Author: aptpress

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【観察眼】北京五輪が中日両国に新たな「雪の縁」をもたらすことを願う

日本五輪委員会(JOC)は20日、日本人選手122人を北京冬季オリンピックに出場させると発表した。その中には、多くの中国人にもなじみがある著名な男子フィギュアスケートの羽生結弦選手も含まれている。羽生選手は今回の冬季五輪で、オリンピック三連覇に挑戦する。  今回の冬季五輪に関連しては、多くの人を感動させた中日協力のよいエピソードがある。先ごろ開催されたスノーボードのワールドカップの男子ビッグエアで、蘇翊鳴選手の初優勝に貢献したのは、日本人コーチの佐藤康弘氏だった。佐藤氏は日本のトップ選手を何人も育ててきた。佐藤氏は、「中国人選手のコーチをすることで葛藤を感じたこともあったが、こういうことは国境を越えてよいのだと思うようになった」と語った。蘇選手は日本のナショナルチームのメンバーと共に練習してレベルを向上させ、北京冬季オリンピックではメダル獲得が期待されるようになった。佐藤氏の話は極めて実直であり、感動的だ。佐藤氏の話には、一人の日本人コーチ、一人の日本人が「さらに団結する」という、スポーツ精神への理解と実感がこもっている。  私は1998年に冬季オリンピックが開催された長野県で2年間近く仕事をし、生活したことがある。その時期に、現地の人々が何度も、北京冬季オリンピック組織委員会のメンバーを心を込めてもてなし、冬季五輪の開催に関連した経験と教訓を詳細に説明するのを見た。五輪に出場する中国人選手が現地で緊張して練習する姿と、日本人コーチが献身的にすべて伝授する様子も見た。長野の人々が北京市での冬季オリンピック開催を、情熱を込めて応援していることも感じた。日本の友人の友好と情誼、中国人の感動と感謝は、今も忘れがたい。  日本はウインタースポーツで、一定の強みがある。フィギュアスケート、スピードスケート、スキージャンプなどでは、相当な実力がある。そのことはかなりの程度、日本独特の冬の自然条件から得られた。北海道や長野など、世界でも雪質が一流のスキー場は、選手らによい練習条件を提供している。現地の子は幼いころから雪の上で腕試しをする機会がある。数多い優秀なスキー場やレベルの高い指導陣、完備された各種施設によって、ウインタースポーツの愛好者は取りつかれたように夢中になる。初心者もウインタースポーツが大好きになる。  1980年代の日本では、連続テレビドラマ「私をスキーに連れてって」が一世を風靡した。純白のスキー場で繰り広げられるロマンティックな愛の物語に魅了され、当時の日本では無数の若者が、朝の4時か5時には車を運転してスキー場に向かった。ゲレンデを颯爽と滑る快感と、氷雪に覆われた自然世界と調和して一体となる愉悦感を得るためだった。  北京冬季オリンピックの開催に伴って、当時の日本の全国民的なスキーブームが、中国で再現されている。中国人のウインタースポーツへの情熱が爆発した。関連統計によれば1月1日から3日までの元旦3連休期間中、スキー場周囲の宿泊施設の予約は連休前の2.4倍になり、スキー場入場予約は2.1倍になった。雪や氷を目玉にする観光スポットの入場予約は3.2倍になった。豊富で多彩な雪や氷に関連する活動はこの冬、中国で最も活気あるレジャーと観光のテーマになった。  北京オリンピックが契機となり、さらに中国政府が「3億人を氷と雪の上へ」と提唱したことが実は、得難い発展のチャンスを日本にもたらした。白馬や野沢温泉などのスキー場の条件は、アジアだけでなく世界的に見ても独自の吸引力と魅力を備えている。それらの場所で見かけるのは従来、日本人以外にはほとんど欧米人やオーストラリア人だったが、ここ数年は中国人の姿がしばしば見られるようになった。少子化現象により、日本におけるスキー関連産業の国内市場はどんどん縮小している。欧米やオーストラリアからの客の数はすでにピークに達しており、これ以上の伸びは期待できない。一方で日本のスキー場は中国人客をますますひきつけている。中国の莫大な数のスキー客と日本の数多い天然良質のスキー場の相乗効果で、今回のオリンピックが中日両国に新たな「雪の縁」をもたらすことを願う。(CRI日本語部論説員)

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雑誌『咬文嚼字』が選んだ2021年の流行語ベスト10

 上海文化出版社が発行する月刊誌『咬文嚼字』の編集部が毎年12月初めごろにその年の流行語ベスト10を選出します。  この雑誌の名前、「咬文嚼字」は成語で、元々は文字の見た目や言葉の飾り方にばかりこだわって、内容や意味がない文章のこと。そこから、学識を自慢するだけで、実際には役に立つことがない知識人を揶揄するときに使うことの多い言葉です。  言語関連の雑誌名にするのは、ことばに対する厳しい姿勢を表すためかもしれません。  そんな『咬文嚼字』雑誌社が流行語を選ぶうえで考慮したのは、社会的価値と言語学上の価値の両方だということです。  そのうえで、いったいどのような言葉がベスト10に選ばれたのか、見てみましょう。  No.1 百年未有之大变局  過去100年になかった大変局 という意味。  100年に一度の大変局と意訳してもいいでしょう。  2017年12月、習近平国家主席はある談話で「世界に目を向けると、われわれは過去100年になかった大変局に直面している」と言及しました。  中国共産党は1921年から2021年まで、百年間の奮闘を行ってきました。その結果、中国人民の暮らしや運命は大きく変わり、それは世界にも影響を与えました。  いま中国は、さらなる発展という未曾有のチャンスと試練とに直面しています。  No.2 小康  いくらかゆとりがある状態。  誰もが「いくらかゆとりのある生活」を手にした社会、「小康社会」は、中国人が追い続けてきた憧れです。その実現のために最低限クリアしなければならない任務が、貧困からの脱却でした。  目標達成のために、中国はターゲットをしぼった貧困者支援を続け、衣食の憂いがなく、義務教育と基本医療、住宅の安全が保障された状態という事業目標を掲げ、上から下まで心を一つにし、人類史上最大の規模と総力で貧困脱却という難関の攻略に取り組んできましした。  その成果として、国連の2030アジェンダを10年繰り上げて実現しました。  No.3 赶考  そもそもは科挙試験を受けるということ。転じて、力試しという意味でも使われます。  中華人民共和国の成立前、時の毛沢東主席は、中国共産党中央の総本部があった河北省石家荘市平山県西柏坡から北京へ向かう際、「今日は『力試し』のために北京に行く日」だと、全党員を激励しました。  そして現代、この西柏坡を習近平国家主席が視察した際に、「『力試し』はまだまだ終わっていない」と語りました。  また、中国共産党創立100周年記念式典で、習主席は、「中国共産党は今、団結して、中国人民が『2つ目の百年の奮闘目標』を達成するための、新たに実力を試される道のりを歩み出した」と再び強調しました。  No.4 双减  義務教育を受ける子どもたちの、宿題と学外教育の2つの負担を軽減する政策のこと。  No.5  碳达峰,碳中和  CO2排出のピークアウトとカーボンニュートラルを指します。  No.6 野性消费  非理性的な消費行動、つまり衝動買いという意味。  昨年7月20日に河南省で洪水が発生したことを受けて、被災地には全国各地から義捐金や義捐物資が届けらました。その中で、あるスポーツ用品メーカーは被災地に5000万元(約8億5000万円)を寄付したことで非常に大きな注目を集めました。注目の理由は、このメーカーに赤字倒産のうわさが流れていたためでした。  これに感動した人々が翌日から会社の公式ライブ配信ルームや店舗に殺到、商品は売れに売れて、在庫が無くなるのではという勢いでした。  No.7 破防  ガードブレイク、ネット上では精神的な衝撃や感動を受けたときに使われています。  No.8 鸡娃  「鸡娃」というのは、わが子にやる気を注ぐことを指します。ここでは「鸡」は動詞化して、励ます、激励するという意味になっています。...

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【新聞業界に関する公募企画】「メディアの未来プロジェクト」の推薦作品やサービスを募集

メディアの未来を追いかけ、見出し、メディア起点で事業創造を応援するメディア「メディアインキュベート」(http://media-incubate.com/media)より選定 2022年2月6日(日)、未来を切り拓こうとする方々を応援する株式会社メディアインキュベート(代表取締役社⻑:浜崎 正⼰、以下「メディアインキュベート」)は、メディア「メディアインキュベート」(https://media-incubate.com/media/)にて行っている「メディアの未来プロジェクト」にて公募企画を始めました。今回は新聞業界に関するものです。 これまでに『新聞業界の未来プロジェクト』(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000141.000018590.html)と題して、学び合いの場作りに取り組んでまいりました。今回、各新聞社でお取り組みのプロジェクトなどのご推薦作品やサービスを公募し、表彰制度を策定の上、定期的な発表をさせていただけたらと思っております。 日々変化するメディアの現状に対し、果敢にチャレンジし続ける方々を応援し、表彰してきました。今回の「メディアの未来プロジェクト」は、プロジェクト、事業全体に焦点を当て、表彰させていただくものになります。 メディアのアップデート(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000085.000018590.html)を目指し、日々活動してまいりましたが、メディアの未来プロジェクトを通して、メディア業界への貢献が微力ながらできる部分があれば幸いです。 ※本サービスにご関心のある方はこちらよりご連絡ください。当社は協業、共創をとても大切にしています。■LINE:https://page.line.me/wix9230g■メール:masaki.hamasaki@media-incubate.com■問い合わせ:http://media-incubate.com/about-mediaincubate/■550名を超えるオープンチャット「起業家、経営者の悩み相談所(前向きに議論し、自ら調べ、共に学び合いながら、なるべく手助けし合いたい)」:https://line.me/ti/g2/diWBbvYyoIVkYqHPuoYkXmfbYJeOAM8CRe1soA?utm_source=invitation&utm_medium=link_copy&utm_campaign=default ・株式会社メディアインキュベートについて メディアインキュベートは、メディアのアップデートを志し、メディアの事業開発と、メディアで事業開発を⾏っております。スタートアップ、業態転換や再編のための投資と⼈材、組織⾯のサポートを実施します。 メディアの業界誌「Media Innovation( https://media-innovation.jp/ )」の創設と運営に携わっており、⽇々、メディア業界に貢献するべく、情報発信とコミュニティを形成しております。メディアを起点に事業を⽣み出し、メディアの未来をつくるべく、場をつくり続けています。また、書籍レーベルのMedia Incubate Booksにて、起業家・投資家必⾒の「Venture Deals」の出版も控えております。 また、代表の浜崎が千葉県佐倉市(http://www.city.sakura.lg.jp/)の出⾝であることもあり、「千葉/CHIBAコンバレー構想」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000063.000018590.html )を掲げ、千葉県の産業育成、クリエイターエコノミーの集積地となることを⽬指し、活動しております。 これまでに、■スポーツ(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000148.000018590.html)■車(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000151.000018590.html)■不動産/住宅(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000153.000018590.html)■映画(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000132.000018590.html)■農業/漁業/林業(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000169.000018590.html)■ウェディング、観光/宿泊業(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000182.000018590.html)■文化/アート(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000160.000018590.html)■NFT(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000170.000018590.html)■アニメ、漫画/ウェブトゥーン(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000125.000018590.html)■マーケティング(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000136.000018590.html)■プロ経営者/社外取締役(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000166.000018590.html)■社会的インパクト投資(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000145.000018590.html)■プログラミング/外国語/福祉(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000116.000018590.html)■新聞業界(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000141.000018590.html)■ラジオ業界(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000138.000018590.html)■テレビ業界(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000139.000018590.html)■出版業界(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000165.000018590.html)■ファッション産業、化粧品産業(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000188.000018590.html)の学び合いコミュニティを設立してまいりました。 合わせて、①株式会社医療の未来:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000211.000018590.html②株式会社科学の未来:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000210.000018590.html③株式会社スポーツの未来:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000201.000018590.html④株式会社車の未来:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000202.000018590.html⑤株式会社イノベーションの未来:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000186.000018590.html⑥株式会社金融の未来:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000193.000018590.html⑦株式会社ちいきの未来:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000187.000018590.html⑧株式会社経営のみらい:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000191.000018590.html⑨株式会社こどものミライ:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000190.000018590.html⑩株式会社クリエイターの未来:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000192.000018590.html⑪株式会社食の未来:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000212.000018590.htmlなどの設立準備室を設置しており、社長、CXOを募集(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000189.000018590.html)も行っております。 事業承継に悩んでいる経営者(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000076.000018590.html)の学び合いコミュニティを設立したり、21歳の方に社長(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000050.000018590.html)となっていただいたこともあります。 メディアインキュベートでは、チーフメディアオフィサーの普及(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000166.000018590.html)に取り組んでおり、今回、それを体現するべく、産業別メディア・コミュニティを構築しながら、事業推進を支援いたします。 起業家、経営者のお悩み相談所(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000086.000018590.html)も500名を超えて、活発な議論がされています。 メディアのアップデートを志し、実行し、(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000085.000018590.html)メディアの未来に貢献できるような取り組みにしていければと思います。各産業別の経営者と共に、思いを持っている領域や知見のある場所で、共に支えていきたいパートナーの方々も募集中です。ぜひお気軽にご連絡いただけたら幸いです。 メディアの未来プロジェクト「メディアインキュベート:http://media-incubate.com/media」では、 ■メディア『2100:https://page.line.me/973btxme』■メディア『2030:https://page.line.me/149eyhbh』■こどもの未来に寄与する⽅々を応援し、共に未来を創る「こどものミライ(https://kodomomirai.com/)」■経営者の悩みに寄り添い続け、共に未来を創る「経営のみらい( https://media-incubate.com/keiei-mirai/ )」■地域の課題に目を向け、関係人口的を増やすことに寄与し、地域を共に創る「ちいきの未来(https://media-incubate.com/chiiki-mirai/、https://page.line.me/143lsjuq)」などのメディアを⽴ち上げ、それぞれのメディアに紐付いてプロジェクトも推進しております。 具体的には、 ■事業承継コミュニティ『次世代起業家魂:https://page.line.me/697immax』※経営のみらい■千葉県をきっかけに地域の産業創造に貢献する『千葉/CHIBAコンバレー構想協議会:https://page.line.me/813tizgx』※経営のみらい、ちいきの未来、こどものミライ■こどもの未来づくりに貢献する⽅々を応援する『こどもの未来アクセラレーター:https://page.line.me/003slnpt』※こどものミライ、経営のみらい、ちいきの未来■メディアで事業開発を⾏う研究組織『Media Accelerator(メディアアクセラレーター):https://page.line.me/wix9230g』※「FundTimes( http://media-incubate.com/fundtimes/ )」、経営のみらい、こどものミライなどですが、それらを下支えするかたちで、550名を超える起業家、経営者などが集まるLINEのオープンチャット「起業家、経営者の悩み相談所」( https://line.me/ti/g2/diWBbvYyoIVkYqHPuoYkXmfbYJeOAM8CRe1soA?utm_source=invitation&utm_medium=link_copy&utm_campaign=default )も運営して来ました。 よりメディアインキュベートの事業への思いについてご関⼼のある⽅がいらっしゃれば、下記よりご覧くださいませ。 ■メディアがどんどんと事業会社化していく・・・メディアインキュベート 浜崎 正⼰ 社⻑に聞く https://media-innovation.jp/2019/07/14/mediaincubate-interview/■メディアの競合はメディアなのか、橋渡し役の必要性、メディアインキュベート 浜崎正⼰社⻑・・・メディア業界2020年の展望(13) https://media-innovation.jp/2019/12/31/2020-outlook-hamasaki/■場起点の「共創」と「ファンクラブ化」、Media Incubate 浜崎・・・メディア業界2021年の展望(3) https://media-innovation.jp/2020/12/22/2021-outlook-mediaincubate/■【Media...

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中国で「山と人の関係」はどのように推移してきたのか―黄山の生態専門家が説明

昨今の中国では自然や生態系の保護が極めて強く意識されている。山岳についても観光資源などとして活用はするが、「持続可能」な範囲にとどめて環境の悪化を阻止することが大前提だ。南京大学黄山生態システム野外科学観測研究ステーションのステーション長も務める章錦河教授はこのほど、中国メディアの中国新聞社の取材に応じて、中国独自の山岳観や山岳の自然保護と利用の状況を紹介した。以下は、章教授の言葉に若干の説明内容を追加するなどで再構成したものだ。 【その他の写真】 ■中国は文明が発達しても山と信仰が結びついていた 国連は2002年を「国際山岳年」として、03年には毎年12月11日を「国際山岳デー」とした。実施されてきた活動は、山岳部の生態システムの重視、山岳部の自然保護の緊迫性、山岳部における経済発展の停滞、山岳部住民の幸せなどに関連するものだ。 人と山岳の関係は、さまざまな段階を経て変化してきた。まずは山岳崇拝や山岳信仰の段階だ。人々は自然の超越的な力に接して、自然現象を象徴するさまざまな神を作り出した。西洋の山岳地帯でも住人が自然の神霊を崇拝したことはあった。しかし中国では自然と宗教を結び付ける傾向がはるかに強く、山東省の泰山、湖南省の衡山、河南省の嵩山、陝西省の華山、山西省の恒山が「五岳」と呼ばれ聖地とされるなどの現象が発生した。 山岳5カ所が選ばれたのは、五行説という思想にも関係している。文化文明が酢相当に発達した段階になっても山岳が強く崇拝されていた点で、中国は西洋とは異なる。中国では現在でも「山岳」という言葉が人の独特な感情を刺激するが、欧州人にとっては単なる地理上の用語だ。 ■中国人にとって「自然との融合」は伝統の復興 次に山岳に美を見出した段階だ。中国がこの段階に入ったのは16世紀半ばで、欧州では18世紀末から19世紀初頭にかけてだった。次は山岳文明の段階だ。先進国がこの段階に入ったのは20世紀半ばで、背景には、極度な工業化に対する反省などがあった。スイスの世界遺産ユングフラウ ただし、先進国では山岳文化の新たな前進があまりなかった。中国には、伝統的な自然との付き合い方の知恵や、工業化が後発だったという強みがあり、「エコ文明」という新たな考え方が登場し、「人と自然の生命共同体」、「地球生命共同体」という新たな概念が提出された。 中国と西洋で、山岳に対する考え方が違うことには、文明における自然観全体が関係している。伝統的な西洋哲学は、思惟の主体である自分自身と他者を分離して対峙させる。人は自然を主導するとの考え方であり「山を征服」といった言葉も出現した。 中国では儒家が「天人合一(天と人との合一)」を主張したように、己と万物とが溶け合うことを求める。中国仏教も「衆生、皆仏性あり」などとして、万物の平等性を唱えた。中国人にとって、新たな時代に発生した「人と自然の調和ある共存」は、伝統的な文明の復興、すなわち古典に回帰するルネサンスだが、西洋人にとっては、ルネサンス以来進められてきた「物化文明」に対する反省だった。 ■黄山は姉妹山のスイス・ユングフラウなり、学習と協力を実施中 私は南京大学の黄山研究観測ステーションの責任者を務めているが、黄山は2002年に、スイスのユングフラウと「姉妹山」の協定を結んだ。また、ユングフラウ以外にも世界の多くの名山と提携してきた。それらを通じて、黄山側は多くのことを学ぶことができた。例えば地元経済を発展させる計画づくりや、施設建設にあたっての環境保護、自然が受ける負担を限度内に管理すること、経済活動の許可制、観光客に対する教育、地域としてのブランド戦略などだ。黄山 一方で、20年5月には黄山側がユングフラウに「感染防止の条件を満たすための観光スポット開放ガイドライン」という情報を提供する協力をした。また同年9月にはユングフラウ側と提携して、中国スイス国交樹立70周年を記念して実施された「スイス国家ブランドデー」の活動に参加した。 中華民国時代の1934年に設立された黄山建設委員会も、当初から「資源保護、名勝を輝かせる、旅人に奉仕、住民に利益をもたらす」とのスローガンを掲げていたと伝えられる。これらの理念に加えて2011年には国際的な「持続可能な観光目的地準則」の起草に参加して「観光体験の質を絶えず向上、資源と関係をより大切にする、観光産業の広範な融合、社会の幸せの増進に努力」などの提案をするなど、時代の流れに沿った取り組みを行っている。(構成 / 如月隼人)

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中華圏への発信力をプロデュース!!動画マーケティング支援「響く中華圏PR」ローンチ

「しっかり伝える」YouTubeインフルエンサーと、「気軽に楽しく認知」TikTok広告をトータルコーディネイト 響く中華圏PRは、主に台湾を中心に中華圏で影響力をもつ中国語発信のユーチューバーを活用したインフルエンサーマーケティングと、「TikTok売れ」が話題となったTikTokの短尺動画の制作から広告運用までトータルコーディネイトするサービスです。 今やPR戦略の定番とも言える動画を活用した「ストーリーで戦う」ためのSNS戦略とコンテンツを提供致します。 中華圏最大のセールである「独身の日」でも、現地ECプラットフォームもネット戦略を幅広く展開する中で、YouTube、TikTok戦略に重点を置いて展開しています。 ▼アプリDL数世界No.1となったTikTokは、台湾でも急速に利用者拡大中2020年にはアプリダウンロード数でFacebookを抜き、世界1位となったTikTok。 台湾では500万ユーザーを抱え、既存のInstagramやFacebookを猛追、日本同様、TIkTok特有の「広告をストレスを感じない」気軽さが好評を得ています。 ▼YouTubeはもはやテレビの代替化が完了YouTubeにおいては、既に人口の90%が利用、対してテレビ局の視聴率は1%を割り込む等、年々格差が拡がっている状況となり、芸能人やメディアのみならず、政府要人もアカウントを開設/発信する等、テレビメディアからの代替えが完了している状況です。 ▼「しっかり伝える」YouTubeと、「端的に楽しく発見する」TikTokYouTubeの特徴は、知りたい情報を丁寧に詳しく提供すること、そしてインフルエンサーと長く接するからこそ親しみ・愛着をもって、能動的に動画を視聴してくれる点があります。 対してTikTokは、短い動画でサクサクと楽しみながら、「気軽な発見をする」ストレスフリーな受動的体験が魅力です。 「気軽な発見」は、広告においても同様で、ライトなタッチポイントでありながら、アクション繋がる情報発信が可能です。 これらの特徴に基づいて、中華圏においての動画戦略をプランニングし「ストーリーで戦う」SNS戦略を提供致します。 ▼メーカー、ゲーム、アプリ、観光等幅広いジャンルに対応響く中華圏PRにおいては、現地に向けたネットショップでの商品購買に向けたPRから、ゲーム等のアプリDL促進、更には日本の観光地PRなど幅広いジャンルに対応可能です。 今後の海外展開に向けてまずはお気軽にご相談ください。 ▼サービスローンチに合わせて、オープンロジ社とのウェビナーを開催今回のサービスローンチに伴い、2月24日(木)17:00からウェビナーを開催致します。海外展開におけるマーケティングのポイント等、海外展開を成功させるためのリアルなストーリーをご案内致しますので、合わせてお気軽にご参加ください。 <ウェビナー概要>EC販売を主軸にする!EC運営困りごとあるある解決セミナー〜YouTube,TikTok、新たな動画PRの波に乗るには?新たな売れる販路づくりとは?〜 登壇者DMST 長岡 賢二オープンロジ 臼井 拓也開催日時:2月24日(木)17:00-18:00参加お申し込み:https://onl.la/fXTNvuP Shopifyや国内外のマーケットプレイスなど、様々なサービスの発展により、日本のみならず海外への販路拡大も可能な時代になりました。 しかし「作っただけでは売れない」「情報発信するにはどうすれば?」等、いざECサイトを運営してみると分かるEC運営の課題があります。そういった課題を解決するにはどうすれば?というお悩みを一つ一つ紐解くセミナーとなります。今回のセミナーについて対象者 ゼロからECを始めたいと思っている事業者様 EC運営で直面する課題の解決方法を模索している方 海外展開を成功させるためのリアルなストーリーを知りたい方 海外配送の基礎知識や手間を省く手段を知りたい方 ウェビナー内容 初月から売上を構築する越境ECマーケティング実例 今や欠かせないネット動画マーケの本質とは ネットの新たな販路となる新・顧客キャッチャー!について 海外配送で抑えるべきポイントについて DMST合同会社について国内外のYouTuberマネージメントを黎明期から従事してきた長岡賢二代表によって2021年3月に設立。「遊び・心・工夫、新たな視点で課題を解決する」をテーマに、地域振興となるクレーンゲームジャパン社との今回の商品流通事業や、また日本国内へのマーケティングのみならず、中華圏、英語圏、東南アジア方面など、多方面のマーケティングを展開、海外進出支援事業も行っている。YouTubeやTikTokを活用した動画マーケティング支援サービス「響く中華圏PR」のサービス提供開始 お問合せ:http://www.dmst.pro【本件に関する報道関係者からのお問合せ先】DMST合同会社 広報担当:長岡

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オンラインで旧正月の文化を楽しむ、学ぶ:オンライン習い事カフェトークが中国語圏の旧正月文化に関するオンラインイベント、レッスン特集を公開

日本最大級オンライン習い事「カフェトーク」 世界中の講師と生徒をつなぐオンライン習い事サイト「カフェトーク(http://cafetalk.com/)」を運営する株式会社スモールブリッジ(本社:東京都渋谷区、代表取締役:橋爪小太郎)は、2022年2月4日、中国、台湾の旧正月について学ぶ特別レッスンなどを紹介する「カフェトークで旧正月を楽しむ」特集をリリースいたしました。 ■世界の講師陣が各国からオンラインレッスンを提供するカフェトークでは、毎月一つの地域、イベントにスポットを当て、関連の言語のみならず文化について楽しく学ぶ提案をしています。2022年2月は「中国語圏の旧正月」がテーマ、関連のオンラインイベント、特別レッスンをご紹介します。 ■オンラインで旧正月を楽しむ特集ページURLhttps://cafetalk.com/campaign/2022/season/lunar-newyear/?lang=ja ■期間中に無料オンラインセミナーも実施します。​2022年2月16日(水)22:00〜 (日本時間)「各地の中国語・旧正月文化・ランタンの謎々遊びなど」2022年2月17日(木)21:00〜 (日本時間) 「中国のネット新語・流行語」2022年2月25日(金)22:00〜 (日本時間)「台湾のお寺文化」2022年2月26日(土)20:00〜 (日本時間)「日本人中国語学習者によく見られる発音の問題点」 ■オンラインで旧正月を楽しむレッスンは18種類、実施言語(繁体字、簡体字)を明記しました。 カフェトークでは、オンラインでボーダーフリーに世界の文化を楽しむ企画を定期的に行っています。 ▼カフェトークとは  「カフェトーク」とは、「いつもの生活に世界のスパイスを」をコンセプトに、スカイプやZoomを使って、90カ国を超える世界中の講師からマンツーマンのオンラインレッスンが受講できる、日本最大級のオンライン習い事レッスンサイトです。 語学のみならず、音楽、フィットネス、ダンス、自分磨き、家庭教師レッスンなど豊富なバラエティあるカテゴリーのオンラインレッスンが揃っています。 <オンライン研修、福利厚生としての法人様対応も強化中>リアルタイムにご受講者様の受講状況がわかる管理者向けページをご用意し、講師陣と連携をとり効果を実感できるオンラインレッスンを提供しています。固定のポイントを自由に使っていただくスタイル、または決められた回数を決められた期間に受講する研修スタイルも対応可能です。 <オンラインでレッスンを提供したい先生を随時募集しています>講師申請:https://cafetalk.com/tutor/page/?t=p&lang=ja コロナ禍で現役で頑張る先生たちの声:715名が回答した「よかったこと、難しかったこと」 回答まとめ:https://cafetalk.com/tutor/tutor-voices/?lang=ja ▼会社概要 会社名 :株式会社スモールブリッジ( http://small-bridge.com )代表者 :代表取締役 橋爪小太郎所在地 :東京都渋谷区道玄坂1-21-1 SHIBUYA SOLASTA 3F 【お客様お問い合わせ先】●カフェトークサポート専用スカイプ:cafetalk.jp●お電話でのお問い合わせはこちら:050-5539-3419●お気軽にチャットでお問い合わせ:カフェトークページ右下チャットボックス

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福建省随一の経済都市泉州が世界遺産登録②

製造業による街興しで一変 昨年10月9日、中国共産党泉州市第13回代表大会では、海のシルクロードの建設および世界遺産モデル都市の創出という目標が提起された。大会の報告には「海のシルクロードの総合ハブとなり、経済と貿易を結び付け、文化をアピールし、都市と都市をつなぐ重要な門戸の建設に尽力する。東南アジアに向けた工業・商業の中心を構築するとともに、中華海洋文明を現在進行形で継承し、世界遺産保護モデル都市を建設し、『漲海声中万国商〔万国の商人、波音と共に来たりて賑わう〕』の新たな繁栄を蘇らせる」とある。 こうした目標は遺産が映し出す泉州の特質――古から続く商業都市であるという点を物語っている。「泉州は人が多く土地は痩せ、耕したくとも開墾する土地とてない。南部には海が見渡す限り広がり、異国に通じる船が毎年造られている」。宋代の謝履が描いた『泉南歌』を読むと、泉州の地理的環境により貿易ビジネスが泉州人のDNAに深く刻み込まれたことが分かる。改革開放後、泉州人に備わる天性のビジネスセンスは瞬く間に呼び覚まされ、長らく陰を潜めていた大商業都市が再び姿を現した。 中央政府は1979年、福建省と広東省を対外開放試験区に定めた。両省の対外経済活動には特殊政策とフレキシブルな措置が講じられ、大きな主導権を与えることで他地域に先んじて経済をできるだけ早く発展させるとした。宋元時代より培われた開放と包容という同市の性格は改革開放の精神ともぴたりと合致し、泉州人はまさに水を得た魚のようになった。 泉州の対外開放の初期においてはその外資に対する寛容さがプラスに働いた。改革開放後に泉州市外資弁公室主任を務めた陳民団氏は、当時泉州は泉州戸籍を持つ大勢の華僑の力を借り「三来一補〔委託加工貿易+補償貿易〕を展開し、「部品雑貨で巨大市場と多額の外貨を獲得する」構図を創り上げたとふりかえる。 泉州政府は当時、香港、台湾、東南アジアへ積極的に人員を派遣し、華僑や香港・マカオ在住の泉州人が故郷で投資をするよう促した。華僑は泉州の優遇政策を活用し、合弁工場から独資工場に到るまで全国的な有名企業を同市で数多く設立している。フィリピン華僑である林国良氏は1982年に泉州に戻り「泉州電視機廠〔テレビ工場〕」を設立。生産に当たっては現地の協力企業である泉州電子工業公司の工場や工員を利用したという。中国のテレビ所有台数は当時きわめて少なく、初回生産の数百台は瞬く間に全国に販売されていった。 海外の紡績業界である程度成功していた華僑たちが泉州最初期の服飾業界をリードしたが、泉州のアパレル業界が全国的にも評判が良いのは、やはり現地人の市場経済についての冴え渡るセンスによるところが大きかった。人々がまだ生産にしか目を向けていない頃、彼らは広告、宣伝、ブランドによる効果についてすでに理解していた。20世紀終盤、中央テレビの5チャンネルでは一時、泉州のスポーツブランドのCMがひっきりなしに流れていたという。ブランドマーケティングはまずスポーツウェア産業において抜群の効果を発揮し、その他の産業もこれに続き、同じ手法で規模を拡大していった。 時代は移ろい、現代の経済発展レベルにおいてはすでにある種の逆転が起きている。かつての海外市場は多くの分野ですでに中国本土より劣っているほか、母国で投資した華僑は第二世代、第三世代へと世代交代を果たした。今後いかに華僑の力を再び借り本土の経済に新たな活力を注ぐかが、沿海部各省が抱える新たな課題となっている。 迫られる産業構造転換 「努力してこそはじめて成功する」泉州人は、徒手空拳で中国民間経済の奇跡を生み出した。昨年の最新データによれば、全国の経済規模トップ20の都市のうち、泉州の民間経済の割合は最も高く81・5%に達しており、紡績服飾、製靴、建材・住宅関連用品、石油化工、機械設備、食品飲料、工芸製品、電子情報、製紙・印刷からなる9件の1000億元クラスの産業クラスターを抱えている。 これらのほとんどが既存産業だが、一昨年から続く新型コロナウイルス拡大は泉州の生活用品・消耗品を主とする産業構造に重大な打撃を与え、GDPは2020年第1四半期に10・3%下落した。最終的には年間成長率2・9%にまで回復したものの、福建省全体の3・3%を下回る結果に終わった。 泉州の産業計画においては「テクノロジーイノベーション」「デジタル化」などが頻出ワードとなっており、同市の強みである製造業の構造転換と高度化に対する緊迫感が伝わってくる。改革開放初期における外資に対する優遇と同様、泉州は現在、テクノロジー分野において政策優遇を最大限に適用しており、3~5年でテクノロジーに対する投資、ハイテク企業、ハイエンド研究開発プラットフォーム、ハイレベル人材の倍増の実現に努めると同時に、全省に先んじてイノベーション・バウチャー〔ベンチャー企業と各種研究機関の連携を促進する利用券〕を配布し、企業の科学技術関連サービスの利用を補助している。 構造転換に関する泉州の焦りは、新たな時代背景のもと従来の優位性が弱まっているためと洪氏は説明する。泉州は当初、企業間の良好な産業チェーンを構築して個人プレーの構造を改め、独自のエリアアドバンテージを形成していた。製造業とサービス業は産業チェーンのなかで緊密に結びついており、これが泉州の民間経済の最も重要な経験則だと洪氏は考える。例えば、泉州にかつて存在した繊維産業ビルやファッションビルは原材料と衣料既製品の専門市場であり、こうした集積効果が産業間の流通を加速させ、1兆元クラスの産業チェーンの誕生を促した。しかし時代の流れとともに状況も変わり、繊維・ファッションビルを訪れる顧客が減り、インターネットショップの流通量が日増しに増加しているなか、サービス業の構造転換が進んでいる。 「工業化に続くポスト工業化の時代において工業にいかに新たな活力を注入していくか、これこそ現在のサービス業が解決すべき問題だ」と洪氏は語る。泉州は第14次5カ年計画に際し、デジタルサービス、商業・貿易・物流、文化観光、健康サービス、金融サービスを重要な基盤とする近代的なサービス業体系の構築を提起した。なかでもデジタルサービスと製造業の深い融合の推進や、周辺エリアからさらに全国へと広がるビジネスセンターと宅配便物流ターミナルの建設といったアクションの意図は、すべて製造業とサービス業の再連携を図り、相互補完を実現することにある。 第14次5カ年計画ではすでにテクノロジーイノベーションの展開が既存の製造業より優先されている。これからの泉州はアパレル工場にシューズ工場が隣接するだけの都市ではない。環泉州湾イノベーションセンターでイノベーション集積エリアを形成する。泉州ソフトウエアパーク・華僑大学・洛江ハイテク企業クラスターを直結させ、大規模な研究所やプラットフォームを集中的に建設していく計画だ。泉州科学城の建設計画も加速しており、時空産業、スマート情報技術などの新たな業種の配置を進めていく。 泉州を近代的中核都市にする青写真には、いまなお一貫して海洋文化に特有の開放と包容の精神が流れている。対外開放の深化を背景に再度の大航海に乗り出し、沿線国家・地域との協力を深めていくことで全方位型対外開放の新たな形をつくる――それが「21世紀海のシルクロード」の先行エリアであり要衝たらんとしている泉州の狙いだ。 『中国新聞週刊』記者/倪偉 翻訳/神部明果 /CNSphoto

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福建省随一の経済都市泉州が世界遺産登録①

昨今、福建省泉州にブームが訪れている。1300年の歴史を有する古都泉州は、同市のコアな愛好者たちの努力によりSNS上の文化好きな若者たちの人気スポットに浮上した。古の繁華街として知られた西街を散策し、こざっぱりとしたカフェやバーあるいは民宿を横切ると、その文化の息遣いに全身を覆われたような感覚に覆われる。 西街の北側から顔を出す開元寺の双塔は、正真正銘の文化都市である泉州の独自性を物語るようだ。この二つの石塔は宋代の建造で800年の歴史を持つ。昨年7月の世界遺産委員会にて、開元寺を含む泉州の宋元時代の遺跡21件が世界文化遺産に認定された。 実のところ古都泉州はきわめて特徴的なふたつの顔を持っている。 まず宋代以降の古い建造物がたくさん残っていることだ。「南音」と呼ばれる伝統音楽、人形劇、閩南語のなかには伝統的な生活様式が脈々と流れ、仏教、道教、イスラム教、ヒンズー教、マニ教といった宗教が共存した希有な状況を今でも推し量ることができる。もう1つの顔は、アントレプレナーシップにより経済繁栄を創り出したことだ。泉州の経済は22年連続で福建省トップを走り、2020年には全国で18番目となるGDP1兆元超え都市の仲間入りを果たした。アンタスポーツ〔安踏〕、エクステップ〔特歩〕、361°など中国の有名スポーツウェアブランドの半数がここ泉州に集中している。 郷土の伝統を守りつつ果敢に海外進出する気概は閩南人のDNAであり、中国でもまれな海洋文化でもある。1兆元時代に突入した世界遺産の街が今後どう急成長を維持していくのか。「ビジネスができる街」として名をあげた泉州はいま新しい発想を提起している。 ※「鯉城」の別称をもつ泉州は福建省の地級市であり、福建省人民政府が定めた海峡西岸経済区の中心都市また近代的工業・貿易港湾都市となっている。 生活と共にある世界遺産 昨年中頃、「泉州:宋朝・元朝における中国の世界の海洋貿易センター」が世界遺産リスト入りし、泉州全域に分布する22件の遺跡や建造物が登録され、20年にわたる世界遺産申請活動はついに報われることとなった。 「世界遺産委員会は審議時間わずか6分、全会一致で泉州の登録を可決した」。泉州市文化広電旅行局の党組書記で局長を務める李伯群氏によれば、泉州の申請項目は一連の複合遺産であり、こうしたケースは世界文化遺産のなかでも数少なく、第44回世界遺産登録決議では泉州が高く評価されたという。 22件の遺跡を一つの世界文化遺産としてまとめたことで、泉州にはいわば10~14世紀の繁栄を描く壮大な絵巻が描き出された。当時、泉州にはさまざまな肌色の外国人が街中を闊歩し、その様子は唐代の長安に匹敵するほどだった。夜になると古い渡し場には船舶が満ち一晩中明かりが絶えることはなく、中国の磁器、シルク、茶葉などの貨物が船で世界各地に運ばれた。また外国の香料や希少品を乗せた船が入港し、さらに都へと送られていった。 泉州は南宋末期に東洋随一の大型港となった。福建省海洋文化研究センターの特約研究員で中国人民政治協商会議泉州市委員会の副主席を務める李冀平氏によれば、当時は中国の大航海時代であり、自由な航海貿易のルートが創出された。泉州はきわめて独特かつ典型的な中華海洋文明を体現し、略奪とは対極にある平和と包容力を有しており、これは泉州が今日にもたらした教えである。 世界遺産申請の成功後、泉州の古迹はよりはっきりとした輪郭をもって人々に知られることとなった。この出来事は文化財保護の新たなスタートラインであるだけではなく、文化観光産業の発展の新たなチャンスともなった。泉州には山と海の両方があり、古都と近代都市の両面を持つ。宋代の寺院もあれば現代の劇場もあり、閩南グルメもあれば伝統音楽「南音」もある。福建省南部の片隅の古城でありながら、観光都市としての抜きんでた才能を生まれながらにして備え、蓄えてきたのだ。泉州市の現在の計画では、各遺産の見学施設を体系的にグレードアップさせ、22件の遺産関連建造物では閩南語、普通話、英語、日本語、韓国語の5言語での解説を提供予定だという。泉州海外交通史博物館を含む展示館15カ所はすべて無料開放するほか、考古遺跡公園の建設も複数計画されている。 泉州の世界遺産は数が多く、海辺、山林、古都、河川と広範囲に分布している。同市は今後、各遺産へのアクセスの利便性をさらに高めるべく努力をしていくとのことだ。また、「海のシルクロード博物館」の建設を進め、複数の博物館を改造し世界遺産展示センターとして一新するために国と福建省の支援をとりつけているところだ。 とはいえ、泉州独自の「生活の息づかい」を守り伝えていくことがまず肝心だと李氏は考える。「泉州にある遺産の多くがいまでも暮らしとともにある。7・62㎢の古都遺産区および緩衝地帯には先祖代々そこで生活する人々がおり、泉州の文化財とその保護は『生活の息づかい』に満ちている」。文化財保護が一般市民の日常生活に溶け込めば、遺産の保護条件が向上するほか、人々の居住環境の改善にもつながるという。 『中国新聞週刊』記者/倪偉 翻訳/神部明果 写真/CNSphoto

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東京多元交響楽団春節コンサートのお知らせ 

東京多元交響楽団春節コンサートがいよいよ明日開催されます! オンラインとオフラインの同時進行といたします。皆に素晴らしい音楽のお届けし、在日華僑華人華人の心からの新春挨拶と祝福をお送りします。言葉で表せないものを、音楽が表してくれます~ 2月の早春、自分に、家族に、子供の心に音楽の旅をさせましょう…… 【日時】2月5日(土) 【会場】多元文化会館 東京都港区赤坂6-19-46 チケットの申し込み方法 1.チケット販売サイト:https://teket.jp/2735/10127 チケット料金 全席自由 2000円(税込) 学生 1500円(税込) ライブ1500円(税込) 2.お問合せ先 東京多元交響楽団事務局まで気軽にお問い合わせください。 東京多元交響楽団事務局: 電話03-5715-1063 メール tokyotagen@gmail.com WeChat:tokyotagen

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江南文化の再構築②

伝統と革新  2011年、卒業を間近に控えていた大学4年生のさん(男性)は、金融系企業からのオファーとイギリスの大学の合格通知の両方を受け取っていたにもかかわらず、周囲を驚かせる決断をした。故郷の蘇州に戻り、母親の刺繍技能を継承することにしたのである。  母親のさんは蘇州刺繡という無形文化遺産の代表的な継承者であり、蘇州の一世代前の手工芸職人のなかでも最も昔気質の職人だ。蘇州刺繍の重要な発祥地である鎮湖の生まれで、幼いときから紡織機の傍らで育ち、やがて国営刺繍工場で働くようになった。国営企業の改革を機に、薛金娣さんは刺繍技術の高い女工たちを引き連れて自宅の工房で受注生産をおこなっている。作品はロシアやアメリカに販売され、通常、生地一面に描かれた牡丹の図案のように、ふんだんに刺繍を施し、ステッチが複雑になればなるほど顧客から好評である。  徐々に一人前になってきた張雪さんは、間もなく母親との考え方の違いに気づいた。1980年代生まれの張雪さんは古代の詩歌や山水画の影響を受け、ミニマルで余白のあるスタイルを好む。一方、母親の薛さんは、刺繍は手工芸の技能を反映させるべきで、余白が多すぎるのは顧客に受け入れられるだろうかと首をかしげている。  実は、これは江南文化が現代に継承されるなかで直面している核心的な問題である。昆曲や刺繍といった無形文化遺産は、江南文化の最高の美学をある程度表している。この美学が時代の発展によって変わってもよいのだろうか。現代の市場のニーズに迎合する必要があるだろうか。  昆山当代昆劇院共産党支部書記の氏も同じ問題に気づいていた。中国で8番目の昆劇院として、設立当初に「当代昆劇院」と命名されたのは、伝統に立脚しつつ現代に目を向けるという意味が込められている。しかし、繊細で優美な昆曲と現代人との結合はやはり難問に直面した。  1つは言葉〔せりふや歌詞〕であり、昆曲の言葉は厳格な曲調の形式を踏襲しているため、言語環境がすでに変化した現在では、観客は直接聞いても字幕を見ても理解できないという問題が存在する。なかには、英語の字幕のほうが原文の字幕よりも理解しやすいと言う若い観客までいる。もう1つは昆曲が誇りとする「水磨調」である。転がるように滑らかで悠々と響き渡り、石臼で米を挽くようにゆったりとした節回しで、この水磨調が世に出るや、たちどころに明代の演劇ファンに熱烈に支持された。だが、生活リズムが速い現代では、観客が映画を1本見るのにかけられる時間はわずか2時間しかなく、ゆっくりとしたテンポの昆曲はどうすれば観客をつなぎ留めることができ、限られた上演時間のなかで水磨調を残したうえで、物語を生き生きと筋が通ったものにできるのだろうか。  蘇州市文化広電観光局無形文化遺産工芸美術処の処長は、無形文化遺産という概念の出現がやや遅かったので、学科の設立が立ち遅れて多くの理論が確立されておらず、まだ模索している段階だと説明する。無形文化遺産は初めからずっと変わらないものであるべきで、師匠が伝えるものは何であれ、弟子はことごとく受け継いで伝えていかなければならないと考える専門家もいる。もちろん、無形文化遺産は古代から現在まで受け継がれ、もはや誕生した当初の姿ではなくなり、発展と変化を遂げてきたとより多くの人が考えている。現代からさらに後世へ継承するなかで、核心部分には背かないという前提で改善し、現代人の美的ニーズにより合致させることも認めるべきである。  蘇州では、「継承しつつ革新」が一段と主流の方法になっているが、当然、革新には周到かつ慎重な検討を要する。昆山当代昆劇院は設立から6年で、40幕の古典昆曲の折子戯〔演目の中から独立して上演される一幕〕が受け継がれ、これらを元にして5本の新しい演目につくり変えた。現代を題材にした新演目では、現代語を組み合わせたせりふの創作を試み、観客からは、今回は字幕を見なくても聞き取ることができたという反響が寄せられた。昆山市文化体育広電観光局の副局長は「昆劇院は若者の劇場離れを食い止め、昆曲の美意識を『幼いころから養う』ことを望んでおり、数年後にはこうした若者たちが昆曲の忠実なファンとなり、昆曲の継承に大いに役立つでしょう」と述べた。  張雪さんの「革新」も認められ、ミニマル風の刺繍を堅持して独自のスタイルを確固たるものとし、専門家や市場の注目を集めている。その作品の1つは、細長い小机に置かれた香炉と線香からゆらゆらと立ち昇る煙が四方に広がり「佛」の文字を浮かび上がらせている様子だけを刺繍したものだ。第8回江蘇省芸術博覧会の銀針杯刺繍作品コンテストで、この作品は金賞を受賞し、自由で、奥深く、あか抜けていて、秀逸であり、その境地が余白のなかに体現されていると評価された。その後、この独特なスタイルの刺繍継承者の元にネットイースゲームズ、映画『名探偵ピカチュウ』、テンセントQQショーなどから続々と異業種コラボレーションのオファーが来ている。  李紅処長は、すべての革新は市場を志向し、市場は「足による投票〔自分の好みを行動で表すこと〕」で答えを出すだろうとみている。一方、瞿琪霞書記は、答えが十分に明確にならないうちは、誰もが慎重に論証し、考えながら実践していると指摘する。この慎重さは、世界遺産に登録されている有名な拙政園の市場志向の試みによりはっきり表れている。  2020年11月、拙政園は総面積72ムー〔1ムーは約666・7㎡〕のうち12ムーを開放し、光投影技術〔プロジェクションマッピングなど〕を駆使したナイトツアープログラム「拙政問雅」を制作した。これは、昼間の観光とはまるで違う体験で、園林の不思議な夜といった感じに近い。広間に飾られている山水画が現実のようになり、水が山あいをさらさらと流れ落ち、道端の低い斜面に目を遣ると、3匹の鹿が広々とした中庭を気の向くままに歩いている。聴雨軒〔雨音を楽しむための窓に囲まれた小屋〕の外の芭蕉の葉が風に揺れ、マイク付きヘッドホンから風と雨と雷の音が聞こえてくると、その瞬間に観光客は拙政園を我が物としているかのように、芭蕉の葉をたたく雨音にゆったりと耳を傾ける。  「拙政問雅」は息をのむような美しさで披露されたが、蘇州園林博物館の館長は、拙政園はナイトツアープログラムの論証に1年も費やしたと明かした。園林は脆弱な生命体であり、年中無休の状態で毎日さらに数時間のナイトツアーが加わった場合、園林の自己修復能力は十分機能するだろうか。2020年5月、拙政園はまず閉園時間を1時間半繰り下げて影響を観察することにした。5カ月後、十分な評価を経てナイトツアープログラム「拙政問雅」がようやく正式に公開された。あずまやなどの建物や名木・古木を傷めないために、ナイトツアーに使用する投影装置はすべて取り外し可能なものとなっている。5時半に閉園すると作業員が大至急装置を設置し、ナイトツアー終了後に再びすべてを跡形もなく撤去して倉庫に収納するのである。 江南から世界へ  上海の国家展覧コンベンションセンター〔NECC〕は建物総面積150万㎡超の巨大な「四葉のクローバー」をかたどった施設で、そのうちの1200㎡が蘇州市に割り当てられている。2021年5月、「蘇作館」が同センター内にオープンし、蘇州刺繍、緙絲、核彫〔果物の種に彫刻を施したもの〕、明清朝様式の家具など12分野の蘇州製工芸品が展示された。  蘇州市が江南文化ブランドを全面的に展開するには、海外進出は不可欠なステップだ。蘇州文化観光集団文化発展有限公司の総経理は、蘇作館の位置づけは非常に明確であり、国内外に向けて蘇州の伝統工芸品や製品を集中的に展示販売するブランド旗艦店だと説明する。  ここにも蘇州が「江南文化」を再構築するために直面しなければならないもう1つの核心的な問題が現れている。蘇州市が対外的に紹介している、小さな石橋と水路、白塗りの壁と青黒い瓦屋根、昆曲と園林、蘇州の伝統工芸品と製品の繊細さと優美さに加えて、「江南文化」の構成要素をさらに充実させることは可能だろうか。今日まで発展するなかで、「江南文化」は現代的な表現を身につけただろうか。  GDPが2兆元を超える大都市であるにもかかわらず、これまで蘇州市の文化産業の発展にはいくらか弱点が存在していた。蘇州市文化広電観光局は、蘇州市の文化産業には「大きいが強くない」という特徴があると指摘する。例えば、文化産業は付加価値が高いがGDPに占める割合は低く、文化商品に関わる製造業の貢献率は高いが文化芸術関連サービス業の割合は低い。また、文化産業の事業者数は多いが全国的に影響力を持つ企業やブランドは少なく、文化産業の従事者は多いがハイレベルな文化的人材は少ない。  それゆえ、蘇州市はこれらの弱点を補うために多方面で尽力している。財政資金が逼迫しているなかで、第14次五カ年計画期間〔2021~2025年〕に市全体の各レベルの財政計画で計上する文化産業特別支援資金の規模を第13次五カ年計画期間〔2016~2020年〕の年間1億5000万元から3億元に倍増する。  蘇州市は江南文化の遺伝子をうまく活用する方法を模索し、より多くの江南文化の構成要素を製品に付加し、文化資源の利点を産業発展の利点に転換するよう努力しつつ、その一方で、江南文化の現代性の足掛かりや突破口も探している。蘇州新時代グループ董事長で共産党グループ書記の氏はこう話す。「新型コロナ流行前に蘇州市は年間延べ1億3000万人の観光客を受け入れていました。蘇州に来た観光客は、旧市街地や園林を訪れ、昆曲や評弾を鑑賞する以外に何かできないでしょうか。これは早急に解決すべき蘇州の課題です」   「江南文化」が現代化してしまったら、ガラリと変わってしまうのか、それでも純粋に江南と言えるのか、という困惑の声もあがっている。蘇州の歴史をみると、「江南文化」には驚くべき生命力があり、過度の浸食や変化を心配する必要はないと王堯主任は述べ、こう続けた。「江南文化は自信を持ち、大いに他の文化を受け入れるべきです。都市が十分に現代化し、さらには国際化したとき、1つの文化が導き手となって、混じり合った多様な文化を持つようになります」  王堯主任の見解では、ましてや、その他の多くの都市および都市の文化とは異なり、蘇州の「江南文化」はすでに世俗的な生活と緊密に融合している。それは平凡な日々を包み込む詩情であり、舞台・書画・蘇州製品・文学の間を縫って流れ、あらゆる世代に満ちあふれている。蘇州を訪れるどの観光客も街の至るところで昔ながらの蘇州の味わいを見つけることができ、また、蘇州が打ち明けたいと思っている新しい物語も読み取ることができるのである。 『中国新聞週刊』記者/徐天 翻訳/吉田祥子