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中国の若年層の失業率、5月は18.4%~雇用確保へ政府は新卒者採用に補助金などの対策

中国・国家統計局が6月15日に発表した都市部調査失業率※によると、若年層の失業率が悪化した。今後大学の卒業シーズンを迎え、若年層の雇用圧力が強まる中、雇用確保に向けて政府は、企業への新卒者を採用した場合の補助金支給などの対策を打ち出している。 ※中国には国家統計局が発表する調査失業率と人力資源社会保障部が発表する登記失業率がある。うち、調査失業率は、サンプル調査に基づいた失業率 5月の全国都市部調査失業率は5.9%、うち25~59歳の失業率は5.1%。ともに前月比で0.2ポイント低下したものの、足元の雇用情勢について国家統計局報道官の付凌暉氏は「新型コロナウィルス感染の雇用へのマイナス影響が完全に消失したわけではない」と指摘する。 実際、大都市に限定した大都市失業率は6.9%、16~24歳の失業率は18.4%と、ともに前月比で0.2ポイント上昇した。中国では例年3~7月が卒業シーズンに当たり、国家統計局の統計では16~24歳の失業率は毎年3~7月までは上昇し、その後、ピークアウトして徐々に低下する傾向にある。今年の16~24歳の失業率の推移をみると、3月が16%、4月が18.2%、5月が18.4%。傾向としては例年と同様だが、問題は例年に比べて失業率が高いことだ。 ■若年層の高い失業率は「若者が安定性の高い職場を好む傾向が強まり、需給がミスマッチ」と統計局 この若年層の失業率について付凌暉氏も「高く、重視する必要がある」と言明。若年層の失業率の高さの要因として「感染症の影響で企業の生産・経営が悪化し、雇用を吸収する能力が低下した」という企業側の需要サイドの要因と同時に「若者が安定性の高い職場を好む傾向が強まったこと」という人材の供給サイドの要因もあり、「需給のミスマッチが深刻化したため」と説明している。実際、企業側の需要については、都市部の長江デルタや珠江デルタでの防疫措置の強化が企業の求人需要にマイナス影響を与えている可能性が高い。また、人材の供給サイドでは、今年は大学卒業者が1,076万人と過去最多になる中、付凌暉氏は目先も「卒業シーズンを迎え、大卒者が労働市場に集中的に参入することで、雇用圧力がさらに強まる可能性がある」との見解を示している。 ■足元の採用率は前年に比べて低下 実際、足元では新卒者の採用率が低下しているとの調査もある。求人サイトを運営する智聯招聘が発表した『2022大学生就職力調査研究報告』によると、4月中旬の時点で、就職を予定する卒業予定者のうち採用通知を受けたのは46.7%。2021年の62.8%に比べて16.1%低下した。また雇用契約を結んだ卒業予定者は15.4%で、同18.3%に比べて2.9%ポイント低下している。採用率の低下については、「金三銀四(3月から4月にかけての春節明けの求人ピーク)」後の求人減少で、卒業予定者の選択余地が縮小し、競争が激化したため説明している。 ■政府も対応 多くの大卒者が見込まれる一方、依然コロナの影響が払拭されない中、政府も対応を進めている。国務院が5月31日に発表した景気対策には、雇用安定に向けた支援強化策として、年末まですべての企業を対象に新卒者を採用した場合、1人当たり1,500元を上限に雇用拡大補助金を支給するとの内容を盛り込んだ。 地方レベルでも動きが出てきている。上海市は『上海市経済回復・復興加速行動計画』で、中小・零細企業が新卒者を採用した場合、一定の補助金を支給するとしている。安徽省も、企業の新卒者採用を奨励。中小・零細企業が新卒者を新たに採用した場合、1年以上の労働契約を締結し、6ヶ月以上安定的に雇用し、規定に基づき社会保険料を納付することを条件に、1人当たり1,000元の補助金を支給する。一方、山東省は起業を対象とした支援を打ち出した。初めて小規模・零細企業を設立する新卒者に対して、1万2,000元以上の創業補助金を支給。個人、パートナーとの起業の場合は、それぞれ最高20万元、60万元の起業担保融資を行うとしている。 「若者が安定性の高い職場を好む傾向が強まった」ことが一因と指摘される中、政府の対応だけでなく、採用する企業側も安定した雇用を提供するための取り組みが求められているといえそうだ。

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中国、21年末時点の就業者数は7億4652万人

7日に発表された2021年版の人的資源・社会保障事業発展統計公報によりますと、21年末時点の中国の就業者数は7億4652万人で、うち都市部の就業者数は4億6773万人です。産業別の割合は、第一次(農業・林業・牧畜業・漁業)が22.9%、第二次(製造業・建設業・鉱業)が29.1%、第三次(その他)が48%です。  過去のデータと比較すると、全国の就業者数は17年に最多の7億7640万人に達した後、年々右肩下がりとなっています。第二次産業の就業者の割合は18・19年の28.2%から21年の29.1%へと再び上昇しています。 21年通年の都市部新規就業者数は1269万人で、都市部失業者545万人の再就業が実現しました。21年末時点の都市部登録失業者数は1040万人、都市部登録失業率は3.96%です。21年に全国で4万4000の就業者ゼロ世帯が各世帯で少なくとも1人の就業を実現しました。(提供/CRI)

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不景気に就職難…1000万人超の中国の新卒者はどこへ行く?―独メディア

2022年6月2日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国版サイトは、史上初めて1000万人を超えた今年の大学新卒者たちが、不景気と就職難の中で進路に悩んでいることを報じた。 記事は、中国教育部の統計で、今年の中国の大学新卒者数が昨年より167万人多い1076万人となり、過去最高を記録する見込みであると紹介。一方で、中国経済の成長が鈍化する中で、もともと競争が激しかった就職市場は一層厳しい状況になっているとした。 そして、上海における大規模かつ長期的なロックダウンなど新型コロナの影響に国際情勢の変化が相まって都市部における4月の失業率が6.1%となり、特に16〜24歳の青年失業率が18.2%に達したことを伝えている。 その上で、今年北京理工大学を卒業する予定だったものの、卒業を1年延長する制度を利用したある学生が「多くの企業は採用枠の多くを新卒者に振り分けている。今年の就職戦線は非常に厳しいので、留年することにした」と語ったことを紹介。このような学生が増えている状況に対し、中国南方科技大学の副校長が「教育部は新型コロナの状況を鑑み、今年の大学の学生募集を適宜延期したり、条件を備えた大学のフレキシブルな学制採用を認めたり、より多くのい学生に卒業延期や新卒者の身分保持を認めたりすべきだ」と提言したことを伝えた。 一方で「すべての学生が卒業の延期を望んでいる訳ではない」とし、広東省広州市の大学に通う学生が「友人は自ら望んでいないにもかかわらず、(新型コロナに伴う)学業上の問題で卒業が延期になってしまった。自分は卒業の延期は考えていない。卒業を延期しても競争がますます激しくなるだけで、もっと就職しづらくなるだけだから」と語ったことを紹介している。 記事はさらに、近年海外の留学生が中国に戻って就職するブームが起きており、新型コロナによってさらに拍車がかかっていると指摘。これにより中国国内の大学新卒者の就職事情はますます厳しくなる可能性があるとした。(翻訳・編集/川尻)