成都市に向けた初の市民訪中団派遣 2025東京都日中友好協会成都市訪中団
認定NPO法人東京都日中友好協会は、2024年6月23日から27日にかけて、16名の民間経済代表団を成都市に派遣した。本訪問は、東京都日中友好協会と成都市人民対外友好協会が昨年10月に友好交流の覚書(MOU)締結以来、初めての公式事業として、首都・東京と四川省成都市の間で民間レベルの多様な交流を促進し、経済・文化・観光分野での連携を一層強化することを目的として開催された。
代表団は、東京都日中友好協会顧問の中野修氏を団長とし、他にも東京商工会議所や貿易、都市設計、不動産、医療福祉、観光、エンターテイメント、飲食店、デザイン、コンサルなど、幅広い業界から企業経営者や専門家などで構成された。

2025成都ー東京民間友好交流活動座談会に参加したメンバーでの集合写真 写真提供:成都市人民対外友好協会
■パンダ基地や酒造メーカーなど成都の代表的施設を見学
訪問団は視察初日、成都を代表する観光資源「成都パンダ繁育研究基地」を訪れ、保護活動や繁殖研究の取り組みを視察した。その後、高齢者ケア施設「新都頤康居健康養老センター」、伝統陶磁器文化を伝える「邛窯遺跡博物館」、さらに地元の酒造関連施設「酒業ドリームファクトリー」など、成都市の特色ある施設を相次いで見学した。

成都市内にある養老施設の視察 写真提供:成都市人民対外友好協会

成都市内にある酒造メーカーの工場視察 写真提供:成都市人民対外友好協会

成都市内にあるウィスキーメーカーの施設紹介 写真提供:成都市人民対外友好協会
■分野ごとに複数グループで企業訪問
視察2日目は3つの視察ルートに分かれ、参加者はそれぞれの関心に応じて現場を訪問した。崇州市の竹細工村やプラスチック技術会社では、地場産業の最新技術に触れたほか、アニメ産業パークや工業遺産を活用した文化拠点「東郊記憶」などでは、若者文化やクリエイティブ産業の取り組みを確認した。
また同日には成都市工商連合会、成都市人民対外友好協会をはじめとした現地関係団体との意見交換や晩餐会も行い、対日経済貿易交流の最新状況や今後の協力可能性について、活発な意見が交わされた。

成都市内にあるアニメ産業エリアの視察 写真提供:成都市人民対外友好協会

VRやAR体験によるエンタメコンテンツも充実 写真提供:成都市人民対外友好協会

成都市内にあるスポーツ会社を視察 写真提供:成都市人民対外友好協会
■地域間の民間交流拡大へ
視察最終日は、午前中に日中(成都)地方協力発展モデルゾーンを訪ね、成都市中日モデルプロジェクト弁公室責任者から対日本における経済交流現状の紹介が行われ、また展示会場において成都市内における日系企業の活躍や、現地企業との合作状況などを視察。午後には「2025成都―東京民間友好交流懇談会」が成都市の武侯祠博物館で開かれ、地域間の民間交流の方向性について話し合われた。参加者からは、人的交流のさらなる拡充や、アニメ・観光・文化を軸とした連携強化を求める声が多く挙がったという。今回の訪問を機に、今後も地域レベルでの交流機会が広がることが期待されている。

成都市と日本の経済交流に関する展示の紹介 写真提供:成都市人民対外友好協会

2025成都ー東京民間友好交流座談会の様子 写真提供:成都市人民対外友好協会