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中国6月のNEV販売実績、BYDなど上位陣は過去最高

中国で6月の新エネルギー車(NEV)納車・販売台数の発表が相次いでいる。全体でみると、3~4月の販売低迷から脱却し、6月は前月比で増加している企業が多い。個別企業では、7月2日時点で実績を発表した18社のうち月次販売台数が過去最高を記録したのは比亜迪(BYD)、広汽埃安(GAC Aion)、理想汽車(Li Auto)、零跑科技(Leap Motor)などの上位陣。また、今年に入ってから販売の勢いが鈍っていた蔚来汽車(NIO)、小鵬汽車(Xpeng Motors)は前月比で増加している。

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中国の7月の新興メーカーのNEV納車実績、哪吒と零跑が躍進~「蔚小理」を上回る

中国の7月の新興メーカーによる新エネルギー自動車(NEV)納車実績では低価格帯を主力とする哪吒汽車(Neta)と零跑汽車(Leap Motor)が、新興三大勢力と呼ばれる蔚来汽車(NIO)、小鵬汽車(Xpeng Motors)、理想汽車(Li Auto)を上回った。哪吒と零跑の躍進の背景には、農村部でのNEV消費喚起策の実施がある。ただ、政策支援がなくなっても零跑と哪吒が販売好調を維持できるかは未知数とみられている。 ■7月納車台数は哪吒、零跑は前月比で増加、「蔚小理」は前月比で減少 新興企業の7月のNEV販売実勢をみると、トップは哪吒で1万4,037台。前月比で6.6%増、前年同月比は133%増となった。2位は零跑で1万2044台。前月比で6.9%増、前年同月比で177%増。2社ともに前月比で増加している。 一方、NIO、小鵬、理想の3社はいずれも前月比で減少している。小鵬は1万1,524台で、前年同月比では43.0%増だったものの、前月比では24.6%減。続いて理想が1万422台で、同21.35増、19.9%減、NIOは1万52台で、同26.7%増、22.4%減となった。 ■農村部でのNEV消費喚起策が追い風 哪吒と零跑の販売好調の背景には農村部でのNEV消費喚起策がある。工業情報化部は5月、「2022新エネルギー車の農村部での消費喚起活動実施に関する通知」を発表。同通知は、同活動に参加する企業の農村部でのNEV販売促進を地方政府に求める内容で、参加企業リストには浙江合衆新能源汽车有限公司 (哪吒V、哪吒V Pro)、浙江零跑科技有限公司 (零跑T03、零跑C11)が含まれている。 同通知の発表以降、哪吒、零跑ともに低価格帯の車種の販売が急速に伸びている。7月の車種別の実績が出ていないため、6月の納車実績をみると、哪吒の6月の納車台数は1万3,133台で、前年同月比155.6%増加。うち、6割が「哪吒V」の販売で、「哪吒V」の販売価格は7万9,900~12万3,800元という水準だ。一方、販売価格帯が12万3,800~20万1,800元の「哪吒U」モデルの納車台数は5,070台にとどまった。 零跑の6月の納車台数は1万1259台で前年同月比186%増。うち販売の主力は「零跑T03」で、販売価格は7万9,500~9万6,500元となっている。一方、販売価格帯が17万9,800-22万9,800元の「零跑11」は、販売に占める比率が低水準にとどまる。 一方、「蔚小理」の平均価格は、調査会社の傑蘭路諮詢によると、NIOが41万3,800元、理想汽車が33万3,600元。ミドルエンドやローエンド車種が多い小鵬汽車でも23万6,900元という水準で、哪吒、零跑の価格水準の低さが際立っている。 ■品質、ブランド力の向上が課題 ただ、哪吒、零跑ともに政策支援がなくなった後も販売好調を維持できるかは未知数だ。足元ではNIOがミドル・ローエンド市場をカバーすべく、20万元以下の第3ブランドを投入する計画と伝えられる。 かつて「廉価車」とのレッテルを張られた比亜迪(BYD)は2021年の自動車販売台数が73万台、うちNEVが59万台に達した。同年の平均販売単価は15万3,200元で、ドイツのフォルクス・ワーゲンを上回った。主力の「漢」モデルは、販売単価、販売台数ともに「25万+」となり、「廉価車」のレッテルが剥がれつつある。 BYDの躍進を支えた一つは技術進化にある。哪吒、零跑がNIOや小鵬、理想などがローエンド市場に参入した際にも、同じ土俵で戦うことができるのか、品質とともにブランド力を向上できるのかがカギになるといえそうだ。

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中国・新興自動車の5月納車数、4社が1万台突破でトップは理想~勢力図には変調も

中国の新興新エネルギー自動車メーカーが5月の納車実績を発表した。いずれも前年同月比、前月比ともに増加し、生産・操業再開の兆しが垣間見られる。企業別では、理想汽車(Li Auto)、哪吒汽車(Neta)、小鵬汽車(Xpeng Motors)、零跑汽車(Leap Motor)の4社が1万台を突破し、うちトップは理想汽車(Li Auto)。一方、蔚来汽車(NIO)は7,000台前半で引き続き低調だった。AITO問界と極氪(Zeeker)の2社は5,000台前後で、勢いが増している。従来は「蔚小理」と呼ばれるNIO、小鵬、理想の3社が新興自動車メーカーのトップを走ってきたが、Netaと零跑が急速に追い上げ、さらにその後にはZeekerとAITOが猛迫している格好で、勢力図には変調がみられる。 ■理想:11,496台、前月比で大幅な伸び 理想汽車の5月の新車納入台数は1万1,496台で、前年同月比165.9%増、前月比175.9%増。低迷した前の月から大幅に増加した。1~5月の累計ベースでは前年同期比111.13%増の4万7,379台だった。 理想によると、「理想ONE」の発売開始以降の累計納車台数は1万7,1467台にのぼり、新車1台での販売実績としてはかなり好調という。長江デルタ地域のサプライヤーの状況については、一部で徐々に生産回復しているが、依然として部品供給が逼迫し、一部ユーザーの新車納入が遅れていると指摘。ただ「サプライヤー企業とともに、感染対策の要求を満たしたうえで、生産回復に努め、顧客の納車待ち期間の短縮に努めている」という。 新製品では、「理想L9」が注目されている。3m超のホイールベースに、1,300kmを超える航続距離という仕様で、今年の大型SUVの中でも特に注目を集めている。 ■Neta:11,009台、高いコスパで地方都市で人気 Netaの5月の新車納入台数は1万1,009台で、前年同期比144%増、前月比では24.9%増。1~5月の累計ベースでは前年同期比213%増の4万9,974台と、5万台に迫っている。 Netaによると、月次の納車台数は2020年7月以降23カ月連続で前年同月比でプラスの推移が続く。特に、22年以降の伸びは加速し、22年通年の納車台数は10万台を突破するとみられている。 Netaの販売好調の要因として挙げられているのは、そのコストパフォーマンスの高さ。主要ラインアップの販売価格帯は7万~20万元で、うち「哪吒V」はSUVモデルで10万元前後。新エネルギー・純電気自動車の消費者の予算ニーズを満たす価格帯で、三線都市や四線都市の消費者に人気がある。 無論、Netaもブランド向上に向けて歩み始めている。その象徴となるのが「哪吒S」。「哪吒S」にはレンジェクステンダー式自動車(REEV)と電気自動車(EV)の2種類のエンジン形式があり、うちREEVの航続距離は1,100キロ、EVは710キロ。同社が開発したエンジン電池「天工電池」を使用している。「哪吒S」の競合相手は、比亜迪(BYD)の「漢」と「小鵬P7」に絞っている。 ■小鵬:10,125台、総じて安定維持 小鵬汽車の5月の新車納車台数は1万125台で、前年同月比78%増、前月比12.48%増だった。うち、「小鵬P7」が4,224台、「小鵬P5」が3,686台、「小鵬G3i」が2,215台。1~5月の累計ベースは前年同期比122%増の5万3,688台だった。 「小鵬P7」と「小鵬P5」は同社の主力製品。「小鵬P7」は優れた性能で、4秒で時速100キロの加速能力が出る性能を持つ。一方「小鵬P5」は家庭用に適した車種。「小鵬P7」、「小鵬P5」はともに、それぞれのターゲットを絞った市場での売れ行きが好調だ。 小鵬汽車によると、コアサプライチェーンの操業・生産再開に伴い、5月中旬に肇慶工場(広東省)の2シフトの生産体制を再開。手元受注の消化に急いでいる。 今後はSUVモデル「小鵬G9」を発表する予定。「小鵬G9」は競合を「理想ONE」に絞り、製品力の前評判は高く、注目されている。 小鵬汽車は充電設備の設置を積極的に進めているという特徴もある。4月末時点で自営充電ステーションは954カ所に達し、すべての直轄市と地級行政区をカバーしている。 ■零跑:10,069台、2か月続けて1万台突破 零跑汽車(Leap Motor)の5月の新車納入台数は1万69台で、前年同月比215.1%増、前月比10.81%増となった。月間販売台数が1万台を超えたのは4月に続いて2回目。零跑は4月の納車台数でトップだった。5月は順位こそ落としたが、納車台数は再び1万を突破し、月次実績として過去最高を更新した。すでに14カ月連続で前年同月比200%増を超え、全体の販売台数は非常に好調。1~5月の累計ベースは前年同期比347.44%増の4万735台だった。 主力車種の「零跑T03」と「零跑C11」は、同クラスの競合製品の中でもコストパフォーマンスに優れ、Netaと同様、三線都市・四線都市の消費者から人気を集めている。この2車種の販売好調で3月以降、零跑は販売台数を急速に伸ばし、長期にわたる最下位の地位からの脱却を果たしている。 5月10日に予約販売を開始した「零跑C01」は注文が4万8,000台を突破した。EVの車台と電池セルを一体的に設計してバッテリーパックを省く「セル・トゥー・シャーシ(CTC)」技術を採用し注目を集めている。「零跑C01」は15万~30万元のコア市場に衝撃を与えるとみられている。 ■NIO:7,024台、「蔚小理」の中で最下位 NIOの5月の納車台数は7,024台で、前年同月比4.7%増、前月比38.4%増。内訳は、SUVが5,317台、乗用車が1,707台だった。SUVモデルのうち、ES8が746台、ES6が2,936台、EC6が1,635台、乗用車はET7が中心で1,707台。 1~5月の累計ベースは前年同期比11.8%増の3万7,866台。5月末時点の累計納車台数は20万4,936台となった。 NIOは22年以降、販売台数の低迷が続き、5月の納車台数は再び「蔚小理」の中で最下位だった。これについてNIOは、新型コロナウィルス感染防止による一部都市の封鎖によって供給制限を受けたためと説明。ただ、足元では「段階的に」回復してきているという。 サプライチェーンの影響だけでなく、NIOは個人の消費意欲低迷の影響も受けやすい。というのも、NIOの価格帯は基本的に40万元以上と比較的高めで、中・高所得者層の消費低迷の影響を受けやすいためだ。 NIOによると、サプライチェーン企業の操業・生産再開に伴い、6月には生産がさらに回復し、ET7を含む車種の納車がスピードアップする見通しだ。今後は、いかにして販売台数を伸ばし、再び新勢力のトップに戻ることできるのか、注目されている。 ■AITO:5,006台で5千台突破 AITOの5月の新車納車台数は前月比54.3%増の5,006台だった。現在、AITOブランドで販売されているモデルは「問界M5」の1車種。3月5日に正式に納車を初めて以降、3カ月間の累計納車台数は1万1,296台。1車種の納車台数が1万台を突破するまでの期間としては最短記録だったという。高性能、長い航続時間、ファーウェイのHarmonyOS搭載などの特徴を有し、人気を博している。 今後は「問界M7」を発売する予定。同車種は高級スマート大型電気SUVとして位置づけられ、REEV型とEV型の2タイプのモデルが投入される予定。REEV型は6月に発表、7月に納車を予定している。...