中国の「パンダ外交」、唐の時代に日本へ贈呈説、サッカーW杯開催国カタールへも―仏メディア
仏紙ラ・クロワ(電子版)はこのほど、「唐の時代からカタールワールドカップまでの中国の『 パンダ外交 』」とする記事を掲載した。中国メディアの参考消息が1日、その内容を要約して次のように伝えている。
中国は2012年に2頭のジャイアントパンダ「円仔(ユアンザイ)」と「歓歓(フアンフアン)」をフランスに貸し出した。この豪華な贈り物は「パンダ外交」と呼ばれるほど、中国では一般的な慣行だ。
中国は先月27日、11月から12月にかけてカタールで開催されるサッカーのワールドカップを祝うため、2頭のジャイアントパンダが間もなくカタールに到着すると発表した。カタールはパンダ外交の新たな受益者となる。
セント・メアリーズ・カレッジ・オブ・カリフォルニアのエレナ・ソングスター教授は、著書「The Nation of the Panda」で、パンダ外交について、ソフトパワーにおける中国の最大の「成功」の一つと指摘している。中国は、パンダ外交を通じて20世紀に世界の舞台の中心に戻り、より親しげな「新たな顔」を見せた。
この手法は古くからあるようで、唐の時代に女帝の武則天(624~705)が日本に2頭のジャイアントパンダを贈呈したという説がある。
新中国成立後には、1957年から1982年までに23頭のジャイアントパンダが9つの異なる国に贈呈されたが、そのピークは1972年のニクソン米大統領の訪中だ。「玲玲(リンリン)」と「興興(シンシン)」がワシントン動物園に贈られ、米国はその返礼としてジャコウウシのつがいを贈った。
米国の大衆を狙った中国のパンダ外交は大成功を収めた。ワシントン動物園には公開初日に約2万人が駆けつけ、翌年には100万人を超えた。
中国政府は1984年にジャイアントパンダの贈呈政策を中止し、その代わりに長期間の貸し出しを始めた。
研究者が述べているように、中国政府が外国とのパートナーシップを拡大しようとしている時、パンダ外交には「明るい未来がある」ことをすべてが示唆している。(翻訳・編集/柳川)