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中国の5Gスマホ、携帯出荷に占める割合低下続く~新たなユーザー体験提供などが課題

中国で5Gスマホの携帯電話出荷台数全体に占める割合の低下が続いている。世界に先駆け5G普及を狙う中国は5Gネットワークの建設、5G携帯出荷台数、5Gユーザー数などの面で注目されているが、個人レベルでの5G携帯の一段の普及には新たなユーザー体験を提供できるアプリの開発など課題が残っている。 ■5G通信ネットワーク、都市部ほぼカバーで今後は農村部の整備が中心に まず、5Gネットワークの整備状況をみると、今年3月末時点で累計155万9,000カ所の5G基地局が建設・開通。全国の地級市、県城区をほぼカバーした。こうした中、通信事業者は5Gの投資ペースを落とす計画だ。 中国移動の楊傑董事長は先の決算発表会で、「5G投資・建設のピークは20年から22年までで、22年はピークの最後の年」と言明。実際、決算報告によると、中国移動の5G設備投資額は、20年は1,025億元、21年は1,140億元。22年は約1,100億元と小幅に減少するとの見通しを示したうえで、23年以降は特に重要な事がなければ、設備投資を徐々に減らすという。 ただ、5Gネットワークの全国カバー実現には、面積、人口の面で都市よりはるかに規模が大きい農村エリアの整備が残されている。こうした中、通信キャリアは今年、5Gネットワーク構築の重点を農村部にシフトしている。中国移動は、22年末までに郷鎮以上の農村部での5Gネットワークの整備確保を表明。中国電信と中国聯通も5Gネットワークの共同建設、共同使用を農村部でカバーする計画だ。 ■5Gスマホの普及に停滞感 5Gスマホについては、冒頭で触れた通り、足元で全体の携帯電話出荷台数に占める割合が低下している。中国信息通信研究院が5月16日発表した報告によると、3月の中国の携帯電話出荷台数は前年同月比40.5%減の2,146万台。うち5G携帯は41.1%減の1,618万5,000台に縮小した。 新型コロナウィルス感染拡大の影響などで携帯電話の出荷台数が全体的に減少する中にあって、5G携帯の出荷台数全体に占める割合の低下は見逃せない。同割合は2021年11月に82%に達した後、低下傾向にあり、今年に入ってからは1月が80%、2月が77%、3月には75%に低下した。5G携帯の割合縮小の要因としては、コロナによるハイエンド機種の購買意欲の低迷、ファーウェイの4G携帯へのシフト、エントリーレベルの4G製品への需要が残っていることなどが挙げられている。 ■個人使用では4Gとの差別化に課題 加えて、使用感において4Gと大差ないとの声もある。使用感が4Gと大きく異ならない中、5G料金に割高感を感じる消費者は少なくない。こうした中、4Gから5Gへの乗り換え需要を喚起するには、新たなユーザー体験を経験できる5Gアプリなどの投入が必要となっており、通信キャリアは新たなサービスの開発を急いでいる。最近では4月に5G新通話を通信キャリア3社が相次いで発表。まず中国移動が4月12日に発表。続いて中国聯通と中国電信が同26日に5G新通話の相互接続実現を共同で発表した。 5G新通話の特徴としては、利用にあたってアプリやアドレス帳のダウンロードをせずにハイビジョン動画を通じて通話できることがある。ただ、中国のスマホユーザーの間では、既に微信(WeChat)の音声通話、ビデオ通話がかなり普及。5G新通話が数億人のユーザーの使用習慣を変えることができるのかは未知数だ。4Gに比べて通信速度が大きく向上する5Gは医療や交通分野など社会インフラ整備において必須だが、個人レベルでの5Gの一段の普及には、差別化した5Gアプリの提供など課題は残されているようだ。

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折りたたみスマホ市場にvivo参入~参入相次ぐも成長途上の市場で課題も

中国のスマホメーカーのvivoはこのほど、vivo初の折りたたみスマートフォン「vivo X Fold」を発売した。これによりファーウェイ(華為)、栄耀(HONOR)、小米、OPPO、vivoの主要国産スマホメーカーはいずれも、折りたたみスマホ市場に参入したことになる。ただ、折りたたみスマホは市場規模が依然として小さいく、技術面や生産コストなどの面で課題も残されている。 ■足元は供給不足の傾向 各社の折りたたみスマホ市場の参入を振り返ると、2019年にサムスンとファーウェイが先陣を切った。当初は2社のみだったが、2021年になって3月に小米、12月にOPPOが参入。そして2022年1月に栄耀、4月にvivoが参入した。 参入が相次ぐが、昨年末以降、新たに発売された国産の折りたたみスマホは供給不足となっている。OPPOによると、同社の折りたたみスマホ「Find N」は発売後、2週間で5万台を販売し、ネット全体の予約数は100万台を突破した。しかし、長期にわたり品薄状態にある。このほど新たに発売されたvivoの折りたたみスマホも、発売後直ちに完売し、購入には予約が必要となっている。 こうした供給不足の背景には、市場が成熟しておらず、生産量が限定的なことが挙げられる。Counterpointによると、2021年の世界のスマホ出荷台数は14億台で、そのうち折りたたみスマホは900万台にとどまる。2020年の194万7,000台からは大きく増えたが、スマホ市場全体でみると依然としてシェアは小さい。末端の市場が一定の規模に達していないため、メーカー側も生産能力の拡大に慎重になっている格好だ。 ■折りたたみスマホ市場への参入はハイエンドブランドの「登竜門」 ただ、こうした中でも主要スマホメーカー各社が折りたたみスマホ市場に相次いで参入している背景には、参入がハイエンドブランドへの「登竜門」とみなされていることがある。 スマホは、ハイエンドチップ以外の技術はすでにコモディティー化し、差別化が難しくなっている。こうした中、折りたたみスマホのスクリーン技術を持つことは差別化の一つとされる。まだ生産規模が限定的で、高価格帯であることからも「ハイエンド」の代名詞といわれている。こうした「ハイエンド」の折りたたみスマホ市場に参入する狙いは、あくまでもユーザーの注目度やブランドイメージの向上にあり、規模の追求ではないといえる。 ■技術改良や需要喚起などの課題も 今後の折りたたみスマホ市場については、技術面では、耐久性や歩留まり率など依然として改善の余地が大きいと指摘される。また、価格が高いこともネックの一つだが、コア部品が成熟化するとともに、需要が拡大し生産が大規模となれば、コストが下がり、価格も引き下げられる。しかし、折りたたみスマホは現時点では「必需品」にはなっておらず、市場の需要を喚起する策が必要となる。様々な課題が残るなか、需要を喚起するにあたっては、既存メーカーの努力もさることながら、アップルが参入するか否かもカギの一つと指摘されている。

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小米のスマホ出荷、22年は2億台目指す~21年は世界シェア3位

小米(シャオミ)が3月22日発表した2021年12月期決算によると、21年のスマートフォンの世界での出荷台数は前年比28%増の約1億9000万台に拡大した。サムスンの2億7400万台、アップルの2億3000万台に続いて世界第3位で、世界シェアは14.1%だった。22年の目標については2億台突破との目標を示した。 21年のスマホ出荷の特徴はハイエンド機種の販売が伸びたこと。中国本土で定価が3000人民元以上、海外で定価が300ユーロ以上のスマホ出荷台数は2400万台となり前年比で倍増した。特に、海外の定価300ユーロ以上の機種は160%以上の伸びを記録した。ハイエンド機種が全体に占める比率は前年の7%から13%に拡大している。 22年の出荷目標については、「第1四半期は出荷状況は楽観できないが、第2四半期以降は改善する」とみて2億台を目指すという。 ■EV事業の進捗順調 一方、21年に参入を発表した電気自動車(EV)事業に関しては、研究開発チームが1000人を超える規模となり、予想を上回っている進捗状況で、24年上期の量産開始との目標は維持するとしている。