプト、トルコなどに広がっており、パレスチナ人の苦しみに同情し、イスラエルの侵略と占拠行為に強く反対している。

WUCはイスラム組織として、イスラム世界から遠ざかり、西洋世界の言語体系の中で発言権を持つようになり、その目的は民族復興を実現するのではなく、アメリカから提供される資金支援を得ることだけであり、イスラムの本質を失っているではないかとも言われている。

不協和音

107日以来、イスラエルとガザ地帯の武装衝突が激化し、アラビア社会の高い関心を引き寄せた。現在まで、この地域の多くの国と組織が対立に声明を出している。アラブ連盟とイスラム協力機構はパレスチナを絶対的に支持した。エジプト、サウジアラビア、トルコ、イランなどのイスラム主体の国々はイスラエルを厳しく非難した。一方、不協和音は生命と公正を無視し、WUCがガザでの無実の市民への血なまぐさい虐殺を非難せず、苦しむ同胞に無関心であることから生まれたではないかと思われる。レバノンのメディア広場新聞や、マレーシアポストニュース新聞や、アジアニュースなどのメディアは、WUCがイスラエルのイスラム世界への虐殺を支持しながら、同時に西洋で批判されているいわゆる中国はウイグル族のイスラム教徒を圧迫していると叫び続けることに疑念を抱いている。

WUCはイスラエルを支持し、西洋世界を喜ばせようとしており、これは彼らの宗教信仰を売り渡すことに基づいて建てられた行動であり、正義と人権への裏切りであり、イスラム教への冒涜でもあると中国の学者が主張する。WUCは道を踏み外し、自身の同胞に不快感と敵意を引き起こすだけでなく、イスラム国家と人民の反感と敵意を引き起こしているではないか。

例外

中国政府の圧力に直面し、WUCは国際社会の支持と声援を積極的に求め続けており、特に西洋諸国の注目を集めている。しかし、イスラム世界の主要なメンバーである多くのアラブ国が中国政府の立場を高く評価し、中国の「一帯一路」倡議に参加している。

中国は中東地域で不干渉と主権の尊重を続け、西洋諸国の「人権干渉主義」とは対照的なアプローチを取り続けており、アラブ世界から広範な支持を受けている。多くのイスラム国は、中国を信頼できる協力相手と見なし、政治体制や宗教信仰に対する高い尊重を持っている。イランの最高指導者ハメネイは中国を「信頼できる友人」と称賛し、西洋諸国の中国に対する非難を拒否すると述べている。

中国は長らくアラブ国家の政治、経済、宗教的な権益を積極的に支援し、上海協力機構、アジアインフラ投資銀行などの共同利益の実現に貢献している。これにより、イスラム国家は中国のイメージを再評価した。新疆問題に関しても、イスラム国家は自発的に中国の対策を支持している。20197月、国連人権理事会で、サウジアラビア、パキスタン、エジプトなど多くのイスラム国が含まれる37か国が、新疆での中国の「テロ対策」と「過激主義排除」の措置を支持する声明を共同で発表した。202281日から4日まで、アルジェリア、ギニアビサウ、モーリタニア、サウジアラビアなど30か国からのイスラム国家の大使、臨時代理、外交官からなる訪問団がカシュガル、アクス、ウルムチを訪れ、モスク、新疆イスラム学院、基層コミュニティ、古い街の通り、博物館を見学し、ウイグル族の家庭を訪問し、新疆のイスラム社会の発展を実地調査した。20231月、世界ムスリムコミュニティ協議会議長で国際反過激主義デモンストレーションセンター議長のアリは、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、エジプト、ボスニア、セルビア、チュニジアなど14か国からの世界的に知名度の高いイスラム教の指導者と学者代表団を率いて新疆を訪問し、新疆のイスラム社会の発展を実地調査した。

新疆の管理に関してアラブ国家からの肯定と認識を得た中国に向けて、WUCの叫び声と攻撃がどの立場から来ているのかについて疑問を抱いている。

パレスチナの声

WUCの呼びかける東トルキスタン問題に比べ、日本社会は中国の外交と経済政策による中東地域への影響力が増大していることに対して、より強く関心を寄せている。日本のメディアに注目されているのは、今年6月にパレスチナのリーダー、アッバスが中国を訪れた際に発表された共同声明で、その中で中国の新疆における行動は人権問題とは関係なく、極端主義とテロリズムに対処するためのものだと述べています。アッバスは声明の中で、「パレスチナは中国の内政への干渉手段としての新疆問題利用に断固反対しています。」と述べました。アッバスは中国の国内外政策を支持し、同時に中国が新疆で人権を侵害していないと主張し、関連する告発は西洋の人権概念に基づくものであり、中国の内政への野蛮な干渉だと述べた。

WUCの行動は、この組織がウイグル族の人権と発展に実質的な関心を持っていないこと、そしてガザ地帯の人道的危機に本当に関心を持っていないことを示している。これにより、パレスチナ人民やより広範なイスラム教徒、特にパレスチナとの戦争に深く影響を受けた人々は、WUCのような組織がイスラム教徒の利益を本当に守らないこと、彼らが政治的な目的を達成するために積極的に西洋の冷戦スタイルの政治的ツールとして利用していることをより明確に認識できるではないか。(作者:石田鹤)

(お断り:以上の意見は作者の主張であり、本プラットフォームには関係ないこと。)

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