<日中100人 生の声>日本の介護予防音楽療法をネットで世界発信―本江思帆 投資顧問
2019年12月23日月曜日朝5時、国際会議での講演を終え、東京羽田国際空港に戻った。長年最低毎月2回は海外を飛びまわっていた私にとって、まさかそれから20カ月以上、国際便と全く無縁になり、さらに世界中がコロナ禍との長い闘いに入るとは、その時は思いもよらなかった。 2020年1月23日武漢がロックダウン。我々在日科学技術者連盟等40以上の在日華人組織は共同募金し、大量の医療用マスクや防護服など緊急医療物資を日本から中国抗疫最前線の医療機関と介護施設に寄付した。特筆に値するのは、勤務先の日本アジア投資株式会社の全日本人社員総動員で買い集めたマスクがいち早く、中国各地にある全基金管理会社の現地職員家族に発送されたことである。 しかし、支援物資がまだ中国に届いていないうちに、今度は新型コロナウィルスが日本で感染拡大し始め、日中介護学会理事達の個人募金を受けてアルコール消毒液を会員介護施設に緊急寄付するという重責を私が引き受け、品切れ、価格高騰の中、連日徹夜してまで必死にネット調達した結果、全施設に大容量消毒液を数缶ずつ届けることが出来たときの安堵感は今も忘れられない。 日本の感染状況が厳しくなる中、今度は2020年3月から私たち北京大学国際同窓会等が再び行動を起こし、中国から大量の緊急医療支援物資やコロナ検査キットを専用機で日本へ輸送し、厚労省や各介護・医療・研究機関に寄付した。 話を私が副会長を務める日中介護学会に戻すと、中国にいる重い認知症のピアノの先生や高齢の祖母・親の介護難の為、十数年前から、私は日中健康事業をライフワークに決め、ヘルスケア投資に注力してきた。日本の関連国家資格や欧米の音楽療法等、毎年1~2種類の資格取得や業界の勉強に取り込んできた。最低月1回、介護施設で音楽療法指導やボランティア活動に参加している。 国内外3000超の法人個人会員を持つ学会が医療法人・社会福祉法人・介護専門学校等を買収し、運営、人材育成に注力、高齢者が2年前入所時の「要介護5」から「要介護2」に大幅改善できた事、NHKも追跡報道された。、各分野での経営者・専門家が毎月2回「無料日曜ウェブセミナー」を開催してきた。日本の先進的な介護理論や現場経験を紹介、Web Castを通じ、累計数万人の聴講&交流が実現された。私も母校清華大学の要請を受け、近年の調査と論文を基に、「ヘルスケア金融信託REITs」や「日本高齢施設認知症音楽療法効果」等のテーマで、年数回ウェブ講演し、日本の「自立支援」理念を繰り返し発信してきた。