中国人民解放軍、砂漠にミサイル標的用の模型を増やす、対空母攻撃能力など高める狙い?

中国人民解放軍がの新疆ウイグル自治区タクラマカン砂漠に実物大のミサイル標的用の模型を増やしていると米誌「ニューズウィーク」が報じた。台湾問題や南シナ海問題をめぐって米国との緊張が一段と高まる中、対空母攻撃能力などを高めることが狙いとみられている。

人民解放軍がタクラマカン砂漠に米空母の精巧なレプリカを建造したことは、衛星画像で以前から認識されていた。ロイター通信は昨年11月、米海軍の空母や少なくとも2隻のアーレイ・バーク級誘導ミサイル駆逐艦の形をした実物大模型が作成されていると伝えていた。

ニューズウィークは非営利組織「アメリカ海軍協会」(U.S.Naval Institute)が発行するUSNIニュースン記事を引用。「2021年末には空母の約13キロ南西に実物大の桟橋と駆逐艦のような船の標的が確認されていたが、新たな画像ではこれらは消え去っている。22年2月の実験で、駆逐艦の模型にミサイルが命中し、標的はすぐに解体された」と紹介した。

新しい標的はオールソース・アナリシス(All-Source Analysis)によって発見された。空母の標的に関する調査の一環として、マクサー・テクノロジーズの高解像度衛星画像から詳細が明らかになった。

さらに防衛アナリストのダミアン・サイモンズ氏によって、約300キロ南西にある海軍基地を模した標的も発見された。駆逐艦の標的と同様、この標的にも桟橋があり、複数の船が停泊するレイアウトになっている。USNIニュースは「これらの標的の性質、場所、攻撃されたという事実は弾道ミサイルの実験が行われていることを示唆している」と付け加えている。

サイモンズ氏は「精密に標的を攻撃する技術が確立されている兆候がある」とも指摘。「標的のレイアウトはとても計算されている。複数の標的において方向、形状、大きさに一貫性がある。無計画な部分が全く見当たらない」「これらの標的は地面に金属板を敷き詰めたような形をしている。桟橋や建物とは異なる素材だ。熱やレーダーの反射に違いがあるのかもしれないが、これもまた、実験の背後にある複雑なシステムと努力を示唆している」と話した。

中国は幾つかの対艦弾道ミサイルを開発中とされる。新たに公開された動画では、人民解放軍のH-6N爆撃機が機体の底部に正体不明の強力そうな空中発射対艦弾道ミサイルを搭載していた。中国には陸上から発射する対艦弾道ミサイル「DF-21D」や「DF-26」があるが、最近これに加えて駆逐艦から超音速対艦弾道ミサイル「YJ-21」を試射し、その動画が話題をさらった。複数の報告によればYJ-21は、DF-21DやDF-26よりも大きな脅威だという。(編集/日向)

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