中国、1~2月の経済指標は市場予想を上回るも3月の見通しは慎重
中国の1~2月の経済指標は市場予想を上回る結果が示された。特に、工業生産、投資の伸びが高く、内需牽引の経済成長が確認された。ただ、3月以降は国内で新型コロナウイルスの感染が拡大しているほか、地政学リスクの高まりなどで3月の経済指標は成長率が鈍化するとみられている。
国家統計局が3月15日に発表した1~2月の経済指標をみると、一定規模以上の工業生産高(付加価値ベース)は前年同期比7.5%増、固定資産投資は同12.2%増で、伸び率はともに市場予想(工業生産高4.0%増、固定資産投資5.0%増)を上回り、昨年6月以来の高い伸びを記録した。社会消費財小売総額は同6.7%増。こちらも市場予想(3.0%増)を大きく上回り、昨年7月以来の伸びを示した。
税関総署が先に発表した1~2月の米ドル建て換算の輸出は同16.3%増と、市場予想を上回っている。
統計局報道官は、足元の動向について「安定成長を目指す政策の下、工業生産、投資、消費の伸びが加速し、雇用、物価も総じて安定している」と指摘。「経済運営は合理的な範囲内で、今年1~3月期の堅調な出だしの基礎を固める格好となった」との見解を示した。
ただ、足元のコロナ感染拡大については、「消費を抑えるなど当地の経済回復に一定のマイナス影響をもたらす」と指摘。地政学リスクに関連しては、国内の輸入型インフレの圧力になると同時に企業コストの上昇につながり、特に零細企業の経営環境は比較的厳しいとの見方を示した。
今後については、各地のコロナ感染の状況が不透明で、経済への影響を見極める必要があると指摘。今年の国内総生産(GDP)5.5%前後の成長との目標達成には努力する必要があるとの見解を示している。