藍印花布の世界ー祈りを込める藍の美ー【目黒区美術館区民ギャラリー】

2024年7月30日(火)から目黒区美術館区民ギャラリーにて藍印花布のイベントがスタート。日中の年代ものの藍染から現代にアップデートされた藍染作品まで様々に展示されている。8月3日まで開催。入場無料。

『藍印花布(あいいんかふ)』とは?

世界各国にはそれぞれの特徴を持つ、藍染がある。「藍印花布」とは、中国の伝統的な藍染技術による綿布。願いを込めて彫られた型紙を木綿や麻布の上に置き、防染糊を塗布したあと、藍に浸し染め上げる。その文様は、花や蝶当吉祥文様が多く、青と白の世界は凛としていて美しい。主に明時代(14世紀後半)から現代(20世紀半ば)にかけて風呂敷、蚊帳、衣服など民衆の日常生活に使われてきた。

主催者「藍印花布ワタナベ」の福原梨花さん。この日着用していた麻素材のワンピースは、チューリップ袖のデザインがポイント。藍の美しいブルーは夏にとてもよく映え、美しいデザインだ。

福原梨花さんの祖母にあたる久保マサさんが中国に訪れた時の様子(左から2番目)

久保マサさんは35歳の時に「新中国商品見本市」で初めて藍印花布に出会った。50歳になり、藍印花布で生計を立てようと決意。1972年に国交正常化に伴い初めて中国訪問する。以降、数十年間、印花布の故郷を訪ね、時代と共に消えゆく民間伝統工芸品、藍印花布を集め、研究に尽力を尽くし、日中友好の架け橋となった人物である。

日本の画家いわさきちひろ氏はも藍印花布が好きだったという。また、芥川龍之介が好んで着ていた藍印花布の写真も展示されていた。

夏の藍印花布。蚊帳として利用されていたものだ。

上記の写真にあるのは1950年代に日本で庶民が使用していた蚊帳(かや)である。麻素材に藍染(型染両面、片面染めあり)を施したもの。というのも、「藍」には防虫効果があるため、このような蚊帳が存在した。身分が高い人のものではなく、一般の庶民の生活の中にこのような藍印花布が身近にあったのだ。

上記は徐素平(XU SUPING)がデザインした“AwaAwa Shibori”。藍を染める際に糸で結んだままの状態が美しいと、このようなデザインになっている。

【藍印花布の世界ー祈りを込める藍の美ー】

開催日時:2024年7月30日(火)〜8月4日(日)

時間:10:00〜18:00(最終入場17:30)※8月4日は15時まで。

場所:目黒区美術館区民ギャラリー

ーWORK SHOPー

8月2日(金)&8月3日(土)13:00〜16:00(小学4年生以上)

申込制:TEL.090-4178-2393 担当:福原

主催:藍印花布わたなべ

後援:目黒区・認定NPO法人東京都日中友好協会・目黒区日中友好協会

 

 

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