中世に花開いた禅宗美術の魅力を紹介する 特別企画展「禅宗の美」展を開催いたします
近鉄グループの文化事業である大和文華館では、2024年9月6日(金)から10月14日(月・祝)まで、特別企画展「文字を愛でる―経典・文学・手紙から―」を開催いたします。
中国で成立し、日本で発展した禅宗は、座禅や禅問答を通じて、言葉による論理的な説明ではなく、心を通じて教えを伝えることを目指しました。このような禅宗の教えは芸術制作にも大きな影響を与え、禅僧が自身の到達した心の境涯を墨蹟や絵画を通して表現することで独自の美術を生み出してきました。
当館所蔵の重要文化財 虎関師錬筆「墨蹟 法語」には、中洞禅人に与えた法の教えが説かれ、気迫にあふれる書風は虎関師錬の禅の心が反映されています。本作品は令和4~5年度に保存修理を実施し、このたび修理が完成してから初めて公開となります。
この展覧会では、墨蹟・頂相・道釈人物画や、禅僧にまつわる水墨画を通して、禅宗の歴史や精神に触れていただきながら、中世に花開いた禅宗文化の多様な美術をご紹介します。詳細は別紙のとおりです。
別紙
<1> 展覧会について
1.名 称 特別企画展「禅宗の美」
2.会 期 令和6年9月6日(金)~10月14日(月・祝)
3.開館時間 午前10時00分~午後5時00分(入館は午後4時30分まで)
4.入館料 一般 630円、高校生・大学生 420円、小学生・中学生 無料
5.無料招待デー 9月13日(金)
6.主 催 大和文華館
7.出陳品数 52件
代表的な展示作品 *所蔵先の記載のないものは大和文華館蔵 ◎重要文化財
【1.虎関師錬と禅僧の書―墨蹟】
◎虎関師錬墨蹟 坐禅語 南北朝時代 公益財団法人諸戸財団
◎墨蹟法語 虎関師錬筆 南北朝時代
虎関師錬墨蹟 聯芳偈 南北朝時代 正木美術館
墨蹟 傑堂号 寂室元光筆 南北朝時代
【2.禅宗の人物画―頂相・肖像画・道釈人物】
◎墨蹟無相居士像賛 大慧宗杲筆 中国・紹興27(1157)
瀑岩等紳頂相 大永8年(1528)賛 室町時代
◎呂洞賓図 雪村周継筆 室町時代
◎維摩居士像 室町時代
渡唐天神図 華嶽建冑賛 室町時代 正木美術館
【3.禅僧による絵画―山水画・花鳥画】
◎山水図屏風 伝周文筆 室町時代
◎春景山水図 岳翁蔵丘筆 子通周量・了庵桂悟賛 室町時代 正木美術館
山荘図 謙巌原冲他賛 室町時代 正木美術館
◎竹雀図 可翁筆 南北朝時代
◎花鳥図屏風(左隻) 雪村周継筆 室町時代
【4.禅宗と工芸】
木地銀蒔絵禅機図経箱 室町時代
堆黒屈輪大盆 中国・元時代
鎌倉彫屈輪香合 室町時代
<2> 展覧会会期中のイベントについて
1.特別講演:「言葉と絵画―室町時代の詩画軸と肖像画をめぐって―」
(1)日 時 9月22日(日)14時00分から
(2)場 所 講堂
(3)講 師 広島市立大学 准教授 城市 真理子氏
2.日曜美術講座:「虎関師錬筆『墨蹟 法語』をめぐって―修理報告をかねて―」
(1)日 時 9月29日(日)14時00分から
(2)場 所 講堂
(3)講 師 大和文華館 学芸部係長 一本 崇之
3.列品解説
(1)日 時 毎週土曜日14時00分から
(2)場 所 展示場
(3)解 説 大和文華館 学芸部
※何れのイベントも参加は無料ですが、入館料が必要です。
※講堂の最大定員は100名です(先着順)。