『東西文明比較互鑑』出版3周年記念 東西文明対話学術シンポジウム in 東京を開催
~東西文明の対話と共生を巡る国際的知的交流の場に、日中の識者30名が集結~
本イベントは、一般財団法人日本アジア共同体文化協力機構、アジア太平洋観光社の共催により開催され、日本華僑華人聯合総会、全日本華僑華人連合総会、周恩来平和研究所の協力を得て実現しました。当日は、日中友好会館中国側代表の黄星原氏、一般社団法人中国研究所会長の田中哲二氏をはじめ、日中の識者や文化関係者など約30名が出席しました。
シンポジウムの内容 ■ 開会挨拶
冒頭では、元駐中国大使・日中友好会館会長の宮本雄二氏が登壇し、「東西文明対話の重要性」について語り、共催団体を代表して開会の挨拶を行いました。
『東西文明比較互鑑 秦―南北朝時代編』は中国の学者兼政治家潘岳(現 国家民族委員会主任)が三年前に日本で出版された力著で、 戦国時代とギリシャ、秦漢とローマ、中国の五胡侵入と欧州の蛮族侵入という三つの切り口を掘り下げ、中国と欧州が代表する東西文明の本質に迫り、核となる価値観に切り込んで比較し、共通点と相違点を分かりやすく解説しながら中華民族共同体意識の成り立ちや東西文明の対話は今の世界紛争の解決へ向けたヒントを与えると日中を含む世界から多くの学者が評価されている。
■ 第一部:講演セッション
テーマ:「日中学者による東西文明対話――現代の世界に東洋文明はどういう貢献ができるか」
司会:王敏氏(法政大学名誉教授・日本アジア共同体文化協力機構参与)
登壇者は以下の通りです:
宮本雄二氏(前述)
陶徳民氏(関西大学名誉教授・東洋文庫研究員)
小倉和夫氏(元駐フランス大使・青山学院大学特別招聘教授)
婁暁琪氏(首都文明プロジェクト基金会執行会長・『文明』雑誌社長/中国より来日)
登壇者は、「現代世界における東西文明の共生」「文明間対話の歴史的知恵」「アジアにおける連帯の可能性」「中国文明観とは何か」など多彩なテーマで見解を述べました。
■ 第二部:パネルディスカッション
司会:朱建栄氏(東洋学園大学客員教授)
第一部の登壇者に加え、司会の王敏氏も交えて、自由討論と質疑応答が行われました。活発な議論の中で、文明の共通点やグローバル課題への共同対応など、多角的な視点から意見交換がなされました。
シンポジウム開催の背景と意義
本シンポジウムは、潘岳氏による著作『東西文明比較互鑑』の日本語版がアジア太平洋観光社より2021年12月に出版されたことを契機とし、国際的な注目と深い議論を巻き起こす中で実施されました。
■ 国際社会における文脈
ウクライナ戦争や地政学的対立により、文明間の対話の必要性が増大。
中国・インドなどアジア諸国の台頭を受け、東洋文明の再評価が進行。
日本は、東洋哲学と西洋的価値観の融合を遂げた社会として、東西の「橋渡し役」を果たす立場にある。
文明の衝突が懸念される今、東西文明対話は「人類運命共同体」の構築に向けた鍵であり、AIやSDGsといったグローバル課題に対する共同の知的アプローチが求められています。
今後の展望と期待される成果
本シンポジウムを通じて、以下の成果が期待されます:
日本社会における「多元一体・共生文明」理念の理解促進と認知拡大
東西文明対話のさらなる深化と学術研究の推進
『東西文明比較互鑑』の社会的認知度と学術的影響力の向上






