重慶市や四川省で電力不足深刻化~重慶はショッピングモール5時間営業に

中国では重慶市や四川省、上海市などで記録的な暑さなどを背景に電力不足が続いている。中でも重慶市は電力供給制限が工業分野だけでなく、ショッピングモールなどの商業分野にも広がっている。こうした中、電力供給制限が経済活動に与える影響が注視されている。

■重慶はショッピングモール時短営業、四川は公共施設で電力供給制限

国網重慶市電力公司のデータによると、現在、重慶の電力網の最大負荷は過去最高を記録。特にエアコンによる電力需要が急拡大しているという。

こうした中、重慶市では産業用電力制限の期限を延長したのに続き、8月22日、ショッピングモールでの電力制限を発表。「最近の猛暑に加え、突発的な山火事の影響で電力供給は逼迫している」とし、「電力の安全で秩序ある供給を確保し、生活上の基本的な需要を保障するため、ショッピングモールの営業時間短縮を決定した」と説明している。ショッピングモールの営業時間は毎日午後4時から午後9時まで。営業時間短縮の期限は、天候などの状況を鑑みて改めて決定するという。また、重慶市の渝中区など複数のエリアでは午後8時以降のイルミネーションも取りやめている。

四川省も電力供給が厳しい状況にある。同省では、党・政府機関、事業単位は省エネ・節電を実施し、省の図書館、美術館、博物館などの施設は閉館し、対外開放を一時停止している。成都市当局によると、同市では計2,344カ所の景観照明、956カ所の屋外広告照明を消している。

■国家エネルギー局、電力供給確保へ省を跨いだ相互支援を要請

人民日報によると、国家エネルギー局は華東、華中、華北などの重点地域の電力供給保障に関する緊急会議を開催。省や区を跨ぐ電力の相互支援を強化するよう要求した。また、電力需要側の管理、秩序ある電力使用プランを最適化し、民生・公共などの重点分野の電力使用を確保するよう訴えた。

■経済への影響を注視

電力制限により懸念されるのが経済への影響だ。電力供給制限による中国の工業生産への影響については、中国全体への影響は限定的な可能性があるが、一部の産業には大きな影響を与えるとみられている。例えば、金属シリコンは四川省が全国の生産量の10%近くを占めており、こうした四川省などの電力不足が深刻なエリアの主要産業には影響が大きくなる可能性がある。

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