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座りっぱなしで運動効果が大幅に低下―中国メディア

運動が体にいいことは誰もが理解しているが、日々の運動の目標さえクリアしていれば、それで問題ないのかというとそういう訳ではない。なぜなら「じっとしていること」が運動効果を大幅に低下させてしまうからだ。北京市疾病予防コントロールセンターの専門家は、「こまめに動くこととじっとしている時間を減らすことは、どちらも同じくらい重要」と人々に注意を呼びかけている。北京青年報が伝えた。 運動が体にいいことは誰もが理解しているが、日々の運動の目標さえクリアしていれば、それで問題ないのかというとそういう訳ではない。なぜなら「じっとしていること」が運動効果を大幅に低下させてしまうからだ。 ■万人共通の「運動公式」 成人について、身体的条件が許せば、どのような種類でも運動は行うべきとしている。世界保健機関(WHO)は、「中程度の有酸素運動を週に最低150分から300分間、あるいは高強度の有酸素運動を週に最低75分から150分間、あるいは中強度と高強度の有酸素運動を組み合わせ、同じ時間行うこと」を推奨している。 週に2日以上、あるいは隔日、高強度以上のレジスタンス運動をすると、筋肉が強化され、あらゆる主要な筋肉群を鍛えることができる。 ■12時間、運動せず座りっぱなしだと、運動効果は全て消滅 1日24時間のうち、睡眠時間を除くと、私たちには約16時間の活動時間があり、毎日30分間の中程度あるいは高強度の運動を行うとする。そして、残った15時間半の間、リラックスして動かず座って過ごしていると、身体にどんなことが起こるのだろうか? 中程度あるいは高強度の運動によってもたらされる健康効果は、長い間動かない状態による影響を受けることが、研究から判明している。極端な場合、1日のうち座っている時間が11、12時間に及んだ場合、中程度あるいは高強度の運動による健康効果は、弱まるもしくは完全に相殺される恐れもあるという。 このことから北京市疾病予防コントロールセンターの専門家は、「『規則的に運動するかどうか』と『長時間動かず座り続けるかどうか』は、両方とも等しく重要であり、日々の行動プランを練る上で、いずれも検討すべき重要事項である」と市民に注意を呼びかけている。(提供/人民網日本語版・編集/KM)

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中国時代劇ドラマの衣装やセットの「再現度」、こだわり抜いた精度も大きな魅力に

中国時代劇ドラマではセットや衣装、小道具の再現度の高さもファンを引き付ける魅力となっているが、中でも特に精度の高い作品を台湾メディアが紹介している。 現在配信中の「尚食」は、明朝の宮廷を舞台にした作品。女優ウー・ジンイエン(呉謹言)の演じるヒロインは、宮中の食事を作る「尚食局」の宮女という設定のため、ドラマに登場する数々の美食も話題に。明代の随筆「陶庵夢憶」をはじめ、「烏青鎮志」「閱世編」といった書籍にある明代の飲食文化を再現している。 また、プロデューサーのユー・ジョン(于正)は衣装にもこだわり、書籍や絵画から当時の官服を忠実に再現。クランクイン当初には、登場人物の衣装が「韓服」のパクリではないかと韓国のネットで批判され、中国のネットではこの批判が嘲笑されたことも話題になった。 同じユー・ジョンのドラマでは、2018年のヒット作「瓔珞<エイラク>〜紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃〜」は「文化財レベル」「博物館レベル」と称賛されるほど衣装や小道具にこだわり、伝統工芸の職人が丹精を込めた品々が登場。皇后の衣装1着だけで制作費は40万元(約730万円)と報じられた。同年、同じく清朝が舞台の宮廷ドラマ「如懿伝(にょいでん)〜紫禁城に散る宿命の王妃〜」もこれに肩を並べ、衣装や小道具はじめ宮殿の装飾やスケールの再現度が高いことが、北京の故宮(紫禁城)から認定されている。 19年のヒット作「長安二十四時」は唐の長安が舞台だが、当時の長安城108坊をそっくりに再現。作り物ではなく、人々の息遣いまで聞こえるようなリアル感のある町並みが話題になった。衣装や女性の化粧は、絵画や壁画を参考に再現し、制作費6億元(約109億円)のうち、セットや衣装の費用が70%を占めている。 同じ19年にヒットした「明蘭〜才媛の春〜」は北宋を舞台にした作品。当時の都・汴京(現在の開封)の町並みは、そのにぎわいを描いた当時の絵画「清明上河図」を忠実に再現。登場する高官たちの官服や女性の衣装だけでなく、商人や庶民の衣装も当時の風俗を記した「東京夢華録」を参考に、正確さを追求したことで知られる。(Mathilda)

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春節は家で何をしていた?スマホでショート動画視聴が最多―中国

春節(旧正月、今年は2月1日)期間中、家でスマホをいじりショート動画を見ていた人が多かったようだ。統計によると、同期間中、動画とSNS、スマホゲームが、人々の71.8%の時間を占めていた。中でもショート動画を見ている時間が最も多かった。また、情報やショッピング、外出、生活サービスなどが占める割合も全体的に増加した。このようにデジタル化ライフが人々の休暇にも一層深く影響を与えるようになっている。北京青年報が伝えた。 データエージェンシーのQuestMobileが実施した今年の春節期間中のスマホ使用状況に関する調査によると、ネットのアクティブユーザー数は安定した中で小幅に増加し、8億7200万人に達した。また、さまざまな要素が重なって、今いるところで春節を過ごした人が多かったこともあり、同期間中、一、二線都市のアクティブユーザーが目に見えて増加した。 ネットユーザーのアクティブな時間帯を見ると、春節期間中は夜更かしする人が減り、日中にネットを利用する人が多くなったことが分かる。午前9時から、アクティブユーザーの割合がぐっと増加した。 春節に加えて、北京冬季五輪が開催され、各ブランドがその大きな波に乗るというのが新たなトレンドとなった。具体的に見ると、各大手ECプラットフォームは、中国中央テレビ局(CCTV)の春晩(春節を祝う中国の国民的年越し番組)とコラボしたり、新春お年玉キャンペーンを展開したりするなど、例年通り春節に合わせたマーケティングを展開した。また、冬季五輪観戦も人々の春節の娯楽に加わり、一線都市や五線以下の都市の若者が最もアクティブだった。フリースタイルスキーの谷愛凌(アイリーン・グー)選手や大会マスコットのビンドゥンドゥンも大人気となり、ブランドオファーや関連商品も急増し、五輪の波に乗って大々的な宣伝が行われた。 また、新型コロナの影響で「今いるところで年越し」が呼びかけられたのを背景に、春節期間中、都市では娯楽消費ニーズが非常にアクティブになり、春節前は買いだめをする人が目に見えて増加し、春節後は市内に出かけて娯楽を楽しんだり、映画を鑑賞したり、観光スポットをぶらぶらしたりする人も目に見えて増加した。 映画鑑賞が人々のレクリエーション・娯楽の主な方法となり、春節当日に封切られた映画が大人気となったことは注目に値する。市内観光のニーズも旺盛で、都市観光に出かけた人は春節当日の2月1日と4日が最も多かった。 冬季五輪開催が注目を集め、中国の動画アプリ・咪咕視頻やCCTVのアプリなどが五輪を生中継する主なアプリとなり、開会式の時から視聴者が大幅に増加した。冬季五輪開催により、人々の運動や健康に対する注目も高まり、KeepやHealth、咕咚といった関連業界の人気アプリのダウンロード数が春節期間中増加した。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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「文明の衝突」を唱えるのは愚かなことだ―インド人哲学者が鋭く喝破

「文明の衝突」という言い方がある。米国人政治学者のハンティントン氏が提唱した言葉で、現在の世界にとっての最大の脅威は「さまざまな文明の衝突」と主張する説だ。全インド哲学連合会会長などを務めるS.R.バット氏は、「文明の衝突」式の世界観を「理知が欠落」などと鋭く批判する。バット氏はこのほど中国メディアの中国新聞社の取材を受け、自らの主張を披露した。以下はバット氏の言葉に若干の説明内容を追加するなどで再構成したものだ。 【その他の写真】 ■世界の多様な文化には相違点もあれば類似点もある 人類の思考は無から生じるものではなく、特定の文化に根差すものだ。従って世界各地でさまざまな思想体系が発達したことは、時代と文化環境の違いによる必然の結果だ。しかし、それぞれの思想体系が普遍性を持たないということではない。なぜなら人が抱く願いとは、おおむね同じだからだ。だから、人類の思想は地域性を持つと同時に世界性を有し、個別であると同時に普遍的だ。人はそれぞれが多様な現実体験を持ち、そのことについての多様な表現方式を持つ。従って我々の思考方式や生活方式を一方的に統一すべきではない。 真の思想は必ず、地元文化の制約を受けた具体的な生活の経験から出現する。従って「思想の民主」を方針にせねばならない。創造力を持つ人でも、意見が一致するとは限らない。従って弁論や交流、対話の余地を保たねばならない。そのことによって、真理を得ることができる。 ■現実は「一」でもあり「多」でもあるという哲学的考察 現実は極めて豊富で複雑なので「あれかこれか」という排他的な態度では理解できない。二分法や排他的な方法では、多様性や動的変化、開放性、さらには無限の展開性を理解することが難しくなる。 現実の本質とは統一だ。現実は一方で、多様的という現れ方をする。「一」は「多」の中に存在し、「多」は「一」の中に存在する。まさに華厳経が説く「一即一切、多即一(小さな「一」が宇宙全体と同等の存在)」ということだ。 「一」は本質の面でも存在の面でも「多」に先行する。まずは「一」が存在してこそ「多」が成立するからだ。しかしそのことは、「一」の価値の方が「多」より上ということを意味しない。「一」と「多」は現実の両面であり、「一」と「多」は互いに補いあう。 世界に存在する文化は驚くほど多様だ。しかし異なるだけでなく、共通点や類似点もある。だからこそ私たちは互いに理解し平和に共存し、互いを強め合うことができる。それぞれの文化の内部でも、いくつかの異なる思潮が発展してきた。同時に新たな思想がそれぞれの文化に外部から流入した。こうして、それぞれの文化が統一性を保つと同時に多様性が加わることになった。 人類文明とはオーケストラのようなものだ。それぞれの楽器が奏でる音が、感動的な音楽をつくる。もちろん、時折は調子を外した音が鳴らされる場合もある。しかしそのような現象を「常態」と見なしてはならない。あくまでも「不正常」なのだ。 ■排他的発想が基本にある「文明の衝突」観は理知が欠落している 人類はすでに多元文化主義を手にしている。文化を共有することはそれぞれの文化にとって有益だ。だから私は「文明の衝突」の考え方には理知が欠落していると主張する。全ての文化文明には同等の価値と効能があり、互いに補う性質がある。今の時代に必要なのは文化の対話と親睦と調和だ。文化の優越や文化の覇権争いを主張すれば必ず、平和共存と全世界の調和を損ねることになる。 多元文化主義は平等や博愛、正義、非暴力を提唱する崇高な理想だ。その寛容と共存、一致、調和の哲学は、今の時代が強く必要とする柔軟な適応の実現や対立を解消して和解に至る道をもたらすために有効だ。 「科学の奇跡」により、人類の苦痛や労苦が軽減され、生活の質が向上していく時代が到来した。しかし現代は一方で、恐怖と暴力、さらに低級な衝動が全世界範囲で勢いづき、理性的な思考による対応が難しくなりつつある時代でもある。従って人類文化をより深くより高く探求し、さまざまな方式で文明を前進させていかねばならない。 グローバル化が進み高速交通網が発達した現代において、世界はぐっと小さくなった。移住や移民という現象は、人類文化が始まって以来、常に存在したが、現在はその流れが加速している。そのために、異なる文化を持つ人が互いに隣人になるという現象も飛躍的に増加した。複数の文化が共存する世界を、より健全に発達させねばならない。そんな状況にあって、真に歓迎すべきことは「文明の衝突」を論じることではい。多元文化主義こそが、人類の文明全体をさらに豊かにする力なのだ。(構成/ レコードチャイナ 如月隼人)

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ムスッと顔が愛らしい!漫画『きょうのようじょ』オリジナルグッズ全世界同時発売決定!

■■■ムスッと顔が愛らしい!漫画『きょうのようじょ』オリジナルグッズ全世界同時発売決定!■■■ SNSで話題沸騰!世界中で注目を集めるSNS発のオリジナルキャラクター「ようじょ・YOUJO」、そしてその連載漫画『きょうのようじょ』が、初のオリジナルグッズをリリース。世界一斉スタートでの予約受注開始が発表された。 「ようじょ・YOUJO」は、2021年1月にイラストレーター・こざと氏が自身のTwitterアカウントで投稿した、釣り上がり眉にへの字口がトレードマークの小さな女の子の日常シーンを描く一枚一枚のイラストから誕生した。 名前はなく、セリフもない。ムスッとした表情だけど、その仕草や行動は小さな女の子そのもの。そんなギャップがたまらなく愛らしい。 まだ世間がいろいろと大変な中、イラストから伝わってきた温かさと可愛さが、世界中で日々頑張っている人々を魅了。そんな「ようじょ」のイラストに癒された人たちからは、様々な言語でたくさんの応援と感謝の言葉がSNS上で寄せられている。 この度、発表された初のオリジナルグッズでは、「ようじょ」が着用しているTシャツのほか、『きょうのようじょ』の可愛さを十分に味わえるTシャツ、キーホルダー、缶バッジ、トートバッグにキャンバスアート、全6商品(サイズ仕様違いを含め全17種)を、ポニーキャニオンが運営するアニメ専門ECサイト「きゃにめ」にて販売。海外向けには「PONYCANYON SHOP (for overseas customers)」、「魔法集市」(読み:マサドラ、中国本土向け)から、世界同時に受注受付を開始する。 また、受注開始にあたって、作者のこざと氏による直筆サイン入り【きょうのようじょ缶バッジ】をもらえるSNSキャンペーンも開催予定。詳細はきゃにめ、PONYCANYON SHOP公式Twitter及び魔法集市公式WEIBOからご確認いただきたい。 【商品ラインナップ】 きょうのようじょTシャツ(kozatoロゴ)(M/L/XL/XXL/XXXL) ¥2,750(税込) きょうのようじょTシャツ(喰われるようじょ)(M/L/XL/XXL/XXXL) ¥3,300(税込) きょうのようじょアクリルキーホルダーセット ¥2,200(税込) きょうのようじょスクエア缶バッジ(4種) 各種¥550(税込) きょうのようじょトートバッグ ¥2,200(税込) きょうのようじょキャンバスアート ¥3,850(税込) ※イーゼルが付属しておりません ▼ご購入はこちらから ■きゃにめ特設サイト ■PONYCANYON SHOP for overseas customers ■魔法集市(中国大陆) 完全予約受注期間: 2022年2月18日(金)12:00~2022年2月27日(日)23:59...

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日中共同制作・新型コロナとの戦いの歌『小さな祈り』

日本語版新型コロナとの戦いの歌「小さな祈り」 中国語版新型コロナとの戦いの歌「定能挺過去」 英語版新型コロナとの戦いの歌「Love Will Win Again」 https://www.youtube.com/watch?v=z3OXww6b4AY「小さな祈り」伴奏音频:00:00/04:26 『小さな祈り』は日中両国の民間人によって共同製作された、コロナに打ち勝つことを願う歌である。遠藤英湖氏は曲の監修者であり、その文章『海を越えて届け合う『小さな祈り』 ~コロナ禍における微信時代の日中交流』は『日本帰僑聯誼会二十年暦程(2001-2021)』に収録されている。 遠藤英湖氏は日本慶應義塾大学を卒業し、北京語言大学への留学を経て、中国語に精通し、現在は『東方時報』、『東方新報』などの記者を勤めている。『小さな祈り』の製作過程に於いては多くの仕事をこなし、上記の文章においては曲を世に出すにあたって、その前後の経過を細かく記している。同じ音楽であっても、中国語版の歌《定能挺過去》は写実に重きを置き、コロナ対策における具体的な事柄が表現された。一方で、『小さな祈り』は趣を大切にし、含みと美意識を持たせた描き方がなされている。遠藤氏のこの観点を私は度々講座の中で紹介してきた。 『小さな祈り』は日中の民間人が非常時において困難に打ち勝ち、共同で制作した芸術作品であり、また、日中の文化の差異を表す具体的な教材でもある。より多くの日本の読者、あるいは日本語を理解する中国の読者がこの文章を一読することを期待する。 遠藤英湖(えんどう えいこ) 海を越えて届け合う『小さな祈り』~コロナ禍における微信時代の日中交流 遠藤英湖 「創造的な活動によって、人は自分自身に新しい命を授ける」とはポーランドの音楽家・パデレフスキーの言葉である。生命を燃焼しながら生まれたそのような作品は、同時に人々の心を潤し、勇気づけるものであると信ずる。 それは、昨年2月、一本の電話から始まった。 「遠藤さん、今『小さな祈り』という日本語の新曲をやっているところですけど、発音を直して頂けませんか?」 十数年来の友人、日中両国で活躍する歌手のユウ燕(潘幽燕)さんからのお願いだった。 「もちろん、いいですよ。喜んで!」 気軽に引き受けたが、その後、いつの間にかどっぷりと浸かってしまったのである。 『小さな祈り』はコロナウイルスが中国で猛威を振るう中、西安交通大学日本語科教授の金中さんが作詞、同大学の人文学院博士課程で音楽哲学を研究する張珊さんが作曲し、音楽プロデューサーの蕭晨さんが編曲した『定能挺過去』(「きっと乗り越えられる」の意)がもととなっている。中国国民が新型コロナと戦う決意を歌ったこの歌は、発表後、中国教育テレビの特別番組にもなる等、国内外で高い評価を受けた。 この歌に深く共鳴した日本の著名な作詞家・青山紳一郎さんは同じメロディを用い、元の歌詞の「心」を汲み取り、日本人の感覚で新しく創作。そして生まれたのが日本語歌詞の『小さな祈り(中国語訳:小小的祈祷)』である。 現在上海で教鞭を執っているユウ燕さんは当時ニューヨークに滞在しており、英語版の歌い手・楊飛飛さんの協力を得て、深い思いを込め『小さな祈り』を録音。ユウ燕さんの友人たち――プロの写真家の丁信誠さんは北海道の風景を用いた音楽ビデオを制作、音響の専門家である張琦さんは調音処理、そして私は主に日本語の面からお手伝いをした。 上海に戻ったユウ燕さんは2週間の隔離を経てスタジオで正式に録音し、西安唐煌文化芸術創作有限公司の社長・厳河さんが日中両国の人々や風景を織り交ぜた新版の音楽ビデオを制作。このようにして、西安、上海、東京、ニューヨーク間で海を越え、毎日微信(WeChat)でのやりとりをしながら進めてきた日中両国芸術家の共同作品がついに完成。西安交通大学と中日詩歌研究所が出品する「日本語版・新型コロナとの戦いの歌『小さな祈り』」の音楽ビデオとして世に出たのである。このシリーズは中国語、日本語、英語、ロシア語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、スペイン語(コロンビア)、ヒンディー語、タイ語、ウズベク語の12言語版として完結した。 私は初版のビデオでは主に発音や字幕、新版では発音その他音響関係の監修に関わった。直接会えないため、ユウ燕さんから微信で送られてきた録音を聴き、微信の電話で口の形や日本語のリズム、イントネーションなどを説明しながら発音を直し、また録音するという作業を繰り返した。特に苦労したのは新版。コロナ禍の中、使えるスタジオは限られており、やっと借りることができた設備は古く、なぜか録音の度に直していない箇所がおかしくなってしまう。音程がずれたり、リズムが変わったり、雑音が入ったりで、モグラたたきのよう。一つ一つ根気よく修正していった。そのような事情で音源を600回以上聴き、数十回録音を重ねることとなったのである。テレサ・テンの遠縁であるユウ燕さんの柔らかな美声は人々の心を癒し大きな安心感を与える。日本人とわずかに違う発音のゆらぎが大きな魅力でもあるので、あえて100パーセントは直さないよう心がけた。 皆ボランティアで強い使命感から制作に携わったが、私自身、寝ても覚めても『小さな祈り』。いつ次の連絡が来てもすぐ作業にかかれるよう、片時もスマホを手放せない。微信でのやりとりのリレーをしながら四六時中メロディが頭の中でグルグルしていた。自分自身が感動してはじめて、人の心を動かすことができる。歌が度々心の琴線に触れ、時には涙しながら深夜に作業することもあった。歌唱部分の録音ができ、伴奏をつけ、映像を合わせ、最後に字幕などを入れて完成するという作業を目の当たりにするのは人生で初めて。まるで洋服を着重ねていくような感覚にワクワクした。日本語版の音楽ビデオが完成してしばらくは、安堵と達成感から燃え尽き症候群になった。ひと時でも、身近に迫ってくるコロナの不安を忘れられるほど没頭し、形に残るプロジェクトに参加できたこと――。思い出す度に感謝の気持ちで胸がいっぱいになる。 今回、日中両国の感覚の違いを発見できたことも大きな収穫だった。たとえば、中国語版の方は「国民が一致団結して国難を皆で乗り越えていこう」という中華民族の強い意志を感じさせるもので、歌詞には「春節」「軍衣」「祖国」など中国らしさを感ずる言葉も多々あった。映像も、軍隊の出動、感染者数のデータ、火神山・雷神山医院を10日間で建設する様子、防護服の医療スタッフが患者さんを懸命に治療する姿など、コロナと直接関係のある具体的なものがほとんどだった。後世にこのビデオを見た人がコロナ禍の中国人の心情を中国人の立場から理解できる貴重な資料にもなるのではないだろうか。 一方で、日本語版の柔らかい歌詞は行間が多く、東洋画の余白のように自由に個人の想像や心情を重ね合わせることができる。たとえば、私の脳裏に浮かんできたのは、病気や仕事上の困難と闘う人、新しいことにチャレンジする人、そのような人を温かく応援する人、また、異なる国に住む友人たちの友情、日中友好、世界平和等等。コロナの時期に限定されない普遍性を感じた。さらに、自然は克服したり挑戦したりするものではなく「共生するもの」であるという日本人の自然観、災害や困難の状況を具体的には表現せず、しかし「言わなくても心の中ではわかっている」という日本文化の特質も感ずることができた。思えば、東日本大震災後につくられた『花は咲く』にも、地震や津波といった言葉はまったく出てこない。わざわざ言わなくても日本人は皆わかっているのである。 この日本的「察し」の文化について、金中さんと微信で深く意見交換し合ったことも印象深い思い出である。中国語版の映像は皆が頑張っている姿を最大限に映しており、それは事実ではあるが、日本人が見たらせっかくの歌も最後まで聴いてもらえないのではないだろうか。医療スタッフの命がけの姿は日々のニュースで知っているので、ビデオでさらに見せられたら辛くなり、それこそ「もういいです」となってしまうのではないか、ということである。実際私が初めて見た時、途中からしんどくなり、最後まで見るのがやっとだった。私の感想を聞いた金中さんは「中国人はこういう写実的な映像にこそ感動するんですよ」と驚き、それを聞いた私はまた逆にびっくりしてしまったのである。 完成した新版の『小さな祈り』ビデオには、軍人も病院も防護服も登場しない。横たわって病院の廊下を移動している患者さんの目線から、看護師さんの手と点滴バッグ、そして、動いて見える天井のライトが数秒間だけ映っていた。たったこれだけで、懸命に治療する姿が十分伝わり、静かな感動が沸いてくる。それ以外は、桜や海を渡る鳥、日中の長い交流の歴史を思い起こさせる空海記念碑やコロナ禍で話題となった「山川異域、風月同天(山河は違えど、同じ風が吹き、同じ月を見る)」の書、少女が祈りを捧げる映像など。日本人好みのビデオに仕上がっていたのである。 「日本語版の映像は遠藤さんの意見を反映してできたんですよ」 金中さんが私の提案を厳河さんに一生懸命伝えて下さったことを後から知った。日本人の感覚をしっかりと汲み取り、丁寧に真摯に具体化して下さったお二人の心がとても嬉しかった。 同じ曲でも、環境や国情が異なると、視聴者が感動する歌詞や映像はこれほど異なる。しかし、それぞれの文化に合う音楽ビデオの異なる特性は、互いを補完しあい、その素晴らしさを引き立て合っている。これは国と国との関係にも言えることではないだろうか。 このような私とのやりとりのエピソードを、比較文化の観点から金中さんが大学の授業や書店での市民講座で毎回話して下さっているとのこと。日中相互理解のヒントの一つとなったら幸いである。 文化や表現の仕方が異なっても、人を思う心、平穏を取り戻したい心は誰もが同じである。金中さんは「新型コロナが世界に蔓延する中、同じメロディによる多国語の歌声を通して世界の人々が一つになる…。この歌が人々を勇気づけ、心の癒しと希望になることを願っています」と語る。 青山さんも「いま世界中で多くの人達が、自分の身を守るのと同じように、側にいる人を想い、隣人を想い、遠くにいる大切な人を想っているに違いありません。このような強い想いはつながりあい、大きな力となり、やがて目に見えない敵を追いやると信じています」とコメントした。 「コロナが終わったら」とあいさつし合い、人との交流や活動が制限される中にあっても、微信という文明の利器を最大限に生かし、新しいやり方で創造的な作品と国境を越えた友情を生み出すことができた。人生の宝の思い出が、また一つ増えた。 私は常日頃「友情とは染める度に少しずつ色が深まっていく藍染めのようだ」と思っている。...

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中国、日本の若手作者30人による写真展「いつかの君へ」~日本写真芸術専門学校 総合写真研究ゼミ展~を開催します。

日本写真芸術専門学校 Ⅰ部(昼間部)写真科 3年制 2年 総合写真研究ゼミに所属する学生たちが、写真展を開催します。 中国、日本の若手作者30人による写真展「いつかの君へ」 ~日本写真芸術専門学校 総合写真研究ゼミ展 ◯会 期:2021年2月23日(水)~2月27日(日) ◯時 間:10:00~18:00(入館は17:30まで。最終日15:00まで) ◯会 場:目黒区美術館区民ギャラリー〒153-0063 東京都目黒区目黒2-4-36目黒駅より徒歩約10分・中目黒駅より徒歩約20分 ◯講評会:2月26日(土)15:00〜(予定) 社会情勢によって変更が生じた場合には随時お知らせ致します。 中国、日本と生まれ育った国も環境も違う若手作者30人は、日本写真芸術専門学校総合写真研究ゼミで学んでいます。その学生による写真展を開催します。 コロナ禍で様々なことが制限され、写真を撮るために旅に出ることも許されず、外出することすらままならない日々もありました。街にはマスクに覆われ表情の見えない人々ばかりで、私達の将来への不安をはますます大きくなっています。さらに、AIやロボット技術の発展により、今後、現在の職業は半分まで減ると言われています。そして、デジタルデバイスや動画再生技術の普及により、写真の需要も減りつつあるとのことです。 今、私達が写真を撮る意味とは何か。写真を通して何を伝えられるのか。私達はまだ答えを導き出せていませんが、日々誰かを想い、誰かを信じて、今は自分のための写真を撮り続けています。いつかの私が、いつかの君が、前を向いていますように。今の私や今の君の努力が、1年後、10年後、報われますように。 そんな社会になりますように、私達は祈り続けています。この展覧会を通して、私たちの覚悟をお見せしたいと思います。

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文化庁主催のイベントサイト「MAGMA sessions」が本年度は令和4年2月16日(水)から公開予定 報告会のライブ配信も

文化庁は、令和3年度メディア芸術連携基盤等整備推進事業の取り組みの一環として、メディア芸術4分野(マンガ分野・アニメーション分野・ゲーム分野・メディアアート分野)それぞれのアーカイブの現状を知り、これからを考えるイベントサイト「MAGMA sessions」(https://mediag.bunka.go.jp/magmasessions/2021)をメディア芸術関係者や広く一般の方々に向け、令和4年2月16日(水)から無料公開します。メディア芸術アーカイブ推進支援事業の令和3年度採択事業事例として「日本特撮アーカイブ」の取り組みを紹介するコンテンツを皮切りに、2月22日(火)には、令和3年度メディア芸術連携基盤等整備推進事業の成果報告会の様子をライブ配信します。その後、メディア芸術の様々な分野の有識者によるトークセッションやインタビューを順次公開。併せて昨年度のMAGMA sessionsのアーカイブサイトも2月9日(水)より再び公開します。 ◼︎本サイト「MAGMA sessions」の目的MAGMA sessionsでは、普段あまり取り上げられることのないメディア芸術4分野(マンガ分野・アニメーション分野・ゲーム分野・メディアアート分野)のアーカイブの現在とこれからにスポットを当て、その課題、意義のみならず、その面白さを発信していきます。本サイトにより、多くの方にメディア芸術におけるアーカイブ活動の意義を知っていただき、アーカイブについて考えるきっかけをつくりたいと考えています。また、令和3年2月16日(火)に公開された「MAGMA sessions」は、下記URLよりご覧いただけます。https://mediag.bunka.go.jp/magmasessions/2020 令和3年2月に公開されたMAGMA sessionsの収録の様子  昨年末に行われたMAGMA sessions収録の様子(令和4年2月16日以降に公開予定)  ※MAGMA sessionsのMAGMAは、Manga/Animation/Game/Media Artの頭文字の組み合わせです。 ※令和3年度メディア芸術連携基盤等整備推進事業について産・学・館(官)の連携・協力により、メディア芸術の分野・領域を横断して一体的に課題解決に取り組むとともに、所蔵情報等の整備及び各研究機関等におけるメディア芸術作品のアーカイブ化の支援をしています。また、アーカイブ化した作品・資料等を活用した展示の実施に係る手法等を開発・検討することにより、貴重な作品・資料等の鑑賞機会の創出、インバウンドの増加を図るとともに、アーカイブ及びキュレーションの実践の場として提供することで、今後のメディア芸術の作品等の収集・保存・活用を担う専門人材の育成を図っています。メディア芸術コンソーシアムJV事務局は、本事業を文化庁より受託運営しています。 【文化庁サイト】https://www.bunka.go.jp/seisaku/geijutsubunka/media_art/ ■サイト概要イベントサイト名:MAGMA sessionsサイトURL:https://mediag.bunka.go.jp/magmasessions/2021公開開始予定日:令和4年2月16日(水)~順次公開開始予定 〈運営体制〉主催:文化庁運営:メディア芸術コンソーシアムJV事務局総合ディレクター:山内康裕(一般社団法人マンガナイト 代表理事)クリエイティブディレクター:小田雄太(COMPOUND.inc代表)問合せ先:media@mext.go.jp ■第一弾発表プログラム(予定) 令和4年2月16日(水)13時公開開始予定令和3年度メディア芸術アーカイブ推進支援事業 採択事業の紹介 「日本特撮アーカイブ」の取り組みについて〈登壇者〉 河合 隆平 森ビル株式会社 令和4年2月22日(火)13時~16時半 ※ライブ配信予定のみ令和3年度メディア芸術連携基盤等整備推進事業 報告会本事業におけるメディア芸術4分野(マンガ・アニメーション・ゲーム・メディアアート)の事業成果報告等をライブ配信します。ライブ配信は12時50分から本サイトで立ち上げ予定です。 令和4年3月4日(金)13時公開開始予定①マンガ分野インタビューマンガアーカイブの軌跡とこれからの課題-時代の変遷と共に高まるアーカイブへの期待〈登壇者〉 吉村 和真 京都精華大学 マンガ学部教授/専務理事 ②アニメーション分野インタビューアニメーション分野におけるデータベースの必要性と可能性-制作者の功績を遺して文化を繋ぐ〈登壇者〉 大坪 英之 NPO法人アニメ特撮アーカイブ機構(ATAC)事務局長  日本アニメーター・演出協会(JAniCA) ③ゲーム分野インタビューゲームアーカイブは歌舞伎にならう-技術とともに進化するコンテンツを保存するために〈登壇者〉 細井 浩一 立命館大学 映像学部教授 立命館大学...

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日本一ウェルネスな観光協会を目指す!北中城村観光協会、ミッションステートメント構築と新就業規則。LGBTQパートナーシップ対応やペットの慶弔休暇も!(沖縄県)

スポーツとあらゆる産業の共創でビジネス創出を目指すアクセラレーショプログラムにて、成果発表会(DEMODAY)を開催! スポーツ庁とeiiconが運営するアクセラレーションプログラムに参加・採択された全国4か所、スポーツチーム・団体と採択パートナーによる12の共創プロジェクトが成果発表の場に登壇! 一  eiicon company(所在地:東京都港区南青山、代表:中村 亜由子)は、スポーツ庁より受託運営している、令和3年度スポーツ産業の成長促進事業「スポーツオープンイノベーション推進事業(地域版SOIPの先進事例形成)」において、全国4地域にて実施しているアクセラレーションプログラム「INNOVATION LEAGUE SPORTS BUSINESS BUILD」(以下、本プロジェクト)の成果を発表する「DEMODAY」を2022年2月28日(月)に実施いたします。 併せて、本日よりDEMODAYの参加者の募集を開始いたします。 【スポーツ庁 x eiicon company】『INNOVATION LEAGUE SPORTS BUSINESS BUILD DEMODAY』 日本最大級のオープンイノベーションプラットフォームAUBA(アウバ)を運営するeiicon companyは、本事業をスポーツ庁より受託。同庁や運営パートナーの皆様とともに、企画・設計・運用からPR戦略まで、本事業ならびに本プログラムの運営全般を強力にサポートしております。 ■当日は、スポーツチーム・団体と他産業の共創による事業アイデアの発表や、トークセッションを実施! 本プロジェクトは、「スポーツの成長産業化」、「スポーツを核とした地域活性化」を目的として、全国4地域(北海道・関西・中国・沖縄)のスポーツチーム・団体とタッグを組み、スポーツに関する新規事業の開発を目指すプロジェクトです。 DEMODAY当日、各スポーツチーム・団体は、本プロジェクトを通してブラッシュアップした事業アイデアをピッチ形式で発表。 スポーツチームと他産業の共創により生み出された事業アイデアが、インキュベーション期間を経てどのような成長を遂げたのか、事業アイデアを社会実装するまでには今後どのようなステップが必要なのか…各スポーツチーム・団体が約4ヵ月間取り組んだプロジェクトの成果発表をDEMODAYにて行います。 なお、スポーツに関する新規事業開発について、当日は特別セッションも実施予定です。スポーツ業界の「ナカ」と「ソト」から、スポーツを1つの産業として捉えた際の「現在の状況」や「課題」、「スポーツ産業の可能性」について、登壇者の経験・事例を交えながらご紹介いたします。 ■DEMODAY 実施概要・日時        :2022年2月28日(月)13:00~18:20(予定)・会場        :東京都渋谷区千駄ヶ谷五丁目24番55号 LUMINE 0 ※COVID-19等の状況により、オンラインでの開催の可能性もあります。・参加費   :無料 ・プログラム    : 13:00~13:05 オープニング 13:05~13:30 主催者挨拶 / 地域版SOIPの説明 13:30~14:15  セッション①『ナカからみるスポーツ業界のイマとミライ』  ・パネラー   鈴木 順(公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)社会連携部 部長)   前沢...