Category: 国際・日中関係

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世代を超えて日中交流を語り合う 『和華』32号出版記念セミナー実施報告

3月5日、多元文化会館にて『和華』32号出版記念セミナーが開催された。日中文化交流誌『和華』は2013年に一留学生によって創刊された、日本と中国の文化的結びつきを紹介しながら両国の民間交流を促進する雑誌で、毎号ひとつのテーマを掘り下げて日中文化の魅力を再発見する。第32号では国交正常化50周年を記念して「知られざる日中交流の物語」を特集した。本セミナーはその出版記念セミナーとして開催された。 本セミナーは「日中これまでの歩みと今後の展望」をテーマに、第1部が特別講演、第2部がディスカッションの二部構成で、オンライン・オフライン両方で行われた。第1部では日中友好団体、関係団体の取り組みを紹介した32号特集の中でインタビューが掲載された、中国研究所会長・田中哲二氏と日中協会理事長・瀬野清水氏の特別講演が行われた。第2部では日中学生会議第41期委員長の今井美佑さんと一般財団法人日本アジア共同体文化協力機構の磯尚太郎さんが若者代表として登壇し、第1部講演者の田中氏、瀬野氏と共にディスカッションを行った。 田中氏は「日中文化・経済交流の歩みと今後の展望」と題し、日中国交正常化前後からの経済交流の歴史を振り返り、また1956年の京劇俳優・梅蘭芳来日の際に直接公演を見たこと、1972年の上野動物園にパンダ2頭が寄贈されたことなど、自身の記憶もまじえて文化交流の歴史についても紹介した。また周恩来元総理の存在の大きさと「日中関係の未来は深く歴史を学び相手の立場を理解できる若者の数とその双肩に懸かっている」という言葉を紹介し、今後の日中関係にはジェネラリストの育成や日中間の情報を的確に客観化できる能力の育成がよりいっそう求められること、日中交流を志す者は同時に真正の国際人でなければならないと、会場の若者に力強くメッセージを伝えた。 瀬野氏は「日中民間交流と国交正常化の歩み」と題し、通算25年間中国に駐在した外交官の経験を惜しみなく披露し、1943年のカイロ宣言から日中国交正常化の歩みを概観した。また1954年に当時の周恩来総理とインドのネルー首相との会談で核にされ日中共同声明でも謳われた外交原則「平和五原則」や1972年の日中共同声明で合意された「復交三原則」をわかりやすく解説し、日中国交正常化が大勢の人々の命がけとも言える苦労の末に実現したことを改めて認識してさらに今後の50年、100年へとグレードをあげて発展させていかなければ日本は進むべき道を誤るのではないかと話した。そして今後の日中関係は、共通の目的を目指して同じ方向を向いて共に努力することが大切だと締めくくった。 第2部は孫ぐらいに年の離れた若者二人が加わり、世代を超えて日中交流について話し合った。共に留学経験がある今井さんと磯さんは、それぞれの経験をもとに現代の日中交流について考えを述べた。今井さんは最初の頃はアニメなどの影響で日本人というだけで仲良くしてくれると思っていたが、交流を通じてやはりより深く知るためには相手を理解する必要があると感じるようになったという。磯さんは、現代はネットを通じて多くの情報に触れることができ、現地と同じリアリティを感じることができるようになった反面、たとえば中国語を学ぶなどして積極的に情報収集をしていくまでの壁が意外と高いのではないかと話した。 一方田中氏と瀬野氏は、情報量は膨大になっているが、それを選別するセンスを磨く必要があるのではないかということ、また等身大の中国を理解するためにはネットに勧められるままに記事を見るのではなく、正しい情報を見極める力が必要であると述べた。 これからの青少年の日中交流について、若者二人はお互いの違いを理解した上で共通点を見出すこと、多様性に富む中国を一括りで捉えるのではなく、ひとりひとりに目を向けた交流が大切ではないかと話した。田中氏は長年の経験を踏まえ、専門家としてのアプローチだけではなく、客観的に全体像を把握するジェネラリストを育てる必要があること、瀬野氏は平和五原則にある「平等互恵」は「平等互敬」、つまりお互いが違いを尊重しながら敬い合うことが大切であると話した。 最後は、コロナがあけたらぜひ直接中国を訪れて普通の人々と触れ合ってほしい、中国の古典に触れて中国の価値観を学んでほしい、など若者への期待が伝えられたのに応え、若者二人が抽象と具体を行き来しながら旅をして人に会っていきたい、いいときも悪いときも中国との交流を続け、接点を持つ場を作っていきたいと意欲を述べた。会場は満席で、セミナー終了後も登壇者とだけでなく参加者同士も活発に交流する様子が見られた。

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ロシア軍がウクライナに侵攻した「地政学上のメカニズム」とは―中国人専門家が読み説く

ロシア軍がウクライナに攻め込んだ。日本及び西側諸国ではロシアのプーチン大統領を非難する声が極めて強い。ただ、ロシアを非難するだけでは解決策も浮かばないし、同様の事態の再発防止にも結び付きにくい。

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中国の1人当たりGDPが1万2500ドルに、「高所得国」までの距離は?―中国メディア

このほど発表された国民経済・社会発展統計公報によると、2021年の中国の1人当たり国内総生産(GDP)は前年比8.0%増の8万976元(約145万7500円)に上り、年平均レートでドル換算すると1万2500ドルとなり、世界平均を上回った。経済日報が伝えた。 世界銀行が20年に打ち出した基準に基づいて計算すると、1人当たり国民総所得(GNI)が1万2696ドルに達すると、高所得国の仲間入りになるという。21年の中国の1人当たりGNIは約1万2400ドルで、高所得国の入り口に近づいた。 1人当たりGDPと1人当たりGNIの高さは、一般的にその国の経済発展レベルを反映するものとされる。1人当たりGDPが世界平均を超えたことも、1人当たりGNIが高所得国のレベルに近づいたことも、中国が新発展理念の指導の下で経済の質の高い発展を遂げた成果を十分に示しており、中国経済の安定成長の底力と実力を明らかにしたといえる。 ただ1人当たりGDP・GNIと人々の1人当たり所得とは異なる概念で、現実生活の中ではしばしば混同される。経済規模が拡大すれば、1人当たりGDPもそれに応じて上昇するものの、社会の富は複数回にわたりさまざまなルートで分配されるため、1人当たり所得も増えるかどうかは必ずしも明確ではない。これは経済成長と個人の実感との間に「温度差」が生じる重要な原因の1つでもある。 ある国の発展レベルを客観的に評価しようとする時は、ただ1人当たりGDP/GNIを見るだけでなく、国民の生活レベルや所得分配メカニズムの公平性・合理性などに関する指標をみなければならない。現在、中国は一部の指標が高所得国の入り口に近づいたが、1人当たりGDPはまだ高所得国の標準の下限に到達しておらず、先進国の平均レベルとの開きはなお大きい。これは今の中国が上位中所得国にとどまっていることを意味し、私たちはこの事実を冷静に認識しなければならない。 実際、中国は人口の基数が大きく、領土が広大であるという国情によって、地域間や都市部・農村部の間のアンバランスや協調の難しさという特徴が際立つ。統計によると、現時点で1人当たりGDPが全国平均を上回る省・自治区・直轄市は北京市、上海市、江蘇省など11カ所だけで、他の大多数の省・区・市は平均値の下にとどまっている。さらに言えば、この11カ所の中でも、GDPが全国平均を下回る地級市(省と県の中間にある行政単位)が多数存在する。例えば20年に広東省の地級市21カ所で1人当たりGDPが全国平均を超えたところは5カ所だけ、山東省も16地級市のうち全国平均以上は6カ所しかなかった。 1人当たりGDP1万2500ドルという「パイ」を今どのように注意深く細かく切り分けても、人々の高所得への願いを叶えられないことは明らかだ。この状況に対して、一方では引き続き「パイ」を大きくし、供給側構造改革を深化させることで、経済の循環をスムーズにし、テクノロジー・イノベーションによって、経済の潜在的な成長力を発掘し活性化させ、産業の基礎の高度化と産業チェーンの近代化を推進し、ひいては構造の最適化、質の改善、効率の向上を実現する必要がある。他方では、「パイ」をより科学的に分配し、所得分配制度を改善することを通じて、引き続き所得格差を縮め、よりバランスが取れた、より包摂的な、より質の高い発展によって、共同富裕がさらに大きな進展を遂げるようサポートすることが必要だ。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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日本のアニメ黄金時代はもう過去のものか?―中国メディア

1980年代から90年代末にかけて、日本のアニメ生産量はそれ以前を大きく上回り、その中には質の高い名作とされるオリジナル作品も大量に含まれていた。作風は極めて豊富になり多様化し、産業規模や協業レベルもこの時期は世界の他国を大きく引き離していた。 日本のアニメと言えば、宮崎駿氏の存在を真っ先に思い浮かべる人が多い。「天空の城ラピュタ」から「風立ちぬ」まで、宮崎作品には心を癒やす力がある。 宮崎氏は日本で今存命のアニメーターの中で最もキャリアの長い先達の一人であり、日本のアニメ映画の歴史における代表的な人物であり、戦後日本アニメの一里塚となる作品に多く関わったか監督を務めており、日本のみならず世界の大衆文化に幅広い影響を与えてきた。宮崎作品の魅力は娯楽性の高さにあるだけでなく、社会的責任の意識や時代に対する鋭い洞察を含むところも魅力だ。 宮崎作品はただ華やかな外面的効果を重視するだけでなく、かすかな心の内の変化も大切にし、見る人は年齢に関係なく、創造された時空の中に引き込まれ、キャラクターに共感しリアルな感情を体験することができる。 共感とは観客が物語のキャラクターに投影する感情である一方で、現実とは私たちの人生における予測不可能性のリアルな描写だ。宮崎氏の紡ぐストーリーの核心には必ず現実的な意味が含まれており、神や妖怪・伝説といったファンタジー要素を取り払った人間性の一面こそが、宮崎作品が常に一番大切にしてきたことだ。 宮崎氏のほかに巨匠はいないのだろうか。実は他にも高畑勲氏、押井守氏、富野由悠季氏、大友克洋氏、安彦良和氏、かわぐちかいじ氏などの世界レベルの影響力を持つ巨匠がいる。1960年代から70年代に青春期を過ごし、戦後の社会運動ブームを経験した世代で、日本のアニメ産業に共に身を投じて、日本アニメの黄金時代を作り上げた人々だ。 ここ数年、日本のアニメ産業は高度に市場化、商業化、大規模化しており、この属性がストーリーモデルが市場化する方向性を強く決定づけた。 「鬼滅の刃」や「呪術廻戦」、「王様ランキング」などの大人気作品が登場はしたが、同質化が激しい、題材が徐々に狭く小さくなっているという問題点が目立つことは否定できない。 押井氏は以前に「鬼滅」について語った中で、原作漫画の人気はもちろんすごいし、絵も非常に精密で細かいが、設定、キャラクター、ストーリー自体に新鮮味はないとの見方を示した。 草の根から立ち上がる定番ストーリーが直面するのは、広い範囲にいる普通の人々であり、市場の淘汰をくぐり抜けて、低コストで迅速に精神的な満足を得られる定型を見つけることだ。市場を前に、人気が出て集金能力が高いストーリー設定が何度もコピーされ繰り返され、同じような題材がいくつも並び、ストーリーの定型化やキャラクターの定番化は避けられない。 アートかビジネスか。芸術に関わる産業が究極的に直面する問題であり、両者のバランスをどう取るかを人々は追い求めており、それがこれからのアニメ産業発展のカギでもある。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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第22回中国音楽コンクール ~音楽は国境を越える~の参加者を募集しています

「音楽コンクール参加者募集」ー第22回中国音楽コンクール 参加者募集ー応募期間:2022/3/1(火)~4/15(金)予選動画4月25日(月)必着応募方法:ハイライトのURLをご覧ください賞:金、銀、銅、特等賞(賞状、トロフィー、賞金)主催:特定非営利活動法人国際音楽協会協賛:一般社団法人中華會舘協力:日本臓器製薬株式会社後援:中華人民共和国駐大阪総領事館/兵庫県・神戸市 /(公財)兵庫県芸術文化協会/(公財) 神戸市民文化振興財団 /(株)アジア太平洋観光社他 近年注目を集めている中国音楽のコンクールです。当コンクールは中国音楽の海外普及をめざしています。入賞者は中国に於いて交流演奏会に参加でき、日中文化の親睦を図ります。多くの賞を設置しており、各国の方の参加をお持ちしております。 「中国音楽コンクール」では、参加者は、中国人作曲家の中国音楽作品で、声楽・ピアノの他、楽器も西洋楽器・民族楽器などで腕を競いました。演奏形態、国籍、年齢も全て不問とし、毎回多くの方にご参加いただいています。初回より日本各地、時には海外からの応募があり、4歳から80代の方まで幅広い方が中国音楽に挑み、音楽を通じての交流を展開しています。 中国音楽コンクールは、今年で22回目を迎えます。 写真は5歳の子どもから80代のシニアまで、中国人や日本人、音楽のプロやアマチュアなど問わず全国各地からの参加者です。 詳しい応募要件は下記をご覧ください↓↓ 特定非営利活動法人国際音楽協会についてはこちらをご覧ください↓↓http://www.zhonghua-huiguan.com/music/

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日中文化交流公演 歌い語り「スーホの白い馬」 こころ…揺れる…開催のお知らせ

歌い語りとは、物語を歌と語り、ときにはお芝居も加えてお届けする舞台です。

今回は、モンゴルの民族楽器「馬頭琴」の由来にまつわる物語「スーホの白い馬」を元に、子供から大人まで楽しめる作品として脚本化し、主人公である羊飼いスーホと、彼が拾い育てた白い馬との、こころの交流を描きます。

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若者が決める!第2回日本中国旅行ワークショップ大会視聴者(リスナー)募集✈

コロナ禍で事実上日本と中国に行けなくなってから早2年。今回、身近な「旅行」というテーマでイベントが開催されます!! 日中両国の青少年が4人1グループで、1か月程度オンライン上で理想の観光プランを作成した成果を発表します。日中の青少年が本気で考えた旅行プラン、一緒に見てませんか? そして、なんとなんと… 今回昨年のイベントでお越し頂いたドキュメンタリー監督の竹内亮 監督が審査員の1人に決定しました!!竹内亮監督を生で見たい方もぜひご参加ください♪ さらにリスナーのみなさんに豪華賞品が当たるプレゼント企画もあります!!沢山の参加お待ちしております♪★開催日時 3月13日(日)14時〜16時 ※日本時間 ★開催方法 オンライン ※Zoom使用予定、使用言語は日本語 こんな方にオススメ! ・中国語/日本語を勉強している方 ・日本や中国の有名観光スポットを知りたい方 ・旅行好きの方 などなど… ★参加条件・参加費 誰でも無料でご参加いただけます! ★リスナー特典 ◆得点1:リスナーのみなさん向けのWeChatグループにご招待! その中で中国人リスナー参加者や日本人リスナー参加者と交流ができますよ!! ◆特典2:豪華景品が当たるチャンス! リスナーの皆さんに豪華景品があたるチャンスがあります! 抽選結果はイベント当日に発表いたします♪ ★申し込み方法 下記お申込みフォームより申し込みください。 【日本在住の方】https://forms.gle/E61dtRqoks9CB6kr5 【中国在住の方】https://wj.qq.com/s2/9731213/fb48/ ※申し込みいただいた方にはメールでご連絡を差し上げますので、nicchu.ryokouws02@gmail.com のメールを受信できるように設定をお願いいたします。 申し込み期限:3月12日(土)日本時間18時 ★共催団体 日中学生交流団体freebird、認定NPO法人東京都日中友好協会青年委員会、中国駐東京観光代表処 ぜひお早めにお申し込みください~~!!

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2022年馬頭琴コンサート

モンゴ儿族若手馬頭琴奏者が池袋に集い馬頭琴の名曲を奏でます。まるでモンゴルの大草原を馬に乘って駆け回っているような感覚になること間違いなし。馬頭琴の音色を聴きながら、素敵な週末を共に過ごしましょう。 【会場】:としま区民センター 多目的ホール【日程】:2022/4/1(金)開場: 18:30 / 開演: 19:00【入場料】:3000円

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<日中100人 生の声>再び懇親会を開催できるその日を願って―泉川友樹 日中交流団体職員

「2月1日の春節懇親会は中止します」。私のコロナ禍はこの連絡から始まった。 1年で最も月が丸い「中秋節(中秋の名月)」と全く月がない「春節(旧正月)」。中国人にとっては帰郷して一家が集い、絆を確かめあう大切な日だ。何かの理由で中国に戻れず日本で中秋節や春節を過ごす中国の友人のために、中国に興味のある方々と一緒に楽しんでもらおうと懇親会を企画してもう10年以上続けている。参加者は私がこれまでに出会った中国人や中国に興味のある人達。国籍、年齢、性自認、職業、思想・信条、信仰、中国語のレベルなどは関係ない。ひたすら食べ、飲み、語り、楽しむ会だ。始めた頃は10名程度の参加だったが、フェイスブックや微信などで交流の輪が広がったこともあり、この数年は毎回30~40人が集う大イベントになっている。 2020年もこれまで通り春節懇親会を企画していた。そのような中、突如襲ってきたのが2019年末から武漢で流行し始めていた新型コロナウイルス「Covid-19」。中国はこの未知のウイルスの脅威を認識してからは非常に強い行動制限措置を取り、1月23日には感染が拡大していた湖北省武漢市を封鎖した。日本では1月14日に国内初の感染者が確認されたがその数はわずかだったため、私は当初コロナを「対岸の火事」だと思っていた。しかし、感染者が徐々に増え始め、WHOが1月30日に緊急事態を宣言したことから不要不急のイベントは控えるべきと判断し、春節懇親会を急遽中止することにした。感染拡大は今も続いており、残念ながら1年半経っても開催できていない。ただ、今思えばリスクコントロールのために下した当時の決断は間違っていなかったと思う。 武漢封鎖後、中国は他の地域でも同様の厳しい措置を講じ、春節休暇も重なったことから工場が全面的に稼働を停止してマスクなどの医療物資不足が深刻化した。ほどなくして、日本在住の中国人から「マスクを中国に送りたいが、入手可能か」との問い合わせが職場に相次いだ。幸い、職場は新型インフルエンザ対策のために早くからマスクの調達ルートを確保していたため、彼らの要望に迅速に応えることができた。私が事務局長を務める「琉球経済戦略研究会」からは2月10日に子ども用マスク6000枚と医療用手袋1万枚を沖縄県の友好省である福建省へ寄贈した。琉球国の時代から続いてきた福建省との長い友好往来を表す「守禮之邦 源遠流長(礼を守る国の往来は悠久の歴史を刻む)」をメッセージとして添えた。福建省への支援物資 その後、中国は3カ月程度で感染拡大の封じ込めに成功し、4月8日には武漢の封鎖も解除された。しかし、この頃には新型コロナウイルスが世界的に流行し、日本でも感染が拡がっていた。4月7日には第1回目の緊急事態宣言が発令され、自粛要請を中心とした各種制限措置が採られた。今度は日本でマスクが手に入らなくなった。 「一方有難 八方支援(困ったときはお互い様)」。この時期には「中国が厳しかった時に助けてもらったお返しに、今度は中国から日本にマスクを送りたい」との連絡が続々と寄せられた。中国国際貿易促進委員会福建省委員会、中国国際貿易促進委員会大連市分会、在日中国企業協会、深セン易聯技術有限公司などから合計で10万枚以上のマスクの寄贈があり、その内、約7万枚が私の故郷の沖縄県及び那覇市に贈呈された。大連からの支援物資には「たとえ遠く離れていても心は共にある」という王融の詩「寸心無遠近 日月共為照」が添えられていた。その心遣いが非常に有難く、嬉しかった。また、私自身には日本政府から10万円の特別給付金があったので、同窓生の中国の友人2名と一緒にマスク3000枚を購入し、母校の沖縄国際大学に寄贈した。現在、日本も中国もマスクの生産体制が整い供給不足問題は解消されたが、このように困難な時期に互いに励まし合い、助け合った経験は今後に活かされると確信している。 コロナ禍に見舞われた私の2020年はこのようにして過ぎ去った。2006年から今の職場に勤めているが、1度も中国に行かなかった年はこれが初めてだった。この間、以前と変わったことといえば、中国に対する理解を深めようと中国関連の書籍を読み返したことだ。友人にも『文化苦旅』、『敦煌』、『花甲録』などを読むように勧めた。 昨今はコロナ禍で人的往来や直接交流が滞った結果、多くの人が中国の状況を知るのに間接情報のみに頼らざるを得なくなり、誤解に基づく理解や極端な中国観が広がってきたように思う。個人的には中国ほど複雑で多様性に富んだ国はないと思っており「これが中国だ」という一面的な見方が社会を覆ってしまうのに若干の不安を感じている。そこで、最近は個人的に新聞や雑誌に投稿したり、知人のラジオ番組やYou Tubeに出演したりして、中国に対する私なりの見方を紹介するようになった。等身大の中国を立体的に捉えるための一助になればと考えている。知人のラジオ番組に出演 現在、中国も日本もワクチン接種が進んでいる。新型コロナウイルスのリスクを大きく低減できれば、日本も中国も早晩交流が全面再開されるだろう。来年9月には日中国交正常化50周年を迎える。そのころまでには社会活動がコロナ前の水準に戻ってほしい。そして、その時には中止していた中秋節や春節の懇親会を開催し、中国の友人と国交正常化50周年を大いに祝いたい。 ※本記事は、『和華』第31号「日中100人 生の声」から転載したものです。また掲載内容は発刊当時のものとなります。 ■筆者プロフィール:泉川友樹(いずみかわゆうき) 日中交流団体職員。1979年沖縄県生まれ。2003年北京外国語大学に留学。その後、通訳者養成学校インタースクールで「中国語通訳コース本科Ⅱ」修了。中国語講師等を経て、日中経済交流促進団体に就職し現在に至る。要人会談(習近平、李克強、温家宝等)を含め通訳実績多数。中国語検定1級、旧HSK11級(高等A級)、全国版中国語通訳案内士。

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メガタウン池袋の東西に連綿と伝わる民俗芸能の現在を追ったドキュメンタリー映像作品『音、鳴りやまぬ。』公開

少子高齢化、コロナ禍…時の流れに直面する3つのまつり。都会に息づく民俗芸能の知られざる姿を記録したドキュメンタリー映像作品の試写会&トークを開催します。 公益財団法人としま未来文化財団(所在地:東京都豊島区、理事長:高野之夫)は、豊島区指定無形民俗文化財「長崎獅子舞」「冨士元囃子」「雑司ヶ谷鬼子母神御会式万灯練供養」の現在を追ったドキュメンタリー映像作品『音、鳴りやまぬ。』を制作しました。2022年3月6日(日)に、としま区民センター多目的ホール(住所:豊島区東池袋1-20-10)にて試写会&トークを開催、本編を初公開します。 『 音、鳴りやまぬ。』は、豊島区に連綿と伝わる「長崎獅子舞」「冨士元囃子」「雑司ヶ谷鬼子母神御会式万灯練供養」の現在を追ったドキュメンタリー映像作品です。コロナ禍でお祭りや地域行事の中止が相次ぎ、豊島区でも毎年開催している民俗芸能公演が2021年は中止を余儀なくされました。そしてこの事がきっかけとなり、地域の民俗芸能を記録する本プロジェクトがスタートしました。なぜ「まつり」は変わりゆく時代の中でも人々を魅了し続けるのでしょうか。秋から冬3か月に渡り、長崎獅子連、冨士元囃子連中、御会式連合会の方々を中心にインタビュー取材を重ね、それぞれの視点で語られる想いを映像に収めていきました。都会に息づく民俗芸能の知られざる姿を記録したドキュメンタリーを、たくさんの方にご覧いただけたらと思っています。 ドキュメンタリー映像作品『 音、鳴りやまぬ。』 作品概要 メガタウン池袋の東西に今も残る3つの「まつり」。少子高齢化、コロナ禍 …時の流れに直面しながら、それでも「音」は鳴り続ける。 出演:長崎獅子連、冨士元囃子連中、雑司ヶ谷鬼子母神御会式連合会 ほか監督:長岡 参製作: EVOLUTION企画制作:公益財団法人としま未来文化財団2022年/日本/60分(予定) [公式WEBサイト]https://otonari.toshima-pjt.jp▼予告編https://vimeo.com/679054244 監督 プロフィール 長岡 参(ながおか まいる)映画作家。株式会社エヴォリューション取締役。1979年、千葉県四街道市生まれ。フリーランスとして東京で様々なクリエイティブの仕事に従事した後、より本質的な暮らしとは何か?を考え、それを映像化するべく2010年に拠点を徳島に移し、民俗学的/文化人類学的視座と、一生活者としてのリアルな感覚の間に立ちながら作品制作を開始。代表作に全国の限界集落を探訪したドキュメンタリー映画『産土』や、6年間に渡り1人の老美容師を追い続けた『神山アローン』等がある。  試写会&トーク 日時:2022年3月6日(日)13:00~15:00(開場12:30)会場:としま区民センター 8F 多目的ホール(〒170-0013 東京都豊島区東池袋1-20-10) プログラム:13:00~13:05 挨拶13:05~14:05 本編上映 *60分予定14:10~15:00 トーク *50分予定※所要時間は変更となる場合があります。 トーク登壇:・長岡 参氏(監督)・福田裕美氏(東京音楽大学 音楽教育専攻准教授)・小岩秀太郎氏(公益社団法人 全日本郷土芸能協会理事)※トーク登壇者は予告なく変更となる場合があります。 参加費:無料※要事前申込 定員:180名(申込先着順)※3歳未満入場不可、全席自由...