東西問・「外交ボイコット」は3つのマイナス効果をもたらす

2021年7月20日に 国際オリンピック委員会(IOC) 第138回会議が東京で行われた。CnsPhoto

 いわゆる「外交ボイコット」は、北京冬季オリンピックに実質的なダメージを与えることなく、かえって、少なくとも3つのマイナス効果をもたらすだろう。
 第一に、「外交ボイコット」はオリンピックを政治化させることであり、国際オリンピック精神を損ねる。
 国際オリンピック委員会が策定したオリンピック運動に関する最高文書である「オリンピック憲章」は何度も改正されたが、オリンピックが政治化されるべきではないという重要な精神は維持され、平和かつよりよい世界をつくるという呼びかけを繰り返して行ってきた。今年7月、国際オリンピック委員会は、100年間続いたオリンピックのモットーを「より速く、より高く、より強く、共に」に更新することを承認した。パンデミックが世界規模の大変化と重なる時代背景において、「共に」の重要性は前例のないものだった。

 アメリカはスポーツ大国であり、国際オリンピックファミリーの一員であり、もともと「共に」の擁護者であり、オリンピック憲章の実践者であるべきである。今のところ、発言はオリンピックのモットーにそぐわず、その行動は憲章の規定に反しており、オリンピック精神に与える損害ははかり知れない。
 第二に、いわゆる「外交ボイコット」は、北京冬季オリンピックの国際的影響力を損なわないが、米国の国際的イメージを弱めるだろう。
 国際オリンピック委員会(IOC)の元副会長であるディック・パウンド氏は、いわゆる「外交ボイコット」に反応し、「これが中国に影響を与えるかどうかは、臆測するしかないが、私は、基本的にないと思う」と述べた。「現在、北京冬季オリンピックの準備は秒読み段階に入り、IOCを含む国際社会は準備作業を高く評価しており、多くの外国人選手が中国に来て参加することを熱望しており、このスポーツイベントの実質的な価値は、特定の国の「ボイコット」によって実質的に影響を受けない。
 中国の著名なオリンピック研究専門家の易剣東氏が言うとおりで、オリンピックスポーツを受け入れ、尊重する国であれば、世界はいかなる状況においても、オリンピックをボイコットすべきではない。

1984年5月にロサンゼルス五輪大会。CnsPhoto

 第三に、「外交的ボイコット」は、目的が達成されないだけでなく、副作用が生じやすい。
 1980年のモスクワ・オリンピックでは、ソ連がアフガニスタンに侵攻したという理由だが、1984年には、ソ連及び東欧諸国がロサンゼルス・オリンピックをボイコットした。ボイコットと報復が目的を果たさなかっただけでなく、新たな憎悪をかき立てたことは歴史が証明している。
 冬季オリンピックは、政治ショーや政治運動の舞台ではない。アメリカの政治家が何の招待も受けていない状況において、繰り返し北京冬季オリンピックの「外交ボイコット」を大々的に宣伝することは、中国人民への無礼であり、国際的なスポーツと平和を愛する人々を失望させる。   
 中国は、アメリカに対する強い不満と断固たる反対を表明し、既にアメリカには厳正に抗議し、断固たる対抗措置をとると明言している。中国外務省の趙立堅報道官が言うとおり、「米国の政治的陰謀は、大衆の支持を得られず、失敗に終わる運命にある」のだ。


〔中新網/東西問 2021年12月8日〕

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