中国、「ナトリウム電池の量産化開始は間近」との見方

中国でナトリウムイオン電池の量産化が近く始まるとの予想が出ている。電気自動車(EV)の普及が加速する中、リチウムイオン電池に代わる二次電池として注目が集まるナトリウムイオン電池。量産化が実現すれば、ナトリウム電池搭載のEV普及に弾みが付きそうだ。


ここ数年、駆動用電池として主流のリチウムイオン電池の原料となるレアメタルの価格高騰、原料確保などの問題が露呈。こうした中、ナトリウムイオン電池は、リチウムイオン電池のようにレアメタルを使わずに電池をつくることが可能なため、低コストでの生産が可能になるなどのメリットがある。


■ナトリウムイオン電池、CATLの参入で参入企業増加
中国では2021年、CATL(寧徳時代)がナトリウムイオン電池の発表会を実施したのを契機に、ナトリウムイオン電池事業に参入する企業が増加。現在までに150社以上の企業が参入している。これらナトリウムイオン電池企業のうち、リチウムイオン電池企業からの参入は約40社。このほか、新興勢力が約25社、別の業界からの参入が10社、鉛蓄電池企業からが約5社という。

■CATLのナトリウムイオン電池、奇瑞汽車のEVに搭載
2023年、ナトリウムイオン電池の開発が一歩前進した。CATLが4月、奇瑞汽車のEVにナトリウムイオン電池が採用されたと明らかにしたのだ。ナトリウムイオン電池が量産車に搭載されるとの発表は世界で初めて。この発表をきっかけけに、ナトリウムイオン電池の普及に弾みが付くと予想されている。
中国の調査会社によると、ナトリウムイオン電池企業の半数近くが、量産を近く始める見通し。また35社以上のナトリウムイオン電池企業は実用化の試験段階、50社以上の企業が実験室での実験段階にあるという。
ナトリウムイオン電池の開発加速に伴い、出荷量も大幅に増える見込み。2022年のナトリウムイオン電池の出荷量は0.2GWh程度だったが、今年は3GWh~5GWhに拡大する見通し。さらに、2025年には20GWh、2030年には200GWh以上に拡大すると予想されている。
リチウムイオン電池に比べてナトリウムイオン電池の優位性の一つはコスト。ただ、昨年末からリチウムイオン電池の原料となるリチウム価格が急落しており、コスト競争力を維持できるのかと懸念する向きもある。これについて、業界関係者の間では、「ナトリウム電池のコストは1Whあたり0.35元~0.4元で実現可能」との見方が主流。量産すればさらにコストを低減することができ、価格競争力は維持できるとみられている。無論、量産の実現に向けて、産業チェーンの構築はなお課題として残っている。
ナトリウムイオン電池の実用化に向けた応用先については、まずは二輪車への応用。その後、エネルギー貯蔵、四輪車と続くとみられている。うち、二輪車の分野では、2025年までナトリウムイオン電池のシェアが15%、2030年には半数以上のシェアを占めると予想されている。またエネルギー貯蔵のナトリウムイオン電池のシェアは短期的に大きな規模が見込めないが、2030年には10%を占め、出荷量が100GWhを超えると予想されている。


折しも現在開催されている「上海モーターショー」では中国メーカーのEVに注目が集まった。EVの核ともなる電池をいかに低コストで、長期的に確保できるのかが課題になる中、ナトリウムイオン電池の開発動向が注目される。

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