IT系外国籍人材の国内ニーズを調査 ~コロナやDX推進を経て中国のIT人材ニーズが増加中~
ビジネス・プロフェッショナル×バイリンガルのための転職・求人情報サイト「Daijob.com」を展開するヒューマングローバルタレント株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:横川 友樹、以下「当社」)は、同サイトの登録者を対象に「IT系外国籍人材の国内ニーズ」について独自調査を行いました。
【調査結果のポイント】
■外国籍人材「IT関連」職種は、前年同期間と比べ大都市以外の地域で企業から求職者へのスカウト数(※1)が増加 ■多くの世界的IT企業を輩出する中国のIT人材ニーズが大幅に増加 ■語学力別では、日本語「最低限のコミュニケーション」「流暢」「ネイティヴ」レベルが増加 |
※1.スカウトとは、Daijob.comを利用している企業が、求職者が公開する匿名履歴書に対して、検索・閲覧を行い、ダイレクトにメール連絡ができる機能
【はじめに】
2019年に経済産業省から発表された調査によると、日本国内におけるIT人材は、2030年に最大で79万人の人材不足に陥ると予測されており、外国籍のIT人材は日本国内でニーズが高まっている状況にあります。特に、新型コロナウイルスによって急速に普及したテレワークや、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の影響もあり、2020年~2021年は、日本国内の転職者数が減少傾向にある中(※2)、日本在住で当社サイトに登録している外国籍IT人材のニーズは高まっておりました。(※3)今回は、新型コロナの影響による仕事や職場環境の変化が落ち着いてきた2021年7月~2022年6月年と、その前年を比較して、日本国内の外国籍IT人材ニーズを調査しました。
【本調査の概要】
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【期間】①2020年7月~2021年6月 ②2021年7月~2022年6月
【機関】ヒューマングローバルタレント株式会社
【対象】Daijob.comに掲載している企業からスカウトを受けた外国籍の日本在住者で、最終経験職種が「IT関連」(オープン・WEB系、インフラ系、汎用系、組込み/制御系、その他)の求職者
【人数】①1,364人 ②1,278人
【方法】自社サイトの登録者データから抽出
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【調査結果】
1.外国籍人材「IT関連」職種は、前年同期間と比べ大都市以外の地域で企業から求職者へのスカウト数が増加した
企業からスカウトを受けた「IT関連」職種の求職者は、調査期間①(2020年7月~2021年6月)と調査期間②(2021年7月~2022年6月)で比較すると、東京では増加率が91.5%だった一方で、大都市圏以外では120%以上の増加率となる地域が多数あり、福岡県、京都府、茨城県、群馬県、宮城県、岡山県、岐阜県、奈良県などで企業からのニーズが増えました。
2.多くの世界的IT企業を輩出する中国のIT人材ニーズが大幅に増加
国籍別に、企業からスカウトを受けた「IT関連」職種の求職者を見ると、中国、インド、フィリピンが100名以上になり、特に中国の人材が大幅に増加しました。IT業界では、中国の4大IT企業「Baidu(バイドゥ)」「Alibaba(アリババ)」「Tencent(テンセント)」「Huawei(ファーウェイ)」が、世界市場で存在感を発揮しており、中国出身の優秀なIT人材のニーズが高まっています。また、昨年(2021年7月)公開したコロナ禍前後を比較した当社の調査データでは(※3)、コロナ禍以降、ミャンマーの増加率が突出していたように、今回の集計結果では5番目に多い結果となり、昨年の16番目から大きく順位が上がりました。
3.語学力別では、日本語「最低限のコミュニケーション」「流暢」「ネイティヴ」レベルが増加した
語学力別では、どの英語レベルでも全体的に微減となりました。日本語のレベル別では、「最低限のコミュニケーション」と「流暢」「ネイティヴ」レベルが微増し、最も大きく減少していたのは、日本語「日常会話」レベルという結果になりました。昨年公開した当社の調査では(※4)、コロナ前と比べ、日本語「日常会話」レベルの人材ニーズが2倍になり、コミュニケーションスキルよりもITスキルの方が重視される傾向にありました。コロナ禍において急速なDX化が進む中、IT人材の採用が急務だったためと推測します。今回の調査結果では、日本語「流暢」レベルの人材ニーズが最も高まっているため、再び、外国籍IT人材に高い日本語コミュニケーション能力が求められていることが、明らかになりました。
【調査結果を受けて】
ヒューマングローバルタレント株式会社 代表取締役 / 一般社団法人外国人雇用協議会 理事 横川 友樹
今後、場所や時間を問わない働き方が、ますます増加していくと予想されています。その背景には、日本における労働人口減と産業構造の変化があります。昨今、自社で人を育てるリスキリング(職業スキルを新たに身につけること)も注目されている一方、社内育成を担当する人材が少なく、また、育成にかける時間も不十分な企業が、外部から人を採用することが増加し、人材の流動化は加速しています。その中でも特にIT人材は、オンライン上で進められる業務も多く、英語力のある人材の流動化は、引き続き活発化していくと思われます。1社に留まる人材が減少することで、年間の採用人数は増加しますが、一方で各企業が採用にかけられる予算を大幅に増加させることが厳しいのが現状です。いかに求人費を抑制し、採用工数を改善、事業スピードを人的な側面から加速させることができるのか、特にグローバルビジネスを手がけている人事の役割は、会社の成長にとって非常に重要な局面にきていると考えています。
<プロフィール> 2007年に早稲田大学スポーツ科学部卒業。株式会社ベイカレント・コンサルティングにてビジネスプロデューサー職を担当後、2010年よりヒューマングローバルタレント株式会社にて勤務。メディア営業部、事業推進室、人材紹介部にて営業・マーケティング業務を経て、2020年より現職。グローバル人材の採用において、1200社以上に携わってきた経験を活かし、当社主催イベントをはじめ、経済産業省、厚生労働省が後援するビジネスサミットに多数登壇するなど、グローバル人材の転職市場に深い知見を持つ。
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※2.出典:厚生労働省「労働経済の分析」令和4年版
※3.※4.出典:2021年7月公開の「IT系外国籍人材の国内ニーズ、コロナ以降に急増した地域・出身国は? ~英語・日本語レベルによって市場動向も変化あり~」(https://corp.daijob.com/news/news/20210729)
■ヒューマングローバルタレント株式会社について
ビジネス・プロフェッショナル×バイリンガルのための転職・求人情報サイトDaijob.comは、1998年のオープンより日本を中心に、会員数67万人、求人掲載数常時10,000件以上と、世界27カ国、のべ8,400社以上の外資・日系グローバル企業から高い評価を得てきました。他にも海外転職専門の「Working Abroad」や、職種やスキルに特化した「Daijob Specialists」シリーズの転職サイトを展開し、ダイレクトリクルーティングを含め、企業と求職者との効率的なオンラインマッチングの場を提供しています。
■ヒューマングループについて
ヒューマングループは、教育事業を中核に、人材、介護、保育、美容、スポーツ、ITと多岐にわたる事業を展開しています。1985年の創業以来「為世為人(いせいいじん)」を経営理念に掲げ、教育を中心とする各事業を通じて、労働力不足、高齢化社会、待機児童問題など、時代とともに変化するさまざまな社会課題の解決に取り組み、独自のビジネスモデルを展開してきました。
人と社会に向き合い続けてきたヒューマングループは、いま世界全体で達成すべき目標として掲げられたSDGs(持続可能な開発目標)にも積極的に取り組んでいきます。SDGsへの貢献を通じて、「為世為人」の実現を加速させ、より良い社会づくりに貢献していきます。
●ヒューマンホールディングスWEBサイト:https://www.athuman.com/
会社概要
ヒューマングローバルタレント株式会社
●代表者:代表取締役 横川 友樹●所在地:東京都新宿区西新宿7丁目5番25号 西新宿プライムスクエア2F
●事業内容:バイリンガルに特化した就職・転職の求人広告事業、人材紹介事業、イベント事業
●資本金:1,000万円 ●URL:https://corp.daijob.com/ ●運営サイト:https://www.daijob.com