報告書「中国都市のイノベーション力が急速に台頭」―中国

グローバルデータ分析会社のエルゼビアと上海市研究開発公共サービスプラットフォーム管理センターが共同で発表した「国際科学・技術・イノベーションのデータと見解――世界20都市の比較研究報告書」によると、中国の都市は科学研究者と科学研究産出の総量および成長が優れており、うち北京市と上海市の科学研究者の数と科学研究の産出が最多で、深セン市の科学研究者の数と科学研究産出の成長率がトップとなっている。環球網が伝えた。

同報告書は主に、上述した双方の2016−20年の5年間に及ぶ大量の科学研究データに基づき、計量的指標により世界20の重要都市の科学研究・イノベーション能力を調査した。これにはシンガポールや東京などのアジア8都市(北京、上海、深セン、香港の中国4都市を含む)、ロンドンやベルリンなどの欧州6都市、ニューヨークやボストンなどの北米6都市が含まれる。

同報告書によると、科学研究人材の集積について、2016−20年の北京、上海、深セン、香港の科学研究者の複合年間成長率がすべての調査対象都市の中で上位だった。これは中国による近年の科学研究人材の育成、支援、拡大の優れた成果を反映している。都市別に見ると、深センの科学研究者の数の伸び幅が最大で、複合年間成長率が34.1%に上っている。深センは人材誘致でも明らかな強みを見せ、「流入」科学研究人材の割合が13.2%と、ソウルに次ぐ2位となっている。上海と北京は科学研究人材の引き止めに大きな優位性を見せ、定住科学研究者がすべての調査対象都市の2、3位となっている。

このほか、科学研究の産出の面では、北京の論文発表量が2位を大きく引き離しての1位で、5年間で累計72万本余りの論文を発表している。上海は32万本余りで2位。一方、深センは科学研究産出の成長率でリードしており、複合年間成長率が31.5%と、2位のモスクワ(11.3%)、3位の上海(10.5%)を大きく上回っている。学術的な影響力の面では、中国の都市による高影響力刊行物の数が大幅に増えている。優秀科学研究成果(「セル」「ネイチャー」「サイエンス」などを含むCNS刊行物と、世界トップ1%内の高被引用論文)の複合年間成長率を見ると、深センは20都市のうちトップで、それぞれ67.4%、29.3%となっている。

国家間協力の面では、データによると、国際共同発表の論文の絶対数を見ると、北京が20都市のうちトップとなっている。国際共同発表の論文がすべての論文に占める割合を見ると、香港が71.4%でトップ。

また同報告書によると、科学研究人材とイノベーションの活力は、都市の科学研究の競争力及び科学研究成果の転化の発展にとって極めて重要だ。

中国社会科学院都市・競争力研究センター長を務める倪鵬飛教授は、「第14次五カ年計画期間(2021−25年)の重要任務として、都市による科学研究の最先端の場の形成、地域科学技術イノベーションセンターの構築への支援が、すでに中国の科学技術戦略の重要な議題になっている。そのため、世界の都市のイノベーション力構造を全面的に分析し、中国の都市のイノベーション力の現状を知るとともにそのポテンシャルを掘り起こすことで、世界トップの科学技術イノベーション力を持つ中国の都市を建設するための参考材料と貴重な経験を提供することになる」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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