BYD、上期の純利益は3倍~バフェット氏は保有株売却に動く

中国の自動車メーカー・比亜迪(BYD)が8月29日に発表した2022年1~6月期決算は売上高が前年同期比65.7%増の1,506億7万元、純利益が同206.35%増の35億9,500万元と、大幅な増益を達成した。新エネルギー車(NEV)の販売好調により自動車事業が好調だった。好決算を発表したBYDだが、8月31日付の香港メディアによると、著名投資家のウォーレン・バフェット氏がBYDの保有株の一部を売却したことが明らかになった。

■自動車事業の売上構成比は大幅に拡大

業績を事業別にみると、自動車・自動車関連製品事業の売上高は130.31%増の1,092億6,700万元に増加。売上構成比は前年同期の52.2%から72.55%へと大幅に拡大した。

1~6月期のBYDのNEV累計販売台数は314.9%増の64万台超。うち、DMプラグイン・ハイブリッドモデルが454.22%増の約31万5,000台を占めた。また、「漢」シリーズの累計販売台数は25万台を超え、中国ブランドのモデルとしては初めて平均価格、販売台数ともに「25万」を突破した。

販売増を受け、BYDの中国のNEV市場でのシェアも拡大。中国汽車工業協会によると、上半期のBYDのシェアは24.7%で、2021年に比べて7.5ポイント上昇した。

BYDの年間販売台数については、200万台に達するとの予想が出ている。

■携帯電話事業は低迷も今後は多角化推進

自動車事業が好調だった半面、携帯電話部品・組立・その他製品事業は低迷。同事業の売上高は前年同期比4.78%減の410億7,000万元。売上構成比は前年同期の47.46%から27.27%に低下した。

携帯電話事業の落ち込みについて、BYDは「上半期のサプライチェーンの停滞や物流の制限による携帯電話業界に与える影響が予想を超えた」と指摘。同時に、「消費需要も景気の下振れによって抑制され、世界のスマートフォン出荷台数が減少している」と説明した。

低迷する携帯電話事業だが、今後は研究開発の強化を通じて製品の多角化を進める考え。実際、1~6月期は、新プロジェクトの研究開発に力を入れ、研究開発費は前年同期比46.63%増の64億7,000万元に膨らんでいる。

現在、BYDの製品は、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、パソコン、モノのインターネット(IoT)、スマートホーム、ゲームのハード機器、ロボット、ドローン、NEV用自動車スマートシステム、医療・健康設備などに及んでいるが、研究開発の強化により、より製品の多角化を進め、事業基盤を強化する考えだ。

■バフェット氏が保有株売却

好決算を発表したBYDだが、冒頭で触れた通り、ウォーレン・バフェット氏がBYDの株式を一部売却したことが明らかになった。

バフェット氏は傘下の投資会社バークシャー・ハザウェイを通じて2008年にBYD株を購入。当時のBYDの株価は8香港ドルだった。香港取引所の開示情報によると、バークシャー・ハザウェイは先週、1株当たり平均277.1香港ドルで133万1,000株を売却。売却により保有株比率は20.04%から19.92%に低下している。今回のバフェット氏のBYD株売却は今後も続く可能性があるとみられており、BYDの今後の株価の動向については、「当面は上値が抑えられる」との見方

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