横店影視城:「映画・ドラマ文化+〇〇」で没入体験の世界へ
世界最大規模の撮影地「横店影視城」
横店影視城は世界最大規模の撮影基地であり「中国のハリウッド」と呼ばれ、国内の映画・ドラマのほとんどがここで撮影されている。またここは映画・ドラマの世界への没入体験を楽しめる巨大リゾート地でもある。
映画・ドラマをより身近に感じさせる観光体験

ショートドラマの撮影現場
中国全体の文化・観光産業の転換とアップグレードに直面して、横店影視城は「映画・ドラマ文化+」を戦略として定めている。映画・ドラマ文化と多様な娯楽レジャー業態の融合を推進して文化と観光の大消費システムを構築した。
文化と観光の融合を積極的に模索した上で、横店影視城は「映画・ドラマ文化+グルメ」、「映画・ドラマ文化+娯楽」、「映画・ドラマ文化+ショートムービー」など新たな観光形態を積極的に打ち出し、全面的な没入型の消費スタイルを作り出した。
横店影視城は各エリアのソフト商品を絶えずアップグレードし、観光客は建物や公演を見るだけでなく、遊ぶこともできるように工夫されている。
例えば、俳優を体験したい場合は、無料でエキストラ体験に申し込むことができる。20人余りの俳優と一緒に衣装に着替えて髪型を整え、芝居に参加できる。また、後宮でのし上がる体験をすることもできる。自ら「宮女」から一歩ずつ「皇妃」に昇進し、「宮廷の闘争劇」のキャラクターに変身 ……。 映画・ドラマ撮影の各段階で物語に入り込み、撮影技術を体験することができ、撮影の背後の物語を繙くことができる。
また、横店影視城はパレード式の沒入型ショーも推し進めており、観客は名作映画・ドラマの物語を至近距離で感じることができる。観光客は観客であると同時に俳優にもなれる。このような没入体験は、横店影視城の各エリアで徐々に広がっている。
また中国では近年、1話十数分のショートドラマが急成長しているが、横店影視城では昨年1年間で1000本以上のショートドラマが撮影されている。これらのショートドラマはアプリで配信されるもので、1話1~2分、100話でひとつのドラマとなり、映画1本分の長さに相当する。7日ほどで撮影を終え、準備やポストプロダクションを加えて2ヶ月で配信される。
目下、横店影視城の華夏文化パークでは毎日ショートドラマの5、6チームが撮影をしており、横店影視城は様々な利便性を提供している。パソコンが「横スクリーン」で見るのに対してスマホでは「縦スクリーン」で見るため、しばしば「縦型」と「横型」などと表現されるが、今の横店は「縦」店になったという人もいる。
常に革新を続ける

水舞ショー「ブロードウェイ」
そして横店影視城のホテルは、テーマ性のあるものへ変貌を遂げている。観光客はただ食事と宿泊をするだけでなく、遊ぶこともできる。「広州街・香港街」は横店影視城の始まりの地であり、転換とアップグレードの起点でもある。エリア内の空き部屋を十分に活用し、映画・ドラマをテーマにしたホテルが開発されている。
泊まって「ドラマ体験」をするだけでなく、さらに遊んで「ドラマ体験」をする。ホテルは横店影視城で撮影を体験したい観光客のために「モンタージュ映画ツアー」を作った。俳優のキャスティングオーディションからクランクイン、現場撮影、クランクアップ、授賞式まで、観光客に全面的な体験を提供している。幸運な観光客はスター気分を味わうこともでき、発売されるやすぐに大人気となった。
横店影視城は、こういった文化的な創意工夫だけでなく、ハイテク視聴技術を使った公演プログラムも打ち出している。例えば水舞ショー「ブロードウェイ」や球幕映画館の「帝国江山」、カプセルスクリーン番組「生死救助」などである。
これらの取り組みは映画·ドラマと観光の無限の可能性を探るものである。これからも横店影視城は新しい技術、革新的アイデア、新たな表現によって映画·ドラマ文化をより身近に感じさせる試みを続けていくだろう。
和華 第42号『華流に沼落ち。』より抜粋