第26回日中カラオケコンクール決勝大会が大盛況のうちに閉幕
冬の寒さを感じる11月28日夜、東京都練馬区の生涯学習センターの外で、建物の中で、口ずさむ歌声が聞こえてくる。第26回日中カラオケコンクールの決勝大会が今しも始まろうとしており、参加者は最後まで練習に余念がない。日本の歌を中国人が歌い、中国の歌を日本人が歌う。このシンプルなルールのもと、日本と中国の各地から集まったのど自慢たちが競い合う本大会は、1998年に始まった歴史あるカラオケコンクールだ。コロナの間もオンラインで開催し、ようやく再び参加者が観客の前で歌うときがきた。常連も多いというが、初めての人も経験者の人も堂々たる歌いっぷりをみせ、日本人と中国人がそれぞれ最優秀賞、優秀賞、歌唱賞、日中通信社賞、審査員賞、パフォーマンス賞を受賞した。
26回目を迎える日中カラオケコンクール決勝大会には総勢32組33名が決勝に臨んだ。写真/日中通信社
トップバッターに漢服で登場した何梁棟さんは「津軽海峡冬景色」を熱唱。いきなりうまい。声量もたっぷりで日本語の発音も聞きやすい何さんは見事、優秀賞に輝いた。「天にも昇る思いです」と笑顔で一言。「歌は、好きです!」と始まる前に意気込みをみせた劉昴さんは、北京でもこのような大会に出たことがあるそうだが本大会は初出場。細川たかしさんの「北酒場」を歌い始めるやご本人と見紛うばかりの高音で、すぐに会場の手拍子を誘った。いつも公園で練習をするという唯一のデュエット、森まり子さんと石川啓子さんはもう4回目の参加で、歌唱賞を受賞。涙の授賞式となった。かわいらしい振り付けで表演賞を受賞したのは最年少5歳の西川友里さん。長身のタキシード姿、唐之驄さんは渋い低音ボイスで美川憲一さんの「釧路の夜」を歌い、日中通信社賞を受賞した。コロナ前に参加したことがあり、今回の開催を知ってわざわざ北京から参加したという。
全員が歌い終えたあと、舞台に登場したのはドラマ「燃えろアタック」の小鹿純子役で中国でも大人気になった荒木由美子さん。日本で30年以上にわたり音楽活動をされている謝鳴さんと中国の名曲「当你老了」日本語版を二人で歌った。楽屋で話に花を咲かせた様子を会場に披露した荒木さんが、最初に謝鳴さんのマイクのスイッチを助ける場面もあり、お二人の姿が日中交流そのものを体現するような温かい空気が会場を包んだ。
仲の良さを感じさせるビッグスターのお二人。写真/日中通信社
総勢32組33人の個性豊かでレベルの高い戦いに審査は難航した。最優秀賞に輝いたのは、日本人が「青藏高原」を歌った岡島瑶さん、中国人が「霧の川」を歌った蘇日娜さん。表彰式で涙を見せた岡島瑶さんは何回か参加しているのでことのほか嬉しいと話し、「楽しかった」と会心の笑顔。蘇日娜さんは演歌が大好きで、特に好きな丘みどりさんの自信の曲で臨み、「最高です。思い出に残る経験となりました」と喜びを語った。日本人の優秀賞は白方健さん、「你快回来」をとても自然な中国語で歌い上げていた。審査委員長の著名な音楽プロデューサー・大友光悦氏は表彰式の挨拶で、以前ある参加者がこの大会では参加者同士で交流できるのが楽しいと言っていたと話したが、終わったあとで参加者たちが仲良く話したり打ち上げに行ったりする様子は、本大会の日中友好のプラットフォームとしての厚みを感じさせた。
最優秀賞に輝いた日本人の岡島瑶さん(左)と蘇日娜さん(右)写真/日中通信社
本大会の主催は株式会社日中通信社、後援は外務省・中華人民共和国駐日本国大使館文化部・日中友好協会。主催者は後援及び協力企業などに感謝の意を表し、大会総合プロデューサーの胡文娟氏は今年の国際的な歌声の力と5歳から81歳まで年齢の幅広さを強調した。また実行委員会会長の張一帆氏はこれからも中日友好を促進するプラットフォームとなり歌声を通じた中日友情の架け橋となり続けると述べた。
当日のもようは12月2日(土)より映像が配信される。
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