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中国、地方政府が相次ぎ景気対策~消費券配布や海外で受注活動

12月に入り、中国の地方政府が相次い景気の安定化に向けた対策を打ち出している。今年は新型コロナウイルス感染防止策の強化で景気減速を余儀なくされてきたが、コロナ規制の緩和に伴い景気回復への対策が急務となっている。こうした中、消費促進や対外貿易の安定化に向けて地方政府が動き出した。

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中国当局、景気安定化へ新型インフラ建設投資加速~外部環境不透明で内需拡大がカギ

中国当局が景気下支え策としてインフラ投資を拡大する方針を示している。中でもデジタル経済を支えるための新型インフラ建設投資を加速する方針だ。外部環境が不透明な中で中国当局が外需をコントロールするのが難しい中、内需拡大が景気安定化の重要な手段とされている。 ■国家発展改革委員会、新型インフラ投資への社会資本の参画を促進 新型インフラは、従来の鉄道や空港、港湾などの交通インフラ整備を主力とするインフラと異なり、デジタル経済を支えるためのインフラで、5G、超高圧(UHV)送電、都市間高速鉄道、ビッグデータセンター、人口知能(AI)などの分野を含む。新型インフラは、社会全体のデジタルフォーメーションへの転換を通じた経済・産業の高度化を促すと同時に、内需拡大を促進する側面もある。 景気の下押し圧力が強まる足元では、中国政府は景気下支え策の一環として、新型インフラ整備の加速を強調しており、今後、新型インフラ建設への投資誘導を強化する方針。国家発展改革委員会は9月26日の記者会見で、中長期融資や専項債(地方債の一種で収益性のあるプロジェクトの資金調達用)などの手段を有効に活用し、新型インフラ建設への資金支援を強化すると同時に、社会資本が積極的に投資参画できるよう誘導するとの方針を表明。特に、新型インフラ建設は、実体経済を牽引する役割が大きいだけに優先的に支援するとの見解を示した。 また、重大科学技術インフラ建設などの建設計画を着実に実行。同時に、中西部地域や中小都市のインフラ整備を加速するとともに、5Gや人工知能(AI)、ビッグデータなどの新技術が国民生活に密接に関連する民生インフラ施設に応用できるようサポートを強化する方針を明示している。 国家統計局によると、8月のインフラ投資は前年同月比14.2%増で、伸び率は7月を5.1ポイント上回った。1~8月の累計では前年同期比8.3%増。4カ月続けてのプラス成長となっている。 ■官制メディア、「内需拡大が優先事項」 国営メディアでも景気下支えのための内需拡大の必要性を強調している。新華社傘下の経済参考報は、地方経済の安定こそが、国の景気の下支えに重要であることを主旨とする文章を掲載。その中で、「多くの地域では景気が回復傾向にある」としながらも、「目下、国内外の経済情勢は複雑で厳しく、景気が持続的に回復、好転する基盤は引き続き強化しなければならない」と指摘。「中でも消費需要を喚起するとともに、有効な投資を拡大することが最優先事項である」と、内需の重要性を訴えている。 中でも投資の拡大は景気の安定においてカギを握るとし、河南省や江西省で重要なプロジェクトを展開し、景気安定化に投資の役割が拡大している点を強調している。 ■中長期も投資拡大へ~今5カ年計画期間のエネルギー投資は2割以上増加と当局見通し 中期的にも投資拡大は有効な経済運営手段の一つとされる。国家エネルギー局は同じく9月26日の記者会見で、第14次5カ年(2021~25年)計画期間中のエネルギー分野の重点投資について、第13次5カ年(16~20年)計画期間に比べて2割以上増加するとの予想を示した。国家エネルギー局計画司の宋雯副司長は、「発展改革委員会とエネルギー局は第14次5カ年計画の重要プロジェクトの完成・稼働を加速しており、効果的な投資の余地を積極的に開拓している」と指摘。「効果的な投資を拡大し、経済の安定的な運営を促進するために力強い原動力を提供する」との見解を示している。

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人流の増加で対面型サービスが改善も、製造業が停滞 ― 2022年6月の景気動向調査

株式会社帝国データバンクは、全国2万5,405社を対象に2022年5月の国内景気動向を調査・集計し、景気DIとして発表いたしました。 <調査結果のポイント> 2022年6月の景気DIは前月比0.2ポイント増の41.4となり、4カ月連続で改善した。国内景気はプラスとマイナスの要因が交錯するなか、業種・地域間で景況感の方向性が分かれ、4カ月連続で改善するも小幅な変動にとどまった。今後の景気は、物価上昇の勢いが懸念材料ながらも、緩やかに上向いていくとみられる 4業界が改善、5業界が悪化した。新型コロナウイルスの感染が落ち着き、人流が復調するなか対面型サービスを中心に上向いた。他方、サプライチェーンで部品の調達難が継続し、自動車産業を中心とした生産活動の停滞や、原材料価格の高騰が下押し要因となった 10地域中5地域が改善、4地域が悪化、1地域が横ばい。大手自動車メーカーの減産や部品調達の困難化が関連業種の景況感を下押しした一方で、一部地域では前倒し需要が好材料となるなど、地域間の景況感の格差が再び拡大した。規模別では「中小企業」と「小規模企業」の景況感が改善、「大企業」は横ばいとなった .< 2022年6月の動向 : 小幅な改善 > 全国の景気DI2022年6月の景気DIは前月比0.2ポイント増の41.4となり、4カ月連続で改善した。 6月の国内景気は、新型コロナウイルスの感染が落ち着き、人流が戻りつつあるなかで、業種や地域により景況感の改善・悪化が分かれる形で推移した。プラス要因としては、「コロナ感染者数が減少し、徐々にではあるが業績が回復しつつある」(旅館)などの声にあるように、各種イベントの再開や県民割の広がりなど対面型サービスの復調がみられた。一方マイナス要因としては、部品の調達難などで、特に自動車産業を中心として生産活動の停滞が続いた。原材料高に円安が加わるなかで、相次ぐ値上げは消費者心理を下押しする要因となった。 国内景気は、プラスとマイナス要因が交錯するなか、業種・地域間で景況感の方向性が分かれ、4カ月連続で改善するも小幅な変動にとどまった。 < 今後の見通し : 物価上昇が懸念材料も緩やかに上向く > 今後の見通し今後1年間程度の国内景気は、ロシア・ウクライナ情勢の行方や円安の進行、原油・原材料価格の高止まり、海外経済動向など、不透明な外部環境のなかで推移するとみられる。特に、コスト増加にともなう企業の収益力の低下は懸念材料となろう。他方、新型コロナの感染状況次第ながら、GoToキャンペーンなどの需要喚起策や、2021年度補正予算の執行、物価高対策、外国人観光客の受け入れ再開などの経済政策はプラス材料となる。個人消費の回復や自動車の挽回生産などが今後の景気を上向かせるカギになると見込まれる。 今後の景気は、物価上昇の勢いが懸念材料ながらも、緩やかに上向いていくとみられる。 業界別:『サービス』など4業界が改善も、『製造』は生産の停滞が続く4業界が改善、5業界が悪化した。新型コロナウイルスの感染が落ち着き、人流が復調するなか対面型サービスを中心に上向いた。他方、サプライチェーンで部品の調達難が継続し、自動車産業を中心とした生産活動の停滞や、原材料価格の高騰が下押し要因となった。 『サービス』(45.9):前月比1.1ポイント増。4カ月連続で改善。新型コロナウイルスの感染が落ち着き、人流が増加するなか「飲食店」(同3.7ポイント増)や「旅館・ホテル」(同0.3ポイント増)が4カ月連続で改善。「観光客の増加で、ホテルや観光関連業者が活発になっている」(ビルメンテナンス)など「メンテナンス・警備・検査」(同1.7ポイント増)や、自動車賃貸が含まれる「リース・賃貸」(同1.6ポイント増)などの業種にも好影響が波及した。一方、「自動車関係のメーカーが休業を実施する可能性が高い」(労働者派遣)など「人材派遣・紹介」(同1.9ポイント減)は、4カ月ぶりに悪化した。 『不動産』(45.9):同1.2ポイント増。4カ月連続で改善。「品薄で不動産販売価格が下がらない」(建物売買)など、建物売買が堅調に推移した。また、「円安により海外資本が不動産投資に流れてきて、さらなる投資が増えると見込んでいる」(不動産代理・仲介)といった声もあがった。一方、ウェブ会議が浸透するなか「貸し会議室の稼働が2019年の水準に戻り切っていない」(不動産賃貸)など、厳しい声も聞かれた。 『製造』(40.8):同0.2ポイント減。2カ月連続で悪化。自動車部品などを製造する「輸送用機械・器具製造」(同0.8ポイント減)、「化学品製造」(同0.6ポイント減)は3カ月連続で悪化。企業からは「半導体不足に加えて、上海ロックダウン・韓国ストライキなど部品供給の停滞も拍車をかけ、メーカーからの受注が大きく落ち込んでいる」(工業用ゴム製品製造)、「タイムラグをともなって上海ロックダウンの影響がでている」(金属プレス製品製造)といった声が聞かれ、サプライチェーンの混乱による影響が続いている。また、原材料価格の高騰が続くなか、『製造』の仕入単価DIは78.6(同0.3ポイント増)、販売単価DIも60.9(同0.7ポイント増)となり、高水準での推移が継続した。 『運輸・倉庫』(37.1):同0.1ポイント減。3カ月ぶりに悪化。軽油など燃料価格が再び上昇傾向となり、『運輸・倉庫』の仕入単価DIも73.6(同1.2ポイント増)と3カ月ぶりの上昇に転じた。また、「業界全体で経費による利益圧迫が進んでおり、非常に厳しい。燃料、アドブルー、油脂、タイヤなどが上昇し、運賃が低い一方で利益に貢献する項目が何一つない」(一般貨物自動車運送)など、燃料以外の経費の上昇も響いた。一方、「新型コロナウイルスも落ち着き、旅行に対する需要喚起施策も発表されつつあり、バスの稼働が増えてきた」(一般貸切旅客運送)など、観光関連の業種で前向きな声も聞かれた。 規模別:「中小企業」と「小規模企業」が改善、いずれの規模も小幅な動き「中小企業」と「小規模企業」の景況感が改善、「大企業」は横ばいとなった。人流の増加で店舗への来客数や観光関連が上向いた一方、価格転嫁の濃淡が明暗を分けた。 「大企業」(43.5):前月比横ばい。観光客の増加により「娯楽サービス」や「旅館・ホテル」など観光関連の追い風となった。一方、「製造原価の大部分を占める飼料費が高騰」(養鶏)など、コスト増による負担拡大が下押し要因だった。 「中小企業」(41.0):同0.3ポイント増。4カ月連続で改善。店舗への来客数が増加するなか、「戸建て需要が落ちない」(建物売買)といった声も聞かれた『不動産』が上向いた。一方で、燃料費の高騰分の価格転嫁が難しい『運輸・倉庫』は3カ月ぶりに悪化へ転じた。 「小規模企業」(40.0):同0.5ポイント増。4カ月連続で改善し、6カ月ぶりに40台を回復した。「中古マンション購入後のリフォーム依頼が増加」(内装工事)など『建設』が堅調だったほか、「飲食店」や「娯楽サービス」など対面型サービスが上向いた。 地域別:10地域中5地域が改善するも、地域間格差が再び拡大 地域別『中国』『北関東』など10地域中5地域が改善、『東海』など4地域が悪化、『近畿』が横ばい。大手自動車メーカーの減産や部品調達の困難化が関連業種の景況感を下押しした一方で、一部地域では前倒し需要が好材料となるなど、地域間の景況感の格差が再び拡大した。 『中国』(41.1):前月比0.5ポイント増。2カ月連続で改善。「鳥取」「島根」「広島」が改善した一方、「山口」が悪化、「岡山」が横ばい。原材料費上昇でコスト負担が高まるなか、「生産がフル稼働」(ガラス・同製品製造)などの声もあり、『製造』が全体を押し上げた。 『北関東』(42.6):同0.5ポイント増。3カ月連続で改善。域内5県中4県が改善した。資材価格が上昇するなか木造建築で駆け込み需要が発生するなど『建設』が上向いた。一方『製造』は部材の納期延期などの影響もあり2カ月連続で悪化した。 『東海』(39.5):同0.6ポイント減。2カ月連続で悪化し、4カ月ぶりに40を下回った。大きく落ち込んだ「三重」を含め域内4県中3県が悪化した。大手自動車メーカーの減産などの影響が関連する業種へ波及した。...

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中国が打ち出した景気安定化策、広範な政策手段使用で目新しい内容に評価の声も

中国国務院は5月31日、景気安定化策を発表した。今回の景気安定化策は5月23日に李克強・首相が国務院常務会議で示した大枠を具体化したもので、6分野33項目に及び、「景気安定化33条」と呼ばれている。「景気安定化33条」の特徴としては①財政・金融政策に依存していた従来の景気対策と異なり広範な政策手段を用いていること、②産業・サプライチェーンの混乱解消に関する内容が比較的多かったこと、③中小・零細企業の支援に軸足を置いていること――等が挙げらている。 33項目の内訳をみると、7項目が財政政策、5項目が金融政策、6項目が投資安定化・消費促進、5項目が食糧・エネルギー安全保障、7項目が産業チェーン・サプライチェーンの安定化、3項目が民生にかかわるものとなっている(最後の<6分野33項目>を参照)。 ■新卒者採用した企業に補助金 このうち、目新しいものとしては雇用安定に向けた支援強化(第7項)がある。内容は、年末まですべての企業を対象に新卒者を募集する場合、1人当たり1,500元を上限に雇用拡大補助金を支給するというもの。注目されるのは補助金支給の対象が既存の従業員ではなく、新卒採用となっている点だ。中国では今年、1,076万人が大学・専門学校を卒業。過去最多の規模となる一方、景気が不安定な中で働き先が見つからない卒業生が多くなる恐れが指摘されている。こうした状況下、新卒者を採用した企業に補助金を支給することで、企業、特に中小企業の雇用拡充や新卒採用のインセンティブにつながることが期待されている。 ■中小・零細企業向け融資残高の増加に応じて銀行に資金支援 中小・零細企業向け少額ローンの支援強化(第9項)も新味のある支援方法と指摘されている。支援方法は、中国人民銀行が銀行に対し、中小・零細企業向け少額融資残高の増加分に応じて2%の資金支援を行う形。例えば、ある銀行が年末までに新たに10億元の中小・零細企業向け少額融資残高が増加した場合、人民銀行は銀行に2,000万元を支給。これにより銀行に中小・零細企業向け融資を促す。 ■家賃補助 市場主体(企業)の家賃の段階的な減免(第25項)では、国有のオーナーがサービス業の零細企業や個人事業者に3~6カ月分の賃料を減免するとともに、その他(非国有)のオーナーに対しても同様のやり方を採用するよう奨励。減免額は同年の不動産税、都市部土地使用税で相殺でき、実質的に政府が部分的に負担する形となる。同時に、国有銀行に賃料を減免するオーナーに対し優遇金利などの支援を行うよう要請している。 ■プラットフォーム経済を支援 昨年以降、規制強化の対象となっていたプラットフォーム企業に対しては、プラットフォーム経済の規範的で健全な発展促進(第17項)が盛り込まれ、「プラットフォーム経済の規範的で健全な発展を支援する具体的な措置を打ち出す」とされた。また「プラットフォーム経済の雇用安定の役割を十分に発揮し、プラットフォーム企業と共存する中小・零細企業の成長予想を安定化させ、プラットフォーム企業の発展が中小・零細企業の救済を促す」と強調した。ここで注目されるのは、初めてプラットフォーム経済と中小・零細企業の共存関係、牽引関係が明確に示されたことだ。これは、プラットフォーム企業だけが一人勝ちしているわけではなく、中小・零細企業を含めた健全なエコシステムを形成していること、中小・零細企業とプラットフォーム企業のウィンウィン、相互補完が可能であることを示唆している。 ■急がれるサプライチェーンの安定化 前述した通り、コロナで打撃を受けた産業・サプライチェーンの安定化の措置も多く盛り込まれた。内容としては、民間航空などコロナの影響が比較的大きい業種への救済強化(第26項)では、民間航空業界に3,500億元の融資および債券発行を支援。企業の操業再開最適化(第27項)では、(企業の操業再開に必要な)ホワイトリスト制度の実施を地方政府に命じ、原則的に生産停止を求めないとしている。また、交通、物流の円滑化政策の改善(第28項)では、感染リスクの低い「低リスクエリア」からの貨物輸送車両に対する防疫通行制限の全面撤廃するとされ、物流の早期回復が期待される。 ■投資促進はカテゴリー別に 投資促進では、水利プロジェクトの推進加速(第13項)、交通インフラ投資の推進の加速(第14項)、地域の状況に応じた都市地下複合水路の建設の継続推進(第15項)、民間投資の安定、拡大(第16項)、一大エネルギープロジェクトの実施推進(第21項)、金融機関のインフラ建設及び重要プロジェクトに対する支援拡大(第12項)等の詳細なカテゴリーに分けられている。これらカテゴリーでは、それぞれ具体的な目標が挙げられるとともに、実施方法や責任制度も明確にしており、「従来の官制スローガン的な内容と異なり、具体化された内容」との声もある。 ■多くの雇用抱える中小・零細企業支援を重点に 中小・零細企業の支援では、33項目の中で24カ所で言及されている。このうち、増値税未控除部分の還付政策の拡大(第1項)では、還付対象に新たに7業種を追加。税還付額は1,420億元増加、今年の税還付総額は1兆6,400億元がそれぞれ見込まれている。支援実施にあたっては、特に零細企業、個人事業者の増値税未控除文の還付支援を急ぐよう要請している。 政府調達拡大による中小企業支援の強化(第5項)では、零細企業の価格割引率を6~10%→10~20%に引き上げるとともに、中小企業からの調達シェアを30%以上→40%以上に引き上げる。また、金融政策でも中小・零細企業、個人事業者、トラック運転手に対する融資奨励(第8項)などを盛り込んだ。 中小・零細企業支援に軸足を置いた背景には、これら企業が多くの雇用を抱えていることがある。統計によると、2021年末時点で中国で登録されている市場主体は1億5,400万社に達し、うち個人事業主は1億300万社。2億7,600万人の雇用をカバーしている。特に、卸売・小売、宿泊、飲食、文化、観光、旅客輸送などサービス業での雇用者が多いだけに、これら業界の支援は、雇用の安定、社会の安定に欠かせない。 雇用を多く抱える一方、景気が不安定化する中にあってリスク抵抗力が弱く、資金回収などの影響を受けやすい中小・零細企業の支援を巡っては、これまでも中央が幾度となく訴えている。4月29日に開催した共産党中央政治局会議では「市場の主体を安定させ、コロナ禍で深刻な打撃を受けた業界、中小・零細企業、個人事業主に対して包括的な救済・支援政策を実施する」と強調している。 こうした中、中央当局も関連の支援策を打ち出している。直近では国有資産監督管理員会が5月25日、『中央企業による中小企業困難緩和支援による協同発展促進に関する通知』を発表。国有資産監督管理委員会は、「経済の循環を円滑にする点からも、大企業の社会的責任を果たす点からみても、産業チェーン、サプライチェーンの川上から川下までの大中小企業はいずれも協力関係にある」とし、中央企業による中小企業支援策を打ち出している。 <6分野33項目> ○財政政策(7項目) (1)増値税未控除部分の還付政策の拡大 (2)財政支出ペースの加速 (3)地方政府専項債(地方債の一種で収益性のあるプロジェクトの資金調達用)発行による調達資金の使用加速および支援対象拡大 (4)政府系機関による信用保証などの政策の確実な実施 (5)政府調達拡大による中小企業支援の強化 (6)社会保険料支払い一時免除政策の実施 (7)雇用安定に向けた支援強化 〇金融政策(5項目) (8)中小・零細企業、個人事業者、トラック運転手に対する融資および個人向け住宅・消費融資等の元利返済延期の奨励 (9)中小・零細企業向け少額融資の支援拡大 (10)実質貸出金利の緩やかな引き下げ推進の継続 (11)資本市場の資金調達効率の引き上げ...