「沖縄・中国北京訪問団報告会」が那覇で開催 平和と安定を願う

2026年1月11日、沖縄県那覇市久米の沖縄県青年会館にて「沖縄・中国北京訪問団報告会」が開催された。本報告会は、昨年12月21日から24日にかけて北京を訪問した参議院会派「沖縄の風」によるもので、伊波洋一参議院議員、高良沙哉参議院議員、高良鉄美前参議院議員の3名が登壇した。日中関係が緊張感をはらむ中、沖縄の平和と地域の安定を願う思いを中国側に直接伝えるために行われた今回の訪中について、多くの県民が関心を寄せ、会場に足を運んだ。

沖縄・中国北京訪問団報告会

沖縄・中国北京訪問団報告会

訪問団は、中国社会科学院世界経済政治研究所、中国歴代王朝の最高学府である国子監、天安門広場、日本大使館などを訪問した。各所で意見交換を行う中で、沖縄と中国の長い交流の歴史を再確認するとともに、現代における相互理解の重要性を改めて感じたという。

中国社会科学院では、近年の沖縄諸島における安全保障環境の変化や、それに伴う県民の不安について率直に伝えた。これに対し、同研究所の関係者からは、中国は2035年までの国内発展に注力しており、現時点では経済や社会の安定に重きを置いているとの説明があった。また、日本の政治動向に対する中国国内の反応についても、中国の人々は冷静であり、反日デモも起こっていない、との見解が示された。

初めて中国を訪れた高良沙哉氏は、「日本国内では中国を好戦的な国だというイメージがあるが、印象が変わった。実際に日本を訪れ、日本社会に触れた経験を通じて、日本に対する見方を変えている中国の人々も多い。その変化を日本側が理解していないのではないか」と述べ、固定化された中国のイメージにとらわれない必要性を熱弁した。

また、常に諸外国の動向を分析し、対策を講じる中国の姿勢は日本が見習うべき点である。とくに日本は憲法や法制度の研究が政治に反映されることがほとんどなく、日中関係の歴史的経緯についての理解にも乏しい。中国はもちろん諸外国と良好な関係を築くためには、このような研究分野をより丁寧に政策へ反映させる余地があるのではないか、との意見も出された。

訪問団が3日目に訪れた「国子監」では、かつて琉球王国から留学生が派遣され、研鑽を積んだ。彼らが培った知識が琉球王国の繁栄に寄与したのは言うまでもない。現在国子監は博物館として整備され、琉球の官生たちに関する展示区画もあると説明し、来場者を驚かせた。

報告会を通じて、登壇者3名に共通して語られた視点は主に二つあった。一つ目は、日本の過去の戦争における歴史、とりわけ諸外国への加害性について、どのように学び、反省するのかという課題である。高良鉄美氏は、ドイツの戦後の取り組みに触れながら、「歴史を正しく学び、顧みる姿勢が、将来の平和につながるのではないか」と述べ、日本においても多角的な歴史理解が求められていると指摘した。

楊慶東・福岡総領事館総領事も、日本の最近の動きについて「理解の欠如や美化は若い世代の認識を歪曲させ、諸外国も不安にさせる」と警鐘を鳴らし、「歴史への向き合い方が国際社会にどのように受け止められるか、慎重な配慮が必要ではないか。あらゆる紛争は対話のような平和的手段で回避すべきである」と述べた。

高良沙哉氏は、「中国側は一方的に日本を非難したいのではなく、日本自身が歴史を見つめ直すことを期待しているのではないか」と語り、日中共同声明などに表れるこれまで日中両政府が積み重ねてきた努力を再確認する必要性を訴えた。

伊波洋一氏は、中国では日本や沖縄の歴史に関する講座に多くの人が関心を寄せている現状を紹介し、日本でも近隣国の歴史を学ぶ機会を広げることが、相互理解につながるのではないかと呼びかけた。

二つ目は、現代の戦争や安全保障をめぐる想像力についてである。高良沙哉氏は、戦争が一部地域だけに限定されるかのような認識が広がっていないかと問いかけ、「日本人一人ひとりが自分事として考えることが大切だ」と語った。

奇しくも報告会の当日、政府が衆議院解散について検討しているとの報道もあったが、登壇者からは「日中関係の安定化に向けた取り組みを先に行うべきではないか」との声が聞かれた。訪中団の帰路の航空機が閑散としていたというエピソードからは、人の往来や交流の減少がもたらす影響についても考えさせられる。

武力に頼らず、対話によって平和を築くためには、相手の歴史や文化、価値観を理解しようとする姿勢が欠かせない。沖縄を再び戦場にしないためにも、今回の訪問団のように、学び、語り合う努力を積み重ねていくことが、今後ますます重要になるのではないだろうか。

沖縄・中国北京訪問団報告会現場

沖縄・中国北京訪問団報告会現場

沖縄・中国北京訪問団報告会現場

沖縄・中国北京訪問団報告会現場

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