アジア各国の民族芸能伝承者が集結 黛民族舞踊団『2023アジア民族舞踊交流会』2015年以来20回目の開催 カンフェティでチケット発売
一般財団法人黛民族舞踊文化財団(理事長:三隅治雄)主催、『2023アジア民族舞踊交流会』が2023年3月21日 (火・祝)に国立劇場 小劇場(東京都千代田区隼町4-1)にて上演されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて発売中です。
カンフェティにてチケット発売中
http://confetti-web.com/mayuzumi/
公式ホームページ
http://www.mayuzumi.or.jp
アジア民族舞踊交流会について
黛民族舞踊団創設者 故黛 節子は晩年、日本各地の民俗舞踊を取材、研究し中国、韓国の舞踊・文化に日本の芸能文化のルーツを求め、また、稲作文化の軌跡を “ライスロード”と名付け、1986年からライスロードの仲間たちによる民族舞踊公演(アジア民族舞踊交流会)を重ねてきました。
世界各国にはそれぞれ民族舞踊団が国家の庇護の基に活動していますが、これらの舞踊団との交流や、中国、韓国、東南アジア諸国の民俗芸能伝承者たちとの交流等、幅広い国際交流を推進して相互の連携と研鑽につとめ民族舞踊に対する理解を深める事を目的とし、本公演活動を行っております。2023アジア民族舞踊交流会は、2015年以来の開催であり、20回目を迎えます。
- 黛民族舞踊文化財団について
黛民族舞踊文化財団は1986年民族舞踊家 黛 節子により設立されました。
思えば当時文化庁次長であった加戸先生に、財団名義取得の許可をいただいた日の黛節子のよろこび様は忘れられません。現在は三隅治雄理事長のもと、二代目黛流家元 黛 琉美と筆頭に黛節子が新たに再編成した作品をとりあげて、財団付属の黛民族舞踊団が民族舞踊作品を上演しております。
当財団は日本の各地に脈々と伝えられている民俗舞踊を取材発掘し、それらを素材とした舞台芸術作品を数多く発表してまいりました。(綾子舞・祝い舞・ひえつき節等)中世舞踊文化の歴史をさぐり、それを現代の視点のもとで、新たに舞台芸術としてよみがえらせるべく舞踊文化の復元創作も試みました(出雲阿国に起原をもつといわれる、ややこ踊り等)。
黛 節子の思い出の作品「阿国礼賛・近世おどり絵巻・桜樹散華」を再構成し、発表致しております。日本の踊り(動き)が、かくも美しく心をうつものだと大変好評をいただいております。
黛民族舞踊団は、これまでに東京文化会館、日生劇場における公演の他、サウジアラビア、米国ノックスビル国際エネルギー博、中国昆明世界園芸博、パリ、ローマ等の公演にも参加し、日本の民族舞踊の普及に力を注いできました。
韓国とも友好交流をもち、韓国の舞踊家を招請するなどして日本と韓国の民族舞踊の関連性についての調査も行いました。韓国の著明な舞踊家金梅子(キンメジャ)先生は黛アートサロンにおいて度々フォーラムを開いて頂きました。
中国とは稲作文化圏(ライスロード)という共通点をもつ中国雲南省舞蹈家協会とは隔年の日本招聘及び黛民族舞踊団の訪中により、1985年より、13回を数えて相互の民族舞踊文化の交流と研究を通じて友好を積み重ねてまいりました。
今後も広く東アジアに目を向けつつ、地道に日本国内の民族舞踊を題材にした舞台芸術を創作していくとともにそれら民族舞踊の保存の一助に微力を尽くしたいと思っています。
- プログラム 演目解説
第1部「アジア民族舞踊交流会」
1.日本「巫女舞(みこまい)」 柳田孝義 曲
岩手県早池峰に現存する山伏神楽の女舞には不思議な格調と魅力がある。早池峰にこだまする笛と太鼓と手ずりかねに祈る巫女の姿。
2.韓国「花冠舞(ファガンム)」
花かんむりとカラフルな宮廷衣裳をつけて舞う宮中舞踊形式の踊りです。おごそかに優雅に舞う。
3.中国「花腰花腰美(ファヤオ ファヤオ メイ/HUAYAO HUAYAUO MEI)」
中国雲南省 少数民族 泰(ダイ)族の踊り
4.中国「哈尼少女節(ハニショウジョマツリ/HANI SHOUJO MATURI)」
中国雲南省 少数民族 哈尼(ハニ)族の踊り
5.中国「滇人祭(デンレンジ/DIANREN JI)=(雲の南祭り)」
6.韓国「ヒャンバル舞(ヒャンバルム)」
両手にヒャンバルというカスタネットのような金属製の楽器を打ちながら舞う宮廷舞踊のひとつ。
7.日本「原体剣舞連(はらたいけんばいれん)」
宮沢賢治 作 近衛秀建 曲 藤島宇内 朗読
岩手の村々に伝わる鬼剣舞。宮沢賢治の「原体剣舞連」(東北の原体村にある剣舞を詩にしたもの)の詩よりヒントを得て黛節子が創作。
8.韓国「長鼓舞(チャンゴチュム)」
農民の祝祭には必ず登場する最も人気のある民族舞踊のひとつで、伝来の代表的な打楽器であるチャンゴを肩にかけて打ちながら舞い祝祭の楽しい雰囲気を一層引き立てる。
9.韓国「三鼓舞(サンゴム)」
三面の太鼓を韓国のリズムで女性が打ちながら舞う。力強くも優雅さをも秘めた太鼓の舞。
第2部 黛民族舞踊団「桜樹散華」
出雲阿国に思いを寄せ立ち返るべく、現今の歌舞伎に至る前の慶長年間の芸能の断片を集め、再構築を試みました。
常に河原者といわれ蔑まれながらも、時の権勢に対し対等の誇りを持ち、大衆に興奮と娯しみを与えたかつての芝居者の源流を探り当て、そのエネルギーを再現しようと意図したのが慶長を中心とするこれらの作品群です。
1.「し乃はら踊り」 渡辺浩風 曲
奈良から南へ下り、更に奥へ入った奥吉野大塔村に伝わるこの踊りは、近世初期の芸能、いわゆる阿国などが唄い踊ったであろう小唄踊りの影響を強く受けているようである。元来が山の木を追い求め全国の山林を走り回った木地師たちの一部が住み着いたこの辺りは、その後も宮大工として都へ出るものが多く、そうした都との交流の中から持ち帰られ伝えられたのがこの踊りのはじめと言われる。その後、村の天神様の祭りに奉納されることにより、今日までその面影が伝え残されてきた。踊りの唄は36曲より成り、現在既に判然としないものもあるが、我が国民俗芸能伝承の立場からは貴重なものと言える。
2.「小原木」 渡辺浩風 構成曲
新潟県刈羽郡鵜川に伝わる綾子舞は、慶長年間ぼっ興した。いわゆる阿国歌舞伎の型が残されていると言われている。世は戦国の動乱を経て、南蛮渡りの異文化の流入と相まって、びらんとたいはい感がただよう。現代の世相に通じた興味ある時代。そうした中に、生まれたであろう踊りの再現を意図したもの。
3.ごんべとカラス 飯島一夫 曲
ごんべが種をまくと狙ったように降りてきて種をつつく、カラス。さてごんべはカラスを追い払うことができるのか…。
4.ややこ踊り 渡辺浩風 曲
これは日本の古い時代慶長の頃の踊りを黛節子が浮世絵その他を研究し、原型に復元したものです。歌舞伎の祖出雲阿国もこのような踊りを踊り始めていました(西暦1604年頃)日本舞踊と大変違ったテクニックにお気づきでしょう。
「ややこ」とは可愛い娘のことです。その娘達が歌ったりはやしたり大変にぎやかに踊ります。
5.「想夫恋」 渡辺浩風 編曲
鹿児島に伝わる。慶長年間、秀吉朝鮮出兵の役に出征した夫を偲んで唄い始められたと云われ、女性が男装して踊るのも民謡の中では珍しい。街角に佇む流しの芸人の心で元禄風の雰囲気を持って。
6.「花念仏」 助川敏弥 曲
本来念仏とは死者のためにあったものではありません。逆に人が生きようとした時に念仏は生まれたのであります。腐敗堕落の中にあった9世紀、10世紀の日本で、庶民に生きる一つの方向を示したのは念仏であります。足を踏み鳴らし、手を叩いて唱える念仏によって、人々は生きる証を得たのであります。後年この念仏踊りにその生涯をかけ、多彩な一生を送った出雲の阿国は生きる証、生きるその情熱のほとばしりから鐘を叩き、足を踏み鳴らして念仏踊りを踊ったのだと思います。
7.「祝舞」(花田植、豊年舞) 飯島一夫 曲
花田植:一本の苗がそのみのりが農村の人々の生活の全てであった昔、田植に選ばれた乙女達は豊作を願い一心に美しく苗を植えます。この踊りは乙女の祈りともいえましょう。苗を植える乙女達の優美さは日本ならではというところでしょう、仙台の奥秋保に伝わるもの
豊年舞:稔りの秋を祝う村人たちの唄声に、娘の顔も明るくほころぶ。
日本の郷土芸能は神との連なりの中に生まれたものです。火の中に神を怖れ、水の中に神を感謝し、土の中に神を敬い、草木の中に神をみた日本人は生きることを神からの授かりものとしてきました。そしてこの全てを心として日本人は唄いました。踊りました。それがこの豊年、祝い舞です。
- 公演概要
一般財団法人黛民族舞踊文化財団『2023アジア民族舞踊交流会』
公演日時:2023年3月21日 (火・祝) 13:30開場/14:00開演
会場:国立劇場 小劇場(東京都千代田区隼町4-1)
■出演
雲南民族歌舞アンサンブル 代表:劉宏軍(リュウ コウグン)音楽家・演出家
【舞踊家】
温 珺瑶(ウン ジュンヤオ/ WUN JUN-YAO) 于 健美(ユ ヂェンメェイ/ YU JIAN-MEI)
龙 芷馨(ロン ゼイチン/ LONG ZHI-QING) 白 灵慧(バイ リンホイ/ BAI LING-HUI)
王 心竹(ワン シンズウ/ WANG XIN-ZHU) 李 丹(リ ダン/ LI DAN)
瞿 春梅(チュウ チェンメイ/ QU CHUN-MEI) 崔 旭(ツゥエ シュウ/ CUI XU)
【演奏家】
劉 宏軍(リュウ コウグン/LIU HONG-JUN):作曲・編曲・管樂器演奏
郭 敏(グォ ミン/GUO MIN):演出補・揚琴・打楽器演奏
錢 騰浩(チェン タンハオ/QIAN TENG-HAO):笙簧・打楽器演奏
李 英姿(リ エイシ/LI YIN-ZI):二胡・高胡演奏
孫 潇夢(ソン シャオモン/SUN XIAOMENG):橫笛演奏
朴貞子韓国舞踊団 代表:朴 貞子(パク ジョンジャ)
【舞踊家】 SAKIKO・MIKA・TAEKO・NAOMI・MINEKO
【演奏家】 PARK JUNGJA・RYOUSUKE・MASAHITO・YOSHIHIRO・TAKASI
黛民族舞踊団 代表:黛 琉美
【舞踊家】
黛 真也 黛 李穂 黛 圭
花柳 翁麗 小山 羊子 川口 恵里奈 野村 陽子
戸塚 文子 鈴木 雅子 吉原 久美子 ⻑田 珠澄
星来 松山 順子 鈴木 茉矢
⻄川 扇重郎(友情出演) 五月女 華舟(友情出演)
■スタッフ
総合演出:黛 琉美
演出(雲南民族歌舞アンサンブル):劉 宏軍
演出(朴貞子韓国舞踊団):朴 貞子
照明デザイン:小保内 陽子(エクサート松崎)
映像デザイン:金 大韋(TAII Project)
衣裳デザイン(雲南民族歌舞アンサンブル) 吳 松懿(WU SONG-YI)
舞台監督:堀井 基宏
音響:国立劇場
大道具:金井大道具
映像機材:アルゴン社
衣裳:的場 花枝
ヘアメイク:半沢 幸子
宣伝美術・写真撮影:田中 文太郎
公演収録:鈴木 壮志(ブラボーワークス)
主催・制作:一般財団法人黛民族舞踊文化財団
■チケット料金
大人:5,000円
学生:2,500円
(全席指定・税込)