「ドラマ+無形文化遺産」、東方美学を現代の感覚で表現
ドラマから見る「衣食住行娯」文化
歓娯影視はドラマの海外進出を積極的に進めるだけでなく、文化産業チェーンを広げることにも力を入れている。ドラマに登場する古書や衣装、関連グッズ、食べ物などが海外で大きな反響を呼び、海外の視聴者に東方美学と文化を広く伝え、国際的な文化交流と理解を深めた。歓娯影視は、「中国五千年の文明は文芸作品の創作において尽きせぬ、そして使い尽くせぬ貴重な源泉であり、また中国のドラマ作品が世界で身を立てる礎でもある」と説明する。同社は無形文化遺産の技術を解読することで東方美学の現代的表現を実現してきた。ドラマを通じて中国の美意識を伝え、中国の素晴らしい伝統文化を紹介している。

『玉楼春 ~君に詠むロマンス~』で使用された衣装の数々
歓娯影視の人気古装ドラマの一つひとつは、配色からメイク、衣装まで、シンプルであれ華美であれ、高度な再現であれ再創作であれ、すべては中国の伝統文化の美意識に裏打ちされており、東方の伝統美学に含まれる意味が表現されている。歓娯影視は「ドラマ+無形文化遺産」というアプローチを確立し、中国の様々な王朝の歴史的背景から、ドラマになり得る可能性を秘めた物語を発掘している。多くの優れた伝統文化や無形文化遺産の技術、その他の中国の文化要素をドラマ作品の「衣食住行娯」に埋め込んでいる。例えば『清越坊の女たち~当家主母~』は、製織技術と中国の生地に焦点を当て、国内初の無形文化遺産「緙糸」(つづれ織り)をテーマにしたドラマである。

『玉楼春 ~君に詠むロマンス~』で使用された衣装
また『玉楼春 ~君に詠むロマンス~』は明朝の時代を背景に、「皮影戯」(影絵芝居)を物語の道具立てとして、山水画絵巻のようなロマンティックで耽美な雰囲気を醸し出している。また、劇中に出てくる衣装、髪飾り、食べ物、生活道具などは職人精神によって手作りされ、明朝時代の雰囲気を再現している。『為有暗香来(原題)』は五代時代を背景に、伝統的お香の技術に焦点を当て、夢のような世界を描いて中国の古典物語文学の魅力を伝えている。さらに 『大唐流流~宮廷を支えた若き女官~』は唐代末期の古い絵を参考に、精巧で美しい古装ドラマの世界を表現した。伝統的な古装題材の雰囲気が濃厚でありながら軽快なプロットでもあり、視覚的・聴覚的な美しさを極め、全く新しい古装ドラマのスタイルを切り開いた。

『大唐流流~宮廷を支えた若き女官』で使用された衣装
その他にも、劇中で撮影される建築物はストーリーの内容や背景によって設計して造られる。例えば 『大唐流流』では色彩の基調は質朴さと繁栄時代の華美さを合わせもつことに重点を置き、全体として落ち着きのある雰囲気が漂っている。また同作の美術セットでは、大量の史料記述にあたることで、制作チームは9ヶ月もの期間をかけて、敷地面積が3万平方メートルに及ぶ東宮、太極殿及び大小のシーン合計300余りを造った。それは実に全シーンの60%を超えている。
ドラマを制作するにあたり、歴史的な雰囲気と現代人の美意識を土台として、人と自然の完璧な融合を実現するために細部に至るまで創造と調和に注意が払われているのである。